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「明日も朝7時」日本代表リーチ マイケル主将 ニュージーランドから独占取材【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター

日本代表主将で38キャップ(国同士の真剣勝負)を保持するリーチ マイケルが4月7日、ニュージーランドの滞在先で電話での独占取材に応じている。

現在、南半球最高峰であるスーパーラグビーの一昨季王者、チーフスでプレー。3月14日ストーマーズとの第5節でデビューを飾って以来、(ケープタウン/28-19で勝利)から4戦連続で先発出場を続けている。

4年に1度のワールドカップイングランド大会を9月に控える日本代表は、6日から宮崎で合宿を開始。途中合流する見込みのリーチは、現在のチャレンジで得た感慨をジャパンの仲間に有効活用して欲しいという。

「毎日、ノートを作っている」

17日にはクルセイダーズとの第10節を控える(クライストチャーチ)。

以下、リーチの一問一答。

――まずは、チーフスでの日々について伺います。スーパーラグビーデビューまでの経緯を。

「最初、メンバーに入ったのはハイランダーズ戦(3月6日/第4節/ハミルトン)。チームに怪我人が出たら、僕が入る予定だったんです。結局、試合に出ることにはならなかったけど、大分、緊張した。出たい気持ちが半分、もう半分は迷惑かけちゃうかなという気持ちが半分。(合流して間もなく)サインプレーもまったく覚えていない状態だったから。でも、次の試合には絶対に出られるように努力をした。がんばった。日曜日にニュージーランドを出て、月曜日に南アフリカに着いて、火曜日の練習から、フルパワーでやった。一番、速くグラウンドに出て行って。相手の分析をして、アピールして…」

――デビューは敵地のストーマーズ戦。ナンバーエイトとしてフル出場します。

「ハイランダーズ戦の時より緊張はなかった。(攻撃の)サインも、ラインアウトのサインも覚えて試合に出たから」

――チーターズ戦(3月28日/第8節/ハミルトン/37-27で勝利)では、前半1分に先制トライを決めています。ラストパスを放ったのはニュージーランド代表(オールブラックス)23キャップのソニー=ビル・ウィリアムズ選手。タックラーとぶつかりながら観方に球を繋ぐオフロードパスの名手です。

「そう。ソニー=ビルからもらって…。ずっと前から意識してました。ソニー=ビルがボールを持ったら、その近くに寄るように。そうしたら、(ラストパスを)放ってくれた」

――オールブラックスの選手とのプレー、刺激になりますか。

「サム・ケイン(22キャップ)。同じポジションで、いま、一緒にいることが多い。練習の時はできるだけ彼より走って、彼よりタックルするようにしている。いま、目標とする選手はサム・ケインです。一番しんどいときにがんばっている選手だから。個人練習も、ウェイトトレーニングも、全部、彼と一緒にやっている。彼は気付いていないかもしれないけど、俺は彼をむちゃくちゃ意識してる。ふふふ。まだまだ、勝てないけどね」

――チームの雰囲気はいかがですか。

「オンとオフの切り替えはすごい。練習の空気は試合と一緒。練習は超、ハード。(日本)代表よりきついです。ミスしてもそのまま続ける。ターンオーバーになったら、そのままプレーを続ける。すべてが、刺激になっています。ヘッドコーチ、ディフェンスコーチ、スキルコーチも細かいところまで見てくれています。言われたことを全部、やってます。ただ逆に、フォワードのラインアウトでは、日本の技術を向こうが知りたがっています。それで結構、教えてます」

――王国の強豪が、日本の選手の技術を知りたがっている。

「日本ではどういうディフェンスをするんだ、とか。ニュージーランドの選手に聞かれます。特にモール。(国内所属先の)東芝はモールばっかりやってる。だからモールのアタック、ディフェンス(の技術の伝達)は(チーフスの)皆のいい刺激になりました。ジャパンのやり方も、いくつか取り入れています。モールディフェンスの入り方、リフトの動き、練習に入る前の準備、ウェイトトレーニングの時にスローワーとジャンパーが(投球と捕球のタイミングを)合わせる習慣…」

――「リフトの動き」。ジャンパーを支える選手は、持ち上げる瞬間に身体を垂直に伸ばす。

「そうです。それを少しずつ教えてます。こっちはでかさに頼っているところがある。日本はでかくない分、スキルを多用している。こっちのでかさと日本のスキルを合わせたら…と」

――現地で評価されている点は。

「まぁ、一番は…どうだろう。ラインアウトで飛べること、タックル、試合中のワークレート。ただ、ボールキャリー(ランナーとしてのインパクト)がまだ足りない。(指導者に)そう言われてはいないけど、もっとできると思う」

――スーパーラグビーのプレッシャー、いかがですか。

「テストマッチと同じ準備をすれば、問題ない。周りの選手にそうアドバイスされて、その通りにしたら、大丈夫でした。テストマッチに出ていなければ、ここで試合に出ていないと思う。プレッシャーへの耐え方、準備の仕方…。テストマッチに出てきたことはかなり、大きい」

――主将を務めるジャパンについて。エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)とは連絡は取り合っていますか。

「エディーとはコミュニケーション取れてなくて(7日現在)。こっちでは練習してるか、寝てるか、分析してるか。いまはノートに、いっぱい、いっぱい、(チーフスで学んだ)色んなことを書いている。日本代表に持っていくために」

――自らの実感をジャパンに落とし込みたい、と。

「ハタケさん(畠山健介/リーチ主将不在時に主将代行を務める)を少しでも助けないと。(就任は前から)知ってた。彼は一番、練習中に力になっていた。ずっと喋っているし、ずっといいパフォーマンスをしている。ぶれないです」

――ワールドカップの初戦では、南アフリカ代表と対戦します。

「(南アフリカの)ストーマーズ、シャークスとやって、思ったよりいける。過大評価しない方がいい。だから、代表がどうやったら自信をつけられるのかを考えている」

――スーパーラグビーの魅力を改めて語ってください。

「世界の選手と試合ができるのが一番の魅力」

――今季から挑戦する日本人選手の多くは、なかなか試合出場が叶いません。

「何でだろうね。ただ、試合に出るのも、自分のポジションをキープするのも大変。練習中に、どれだけアピールできるか。あとはグラウンドの中だけでなく、普段の態度とかも見られている。メンバー選ばれていない時、試合に出たいと思っていると感じさせることが大事。その時に試合に出れていなくても、どんどんそれを続ける。そうしたら、怪我人が出た時にすぐにピックアップされるかもしれない」

――いつも、いつも、どういう人であるかが問われる。

「そう。明日(8日)も俺は朝7時からクラブハウスに行って、一番、遅く帰る」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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