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去年と比べるな! 日本代表・堀江翔太キャプテン、スコットランド代表戦前に…。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は「終わった」というイングランド大会時のもの。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控えるラグビー日本代表は、6月18日、愛知・豊田スタジアムでスコットランド代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。13日から合流した堀江翔太キャプテンが意気込みを語った。

スコットランド代表は、日本代表にとっては3勝を挙げた昨秋のワールドカップイングランド大会で唯一敗れた相手。両軍のカードは25日、東京・味の素スタジアムでもおこなわれる。

堀江キャプテンはエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ下で活動した昨季のチームでは副キャプテンを務め、守備システムの構築に尽力。2013年から2季連続でレベルズに在籍と、国際リーグのスーパーラグビーでの豊富な経験も持つ。今季は現ジャパンのマーク・ハメットヘッドコーチ代行が指揮する日本のサンウルブズで、キャプテンとしてスーパーラグビーに挑戦中だ。

堀江を休養させたジャパンは現地時間の6月11日、敵地バンクーバーのB.Cプレイススタジアムでのカナダ代表戦を26―22で制していた。正式な日本代表ヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフの着任は秋以降。

以下、試合前日練習(豊田スタジアム)後の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

<テレビカメラの前で>

――スコットランド代表戦が近づきました(※)。

「楽しみですよ。短い準備期間でしたけど、そのなかでできる限りのことは100パーセント、してきた。去年とは違ったラグビーがどれくらい通用するか、楽しみです」

――相手は、ワールドカップ時のメンバーを10人、先発させます。

「やるだけなので。相手のスタメンがどうのこうのというより、スコットランド代表の選手はフィジカルが強い。そこへどう挑めるかってところですよね。キックオフから対抗していく」

――きょうの練習後の円陣では、どんな話を。

「フィジカル(激しさ)を前面に出して行こう、と。特にフォワードはセットプレーなどもあるので」

――明日はどんな言葉を。

「僕自身、キャプテンとしていい格言を出せるタイプではないので。個々人が勝ちたい気持ちを出せれば、いい試合はできる。あまり誰かに引っ張られるという風にならず、個人で(それぞれの気持ちを)上げられるように…。練習から、そうしてきた。まずはフィジカルな部分を出そうとは、試合前にも話すと思いますけど。僕自身、試合でそういう姿勢を示せたら」

――ワールドカップのリベンジという気持ちは。

「リベンジという感じにはなると思うので、試合のアタマから身体を張り続ける。最後、笑って試合を終えられるようにしたいと思います」

――堀江さんにとっては、ワールドカップ以来のテストマッチ。

「僕自身、(国内外でこなした)試合数がめちゃめちゃ多かった。だから試合勘は問題ないですよね。国歌とかの時、気持ちは入るやろうなとは思います」

――ワールドカップ後のリスタートという意味合いは。

「再スタート、というところ。ヘッドコーチはすぐに変わりますし…ね…という感じで、チームとしては始まったかはわからない。ただ、僕自身は始まっている。そこでベーシックの部分がどこまでできるか、チームが何を作らなくてはならないかを考える。リーチ(マイケル、昨秋のキャプテンで今回は辞退)が帰ってきたら、あいつがキャプテンになると僕は思っている。そこでまたチームが変わると思います」

――休養を経て。

「大分、いいですね。特にメンタル的なところで」

――カナダ代表戦に出たメンバーの印象。

「まだこのチームにいて1週間経っているかどうかというところ。選手が困惑していなきゃいいなと思っていて、僕のやるべきことはやったかな、と」

――スコットランド代表の印象。ワールドカップ時と今年2~3月の欧州6か国対抗時の違いは。

「変わってないんじゃないですか。フィジカルなところ、キック…。それが彼らのスタイル。こちらが何をするか、です」

――明日、勝つまでの道筋は(※)。

「セット(プレー)、じゃないですか。特に僕らはフォワードなので、セットでどこまで対抗できるか。(スコットランド代表のスクラムは)強いですよね。選手は大きいですし、まとまっているので。僕らもまとまって押せるようにしたいと思います。組んでみなわからないのですが、僕らも成長している。前3人(堀江が務めるフッカーとその両脇のプロップ)で話し合っていきたい」

<会見後>

――ここ数日の報道を鑑みると、いまとジョーンズ体制時代を比べられることが嫌なのかなと感じますが(※)。

「あー、まぁ、そうですね。(笑って)嫌、ではありますね。結構、記者さんには言ってるんですけど、エディーさんがいないのにエディー、エディーって…。それに引っ張られているじょうじゃ、成長できないですよね。前に進まない。いまは監督、コーチが変わっている。いまのラグビーを観て、それをどうよくしているかというところなので。エディーさんが何年後かにまた帰って来るのなら話は別ですけど、もう次の監督も決まっている。そこでエディーさんに引っ張られていては、ファンの人、メディア、選手、コーチも、先は見えてこないです」

――いまの俺たちについて議論すべきだ、と(※)。

「そうすね。まぁ、ワールドカップ(イングランド大会)は終わったので」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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