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勝つとどうなるのか。リオ五輪4強・7人制日本代表の羽野一志が振り返る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
開会式や閉会式には参加せず。五輪の雰囲気はあまり味わっていないそう。(写真:ロイター/アフロ)

男子7人制ラグビー日本代表としてリオデジャネイロ五輪で4位入賞した羽野一志が、当時を振り返った。

8月におこなわれた大舞台では、強豪ニュージーランド代表を14―12で下すなど予選プールを2勝1敗で通過。メダルまであと一歩のところまでコマを進めたが、当の本人は「メダル獲得の力はなかった」と認める。

現在は15人制の国内最高峰、トップリーグでプレーしている。9日、NTTコムの一員としてNECとの第3節に途中出場し、33-15で勝利。80分の長期戦である15人制の試合に比べ、7人制のそれは14~20分の短期戦だ。両者は似て非なる競技とも言われている。

今後はどちらの代表でのプレーを目指すか、と問われた羽野は、スムーズな強化体制の確立を暗に訴えた。成功への道筋を知ったゆえでもあろう。

中央大学卒の羽野は、15人制ではグラウンド最後尾のフルバックを務める25歳。7人制の大舞台でも、力強い突破を連発した。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――改めて、五輪を振り返ってください。

「ずっとセブンズ(7人制)にフォーカスをして、代表合宿がない時は(NTTコムでの練習を)休ませてもらっていた。(一番の思い出は)やっぱり、ニュージーランドに勝ったことです。あれで勢いづきました。逆に、あそこでこけたらズルズルと…という展開もあった。(事前には)ずっと、ニュージーランドに勝つことだけに絞っていた。あそこで勝てたことで、ベスト4まで行けたんじゃないかと思います。ちょうど、僕たちが勝った時は日本がメダルラッシュ。悔しかった。ただ、メダルを獲れる力はまだ…だと思いました」

――準決勝では金メダルを獲るフィジー代表に、3位決定戦では南アフリカ代表にそれぞれ大敗しました。この大会最終日については。

「フィジー代表は強かったというのが正直なところ。南アフリカ代表は…(もう片方の準決勝で)なぜ負けたんだと! イギリス代表(予選プールで2点差に迫った)ならワンチャンある…と思ったのですが。目標としてきたメダル獲得のチャンスがあったので、疲れよりもやるぞという気持ちの方が強かった」

――いい結果を残せた要因は。

「それが、本当に、わからないんですよ。(北海道での)事前合宿では外国人のチームと対戦したんですが結果が出なくて、ヤバイ、ヤバイ、と。ただ、その後のオーストラリア合宿で、少し、よくなったかな、と。ただニュージーランド代表に勝った時に、ガッ、と。大会を通じて成長できた部分もあったかなと」

――今後は。

「どちらかしかできない。セブンズはもうすぐワールドシリーズが始まりますけど、監督が誰になるのか、僕もわからない。いまはチーム(NTTコム)にコミットしていきたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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