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立川理道、ジェイミー・ジョセフの日本代表に感じた「役割」とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
鋭い仕掛けに期待がかかる。(写真:アフロスポーツ)

ラグビー日本代表は10月9~11日、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任後初の合宿をおこなった。東京・辰巳の森ラグビー練習場でのセッションは計2回あり、実戦形式での戦術確認や基本スキルの反復トレーニングなどが披露された。

チームは23日〜25日、2度目の合宿を実施。11月にはアルゼンチン代表、ジョージア代表、ウェールズ代表、フィジー代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。

一体、ジョセフヘッドコーチはどんなラグビーを目指しているのか。10日、キーマンの立川理道が見立てを語った。

立川は身長181センチ、体重94キロの26歳で、日本代表キャップ(テストマッチ=国同士の真剣勝負=への出場数)は46、保持。おもにインサイドセンターを務め、攻防の境界線上でのパスやランを得意とする。

日本代表やサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーへ日本から初参戦)でゲームキャプテンを務めるなど、リーダーシップも買われている。ジョセフが指揮した今回のキャンプでも、リーダーシップグループの1人だった。昨秋のワールドカップイングランド大会でキャプテンだったリーチ マイケル(今回は辞退)には、次代のキャプテン候補に掲げられている。

以下、一問一答(編集箇所あり)。

――準備時間がないなか、シンプルな戦い方を遂行しそうですが。

「サンウルブズのメンバーが半分くらいいる。そういう人たちをリードしながら、チームとして動いていけたら」

――ジョセフヘッドコーチからも、選手間でのリーダーシップの醸成を求められています。

「堀江(翔太)さん、僕、田村(優)さんなど、サンウルブズなどでの中心メンバーと、新しく入った選手のなかでのリーダーになりうる人たちでコミュニケーションを取る」

――キャプテン決定のタイミングは。

「それはジェイミーが決めることですし、わからない状況です。選手たちのなかでは、ゲームプランを共有するための働きかけはしていますけれども」

――どんなラグビーを目指していますか。

「シンプル。やっている皆にとってわかりやすいような。サンウルブズに似ています」

――グラウンドの3~4か所に複数人のユニットを作り、空いたスペースを探して突く。

「チーム全体が動きやすいように、1人ひとりの役割を分けています。インサイドバックスとアウトサイドバックスがそれぞれどんな動きをするか。いまは、そういう大まかなところだけを決めています」

――昨季までは、絶えず複層的な攻撃陣形を作り続けるチーム。運動量が肝とされていました。今季は運動量以上に、戦術理解と反応速度が求められる。

「そうですね。いまからフィットネスや能力を上げるような練習の時間はない。限られた時間で戦術を理解して、最初のアルゼンチン代表戦に向けて1つのチームになっていきたい。いまはトップリーグのシーズン中でもあって、全てが全てアルゼンチン代表戦に集中できるような状況ではないですが、こういう合宿の時間はしっかりと切り替える。相手のビデオも観る。どんな戦い方をするかはこちらでも考えますし、スタッフからも降りてくると思います。とにかく、自分たちにフォーカスを置いてやっていきます」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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