Yahoo!ニュース

サントリー沢木敬介監督、開幕7連勝でもジャパン3人の事態に何を語るか。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
元日本代表コーチのマルク・ダルマゾの臨時指導を受け、スクラムが安定。(写真:アフロスポーツ)

日本最高峰のトップリーグは10月16日までに7節を消化。全勝をキープするのはヤマハとサントリーの2チームのみとなった。

3連覇中のパナソニックが2敗、昨季2位の東芝もすでに3敗と、優勝候補は主力選手のコンディション管理や連携に苦しんでいる。そんななか昨季3位のヤマハは、スクラムなど特化された強みを武器に躍進。かたや昨季9位と苦しんだサントリーは、ダイレクトプレーを主体とする攻撃的スタイルで白星をもぎ取っている。

10月15日、千葉・柏の葉公園総合競技場。NECを33―14で下したサントリーの沢木敬介新監督が、公式会見で談話を残した。主力選手を交代させた後半に失点を重ねたため、同席した流大キャプテンとともに反省を口にしていた。

終盤には、日本代表の選出に関する質問にも応じた。

以下、一問一答の一部。

「前半はうまくゲームに入れたのですが、後半はご覧の通り。リプレイスメント(交代戦略のことか)のところで、僕がミスりました。キープレーヤーを早めにグラウンドから離してしまったので。また今日のゲームで、チームとして少し成長できたと思います」

「最初の10分でサントリーのテンポを作る。そこは成功してトライまで運べた。ただ、前半途中に少しふわっとした時間帯がありました。後半も失点をしてしまいました。本当は試合を通して、シャットダウンできたと思う」

――確かにスクラムの要である青木佑輔選手を筆頭に、司令塔のSO小野晃征選手、エース格の松島幸太朗選手を次々に交代させていました。

沢木

「(選手個々の)プレータイムという観点、先週からの各選手のコンディションを考えて、早めに動いた。ファーストフィフティーンとその他のメンバーの力の差が埋まっていかないと、という思いもありました。

選手にはもともと伝えてはいました。そして前半、自分たちの予想していた流れで試合をできたので、予定通りのリプレイスメントをしました。ただ、(代わりに出た選手については)僕らが求めている活躍を、引き出せなかったです。選手自身も、自分のパフォーマンス出すための準備を考える必要がある。その辺の勉強をさせてもらったなと思います。ミスりました」

――苦しんだ時間帯もありましたが、ノーサイド直前にスクラムからトライ。ボーナスポイントを獲得しました。

「あそこは(自身は退いていたが)スコアする自身はあったと思う。前半から優位に進めていたスクラムでこだわる、いい選択ができたのかなと。ただ、そこに行くまでの過程が良くなかった。トライの取られ方が、です(自陣で釘づけにされていた)」

――ともあれ、開幕7連勝です。

沢木

「僕らは先を見ずに1戦1戦、どのチームにもチャレンジする、その気持ちは変わらず。まずは目の前の試合を勝ち続ける。そこにフォーカスを置いています」

――10月に発表された日本代表候補に、無敗のサントリーからは3人しか選ばれていない。

沢木

「ジェイミー(・ジョセフ新ヘッドコーチ)がやろうとしているラグビーに必要な人材を選ばれるべき。(来日間もない)ジェイミーも、まだサントリーのラグビーをまだ、あまり観ていないと思う。今度、招集がかかる時は、もっと(サントリーの選手が)増えていると思いますが(場内、笑)」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事