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日本代表ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、野球に興味はありますか?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
朗らかな笑み。練習中はしばし全体の動きを止め、個々の働きについてち密に指導。(写真:アフロ)

ラグビーの代表チームを底上げするためにできたナショナルデベロップメントスコッド(NDS)のキャンプは、第3クールに入った。トレーニングの強度が高まっている。

実戦練習と走り込みを交互におこなったり、うつぶせの状態から起き上がってのキックチェイスを繰り返したり。接点側から数えて3番目に並ぶ選手が飛び出す防御網、フォワードのユニットがグラウンドのあちこちに散らばるポッドという攻撃陣形を涵養させる。いずれも日本代表、国際リーグのスーパーラグビーに挑む日本のサンウルブズで用いられる戦術だ。

3月20日、東京・辰巳の森海浜公園ラグビー練習場。陣頭指揮を執る日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチが記者団の取材に応じる。野球の日本代表がワールド・ベースボールクラシックを戦っている折とあって、野球に関する質問も出た。

現役時代は日本でプレーしたこともあるジョセフヘッドコーチは、屈指の人気競技に関するエピソードも明かした。

その他、若手世代のジュニア・ジャパンの活動にも触れた。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――きょうのセッションでは、シャトルランを交えた守備練習をしていました。

「ボールを持たない時の動きを見ました。ポジショニングを取って、仕事をして、そのあとに後ろへ帰って(それまでと逆の方向へ走る)、また前に行って。そうしたなか、それぞれの仕事ができるかどうかを見ました」

――このキャンプに参加していた流大選手がサンウルブズへ招集されました。NDSには、スクラムハーフの2選手(西橋勇人選手、井上大介選手)が新たに加わりました。

「流がサンウルブズへ行きました。NDSがあったおかげで我々のやり方をしっかりと理解でき、怪我人などが出た場合はすぐに向こうへ入れる。そして、その代わりにここへ入ってきた選手を見ることができる。非常にためになっています」

――サンウルブズは現在、開幕4連敗中です。

「直近の3試合は、勝てた3試合だったと思います。ただ感心します。移動も多いなか、毎週、毎週…」

――20歳以下日本代表を交えたジュニア・ジャパンが、10日からの8日間、フィジー・スバでのパシフィック・チャレンジに参戦。サモア、トンガの代表予備軍から勝利を挙げました。

「素晴らしいと思います。移動前日に集まったなか、遠藤哲ヘッドコーチらが素晴らしい仕事をした」

――当該選手をNDSへ呼ぶことは。

「メンバーは大学生ばかり。まずは本業である学業に専念してもらって…。今週、水曜日(22日)の我々の練習は、午前中しかありません。もう一度、ジュニア・ジャパンの試合を吟味します。本当に有望な選手なので、将来を見据えて見ていきます」

――いま、日本では野球が盛り上がっています。

「うちの小学校6年生の息子はラグビーをしていたのですが、いま通っている学校でラグビーができない。それで、野球をやっています。バッティングセンターに行っていて、お金がかかってしまいます。ハハハハ!」

――ラグビーの日本代表は、4月にアジアラグビーチャンピオンシップ、6月にアイルランド代表などとの真剣勝負に挑みます。

「ホームの国民の前で、いい戦いをしたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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