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本命ユーヴェに対抗ローマ、ミラノ勢は…セリエA開幕直前、『ガゼッタ』が全チームの順位を予想

中村大晃カルチョ・ライター
昨季はユヴェントスが5連覇、今季は…?(写真:ロイター/アフロ)

現地時間20日、2016-17シーズンのセリエAが開幕する。スクデットやチャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)の出場権を獲得するクラブ、セリエBに降格するクラブはどこになるのか。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が、19日付の紙面で今シーズンの最終順位を予想した。

1年前、同紙はユヴェントスの優勝やカルピとフロジノーネの降格を予想し、的中させた。だが、もう1つの降格チームと予想したエンポリは、むしろ高い評価を受けて残留に成功している(降格したのはエラス・ヴェローナ)。

だからこそ、今季の予想についても、『ガゼッタ』はこう記した。「完璧な予想など存在しないと知りつつ、我々は再びトライする」。実際、予想は予想として楽しむものだ。

ただおそらく、誰が予想するにしても、優勝候補に挙げられるのは同じチームになるだろう。5連覇中の絶対王者ユヴェントスだ。それは『ガゼッタ』も例外ではない。

史上最高額でマンチェスター・ユナイテッドにポール・ポグバを売却したユーヴェだが、ダニエウ・アウベスが加わり、さらにナポリからゴンサロ・イグアイン、ローマからミラレム・ピアニッチを獲得。強化とライバルの弱体化を同時に実現させた。

前人未到の6連覇の偉業も、今のユヴェントスなら難なく実現させてしまうかもしれない。『ガゼッタ』は、「ユーヴェは勝利を義務付けられている」としつつ、「不安やプレッシャーを抑えるのに慣れている」とも評した。

対抗馬に選ばれたのは、昨季3位のローマだ。17日のCL予選プレーオフ・ファーストレグのポルト戦では、退場者を出すまで相手を圧倒するパフォーマンスを披露。ピアニッチを失ったが、以前よりも個に頼らない“チーム”になったとみられているようだ。

最後のCL出場枠を得ると予想されたのは、アントニオ・カンドレーヴァやエベル・バネガが加わった昨季4位のインテル。開幕まで2週間を切っての監督交代とあり、「時間が勝負」と指摘されている。「5分で錬金術を見せろとフランク・デ・ブールに求めることはできない」。

昨季2位のナポリは、CL圏外となる4位と予想された。やはりイグアイン退団の影響が指摘されているが、「以前より強くなって再出発するか、しばらくショックを受けたままになるかのどちらか」とも。前者の場合、再びユーヴェの対抗馬になることもあり得るかもしれない。

EL出場ラインとなる5位には、昨季7位のミランが選ばれた。中国企業グループへの身売り完了が待たれるミランは、冬から“爆買い”を始めるとも言われており、『ガゼッタ』もその点を考慮したようだ。「今のミランは先日付小切手に似ている」。

以降はフィオレンティーナ、トリノ、サッスオーロ、ラツィオ、ジェノア、サンプドリア、ボローニャ、アタランタ、カリアリ、キエーヴォ、ウディネーゼ、エンポリと続く。降格と予想された3チームは、パレルモ、ペスカーラ、クロトーネだ。

なお、元イタリア代表監督のアッリーゴ・サッキ氏も、『ガゼッタ』で上位陣の順位を予想。ユヴェントスの優勝とローマの2位は変わらず、以降は3位ナポリ、4位インテル、5位フィオレンティーナとしている。「サプライズ」候補には、インテル、サッスオーロ、エンポリの3チームを挙げた。

また、『ガゼッタ』は得点王と最優秀ニューフェイス、最優秀若手選手も予想。それぞれイグアイン(ユヴェントス)、バネガ(インテル)、マルコ・ピアツァ(ユヴェントス)を選出している。

前述のように、予想はあくまで予想でしかない。ユヴェントスは開幕戦でフィオレンティーナ、その後もラツィオ、サッスオーロ、インテルと、序盤から厳しい対戦が続く。優勝候補の大本命が、出だしで躓く可能性もあり得る。もっとも、ユーヴェは昨季もスタートダッシュに失敗しながら、圧倒的な強さでスクデットを手にしたのだが…。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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