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ラグビー経験ゼロからレフェリー資格を取得!楕円球の魅力とは…

中西正男芸能記者
ラグビーのレフェリー資格を取得した「女と男」の市川義一

いよいよリオ五輪が開幕。今大会から採用され、大会序盤から注目を集めている7人制ラグビーですが、ラグビー経験ゼロながら今年6月にレフェリーの資格を取得し、にわかに注目を集めているのが、お笑いコンビ「女と男」の市川義一さん(35)です。これまでもファイナンシャルプランナー、家電製品アドバイザー、温泉ソムリエなど24個の資格を取得してきた“資格芸人”でもありますが、25個目の資格への特別な思いを語りました。

きっかけはファンイベントの仕事

試験は5月末にあったんですけど、試験を受けに来た35人の中で、ラグビー未経験なのは僕だけでした(笑)。みんな現役の大学ラグビー部の部員とか、もともとラグビー部で、学校の先生になってラグビー部の顧問になったので資格を取りに来たとか、そういった人がほとんど。

学生時代はラグビー部でもなかったですし、ずっとラグビーとは無縁の生活を送ってきたんですけど、不思議なもので、ここにきてラグビーとのご縁が一気にできまして。そもそもは、5年ほど前に神戸製鋼ラグビー部のファンイベントに仕事で行かせてもらったのがきっかけでした。

実は、芸人にはラグビー部だった人が多くて、「中川家」さんとか、大阪の名門・啓光学園(現・常翔啓光学園)高校ラグビー部出身のぼんちきよしさんとか、そういう方々に混じって僕ら「女と男」もイベントに呼んでもらったんです。というのは、僕の相方の和田(美枝)ちゃんは女子ハンドボールの選手だったんで、そういうスポーツイベントで動けるだろうと。そして、僕は、和田ちゃんの相方という、ただその一点だけで呼んでもらった次第です(笑)。

ラグビー選手はすごい

また、そこで「芸人チームvsラグビー選手」みたいなエキシビジョンマッチをやったんですけど、実際、和田ちゃんが見事に活躍しまして。それを神戸製鋼の皆さんが気に入ってくださって、ラグビー芸人でもなんでもないのに、神戸製鋼のイベントに「女と男」が呼んでもらうようになったんです。

元ラグビー日本代表の大畑大介さんとトークイベントをしたり、現役選手とのゲーム対決とかをする中で「ラグビーってホンマにすごいし、全てのスポーツ選手の中で、ラグビー選手が実は一番すごいんじゃないか」と思うようになって、知識はないながら、強く興味を持つようになっていったんです。

最初の知識レベルで言うと、トライが5点というのはかろうじて知っていて、あとは、ボールを前に投げたらアカンっぽいなと(笑)。ゴールキックで何点入るのかも知らなかったし、細かい反則なんて何にも知らないレベルでした。

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とにかくやってみよう!

そんな中、去年の秋にあったラグビーワールドカップで日本代表が活躍し、一躍フィーバーになった。そんなことも相まって、お世話になっている先輩の月亭八光さんから「市川は資格もたくさん持ってるんやから、ラグビーのレフェリーの資格を取ったらおもしろいじゃないか」とアドバイスをいただいたんです。

八光さんに言っていただくのはありがたいですけど、もちろん、最初はトライが5点というのが唯一にして最大の知識の人間が、ルールのプロであるレフェリーになるなんてホンマにできるんかと。正直、何から手を付けていいのか分からない状態やったんですけど、今一度考えて、神戸製鋼のお仕事をやらせてもらったのも、和田ちゃんが活躍してまた次の仕事につながっていったのも、これは全てご縁やなと。それやったら、どこまでできるかどうか分からんけど、とにかくやってみようと思ったんです。それが、去年の年末でした。

芸人のつながりをフル活用

調べてみたら、次の試験が5月にあると。じゃ、そこに向けて準備をしないといけない。これは本当に幸いだったんですけど、若い芸人の中でも実はラグビーを本格的にやっていた人間が多くて、芸人のタテヨコのつながりの強さをフル活用させてもらって、大阪の金光藤蔭高校ラグビー部の練習を見学させてもらうように段取りをつけたんです。新品のルールブックを握りしめて。そして、これこそ本当にありがたいことなんですけど、毎回、誰かしらラグビーをやっていた後輩についてきてもらって、横で解説をしてもらいながら練習を見るようになったんです。

「ボールを前に落としたから、ノックオンという反則なんです」「あそこから入ると、オフサイドなんです」「あの密集の中で手を使うと反則になるんです」と一つ一つ、本当に一から丁寧に教えてもらいました。えっ、教えてくれたメンバーですか?皆さんご存知の「デルマパンゲ」の広木、「イブンカ」のテジュ、「なにわスワンキーズ」のこじまラテ、「ローズマリー」の下川らです(笑)。もちろん、おなじみのメンバーですよね?少なくとも、僕にとっては、みんなヒーローです。

これまで経験や知識がない身として、急ピッチでラグビーの勉強をしてまず思ったのは、ラグビーには本当にたくさんのポジションがあるんだなということでした。15個もポジションがあって、それぞれに特性があって、仕事があって、キャラクターがある。同じチームにこれだけ個性豊かな選手がいるスポーツはないと思います。そして、強いチームは、それぞれがきちんと役割を果たしている。

その感覚を知ると、それが本業にも返ってくるというか、僕らはコンビという2人のチームでもあるんだなと。しかも、女性と男性という、ある意味、個性豊かなチームでもある。だからこそ、それぞれの仕事をもっともっと考えるようにもなりましたし、役割を果たすということがどういうことなのか。それも、また新たに考えるきっかけにもなりました。

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日本でのワールドカップ開催に向けて…

小さい頃からラグビーをやってきた人、青春の全てをラグビーに費やした人、日本代表になった人…。いろいろな方がいらっしゃる中、僕はつい最近ラグビーと接するようになったので、とても、とても、大きなことは言えませんが、僕は僕の立場で、力量で、まずはリオ五輪、そして、2019年の日本でのワールドカップ開催に向けて、少しでもラグビーの力になれたらなと思っています。

ちなみに、僕が取ったのはC級レフェリーの資格。レフェリーにはランクがあって、A1、A2、B、Cとあるんですけど、ざっくり言って、ワールドカップとか国際試合を担当するのがA1。国内のトップリーグを担当するのがA2。大学生がB。Cは高校生を中心にといった感じです。

実際、練習で笛を吹いたりもさせてもらってるんですけど、今の高校生、大きいですよ…。僕は身長165cm体重56kg。あのね、正直な正直な話、高校生でもムチャクチャ威圧感を感じてます…。もちろん、厳正に、毅然とした態度で笛を吹きますよ。ただ、今の僕では、ギロッとにらまれたら、若干、笛の音が小さくなります(笑)。2019年までには、笛を一定の音量で吹けるように頑張りたいと思います。

■市川義一(いちかわ・よしかず)

1980年9月26日生まれ。大阪府出身。龍谷大学卒業。コンビ解散を経て、2003年に和田美枝と「男と女」を結成。08年に笑福亭仁鶴のアドバイスで「女と男」に改名。ルックスが似ている芸能リポーターの井上公造氏のモノマネキャラ“井上小公造”としても知られる。ラグビーC級レフェリーのほか、ファイナンシャルプランナー3級、家電製品アドバイザー、生命保険代理店資格、温泉ソムリエ、ダグラス・マッカーサー検定など25個の資格を持つことでも知られる。朝日放送「おはよう朝日土曜日です」、関西テレビ「よ~いドン!」などに出演。9月4日には「女と男」の単独ライブ「お月見ハッピー!!」(大阪・道頓堀ZAZA POCKET'S)を開催する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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