東京地方の火曜は「雨か雪」の信頼度Cの予報
寒気の吹き出しが弱まる2~3月になると、東シナ海から本州の南岸に前線が現れやすくないます。
この前線上には低気圧が発生し、南西諸島を通って四国と本州の南岸沿いを東北東から北東に進むので、この低気圧を「南岸低気圧」と呼びます。
土曜日に南岸低気圧が通過したあと、大陸から移動高気圧が日本列島を覆いますが、長続きしません。
月曜日の夜には東シナ海に前線が表れ、火曜日は次の低気圧(気圧の谷)が通過して、東京地方の週間天気予報では「曇り一時雨か雪」の予報です。
週間天気予報
府県ごとの週間天気予報は、発表日翌日から7日先までの期間の予報で、毎日11時と17時に発表されます。
その内容は、向こう1週間の
1 毎日の天気(晴れ,曇り,雨,雪及びこれらを組み合わせたカテゴリー予報)、
2 降水確率予報(10%単位で,翌日については天気予報による6時間ごとの降水確率予報,2~7日目は0時から24時までの24時間の降水確率予報)、
3 最高・最低気温(1℃単位で示し,2~7日目は「予想気温+上方誤差」と,「予想気温―下方誤差」を求め,予想される気温の範囲をカッコ内に記述している)、
4 予報の信頼度。
5 期間における降水量(1mm単位)と気温の平年値(0.1℃単位)。
2月20日17時に発表された東京地方の週間天気予報では、23日(火曜)は「曇り一時雨か雪」、降水確率50%、最高気温は12度(9~15度)、最低気温は4度(2~5度)、そして、信頼度はCです(図2)。
週間天気予報の信頼度
週間天気予報では、発表日の3日先から7日先までについては、信頼度をA、B、Cの3階級で発表しています。
予報の日別信頼度は3~7日目の降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表す情報です(表)。
気象庁HPにある信頼度の検証結果によると、信頼度Aは、適中率が平均で明日予報並みの86%という、確度が高い予報です。降水の有無の予報が翌日に変わる可能性は2%と、ほとんどありません。
これに対し、信頼度Cは適中率が平均で56%という、確度がやや低い予報です。明日になれば予報が変わる可能性が21%もあります。
この信頼度は、アンサンブル予報のばらつきから計算しています。
アンサンブル予報とは、少しずつ異なる多数の初期値を用意して予想を行い、多数の予想結果を統計的に処理して、有効な情報を引き出す予報法です。
信頼度が低い時は最新の天気予報入手を
一般的には、後の日時のほうが予報が難しく、アンサンブル予報のばらつきが大きくなります。しかし、そうならない例も、ときどきみられます。
2月20日に発表された東京の週間天気予報では、23日(火曜)の予報がCなのに、24日(水曜)も25日(木曜)も26日(金曜)もAとなっています。火曜日の信頼度が、水曜以降の信頼度より悪いということは、火曜の予報が非常に難しいことを示しています。
予報の信頼度が低い時は、最新の天気予報を入手し、チェックする必要があります。
「雨か雪」と「雪か雨」の違い
気象庁が発表する予報文などで使われている言葉は、分かりやすさのため、一般的な言葉が使われていますが、全て定義に基づいて使われています。
日常感覚ではほぼ同じ言葉ですが、天気予報で言う「雨または雪」は、雨または雪が降ることはほぼ確実で、どちらかというと雨の可能性が高いが雪の場合もあるという意味です。「雪または雨」はその逆です。
太平洋側の地方では雪になると交通障害などで被害がでますので、「雪または雨」というときは特に注意が必要です。
日本海側の積雪が残っている地方では、融雪などで被害がでますので、「雨または雪」というときは特に注意が必要です。