豪雪の命名と通称
関東地方などでは春一番が吹き、その後は寒気が南下し、西高東低の冬型の気圧配置となっています(図)。
豪雪という言葉がよく使われます。
豪雪は、雪害のうち、程度の著しいものを呼びます。明確な定義は存在せず、災害の程度が著しい場合には、気象災害名としても用いられています。
最初の豪雪の命名
気象庁が豪雪を最初に命名したのは、昭和37年12月から38年2月の大雪で、「昭和38年1月豪雪」と命名されました。
通称「三八豪雪」です。
その後、大雪で死者数が100人を超えた年があり、その都度、命名の議論がありましたが、「昭和38年1月豪雪」を超えるものではないという判断で見送られてきました。
ただ、通称としては、「五二豪雪」「五六豪雪」「五八豪雪」が使われてきました。
ちなみに、昭和2年以降の豪雪の年は、多くは18年毎です。
昭和2年のあとは昭和20年、その18年後は昭和38年です。昭和38年の18年後は昭和56年です。
昭和56年の18年後の平成11年は豪雪ではありませんが、その18年後が今年です。過去の豪雪に比べると量的には少ないのですが、雪が少なくなっている近年では、雪の多い年となっています。
豪雪年 名称 死者数
昭和 2年 不詳
昭和20年 不詳
昭和38年 昭和38年1月豪雪 228人
(三八豪雪)
昭和52年 (五二豪雪) 101
昭和56年 (五六豪雪) 133
昭和59年 (五九豪雪) 131
平成18年 平成18年豪雪 152人
平成29年
平成18年豪雪
気象庁では、平成16年3月に地震と豪雨についての命名基準を公表しました。
(地震の命名)
震源が陸地ならマグニチュード7.0以上で最大震度5弱以上
全壊家屋が100棟程度以上
群発地震で被害が拡大
(豪雨の命名)
損壊家屋1000棟以上で浸水家屋が10000棟以上
しかし、この時、大雪については命名基準を決めていませんでした。
平成17年12月からの大雪では、全国28ヶ所で最大積雪の基準を超えたことや、死者数が戦後2番目に多くなっています。最終的な死者は152人で、内訳は新潟県が32人、秋田県が22人、北海道が18人などでした。
また、死者にうち65才以上の高齢者が65才以上を占めるなど、災害弱者の被害が顕著であることから、死者が五六豪雪を上回りまうわまわる134人なった2月21日から検討を始め、3月1日の「平成18年豪雪」と正式に命名しました。
43年ぶりの命名でした。