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天気予報が難しい週明けと桜の季節の到来

饒村曜気象予報士
卒業証書を持つ女子高生(写真:アフロ)

月曜日の東京地方の予報

東京地方の週間天気予報では、月曜日だけ信頼度がCと確度がやや悪い予報で、火曜日以降は信頼度がAと確度が高い予報です(図1)。

図1 東京地方の週間天気予報
図1 東京地方の週間天気予報

つまり、曇りという予報ですが、降水があるかないかというと、「予報が適中しにくい」あるいは「予報が変わりやすい」ということを意味している信頼度Cです。

また、最高気温の予報は15度となっていますが、高ければ19度、低ければ11度と予報幅が8度もある予報です。

図2 予想天気図(3月5日9時の予想)
図2 予想天気図(3月5日9時の予想)
図3 予想天気図(3月5日21時の予想)
図3 予想天気図(3月5日21時の予想)

これは、大きな気圧の谷に入り、天気予報が難しくなるためです(図2、図3)。

天気予報が難しい週明けとなりますので、最新の気象情報入手が必要です。

その後、気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、高気圧に覆われるものの「曇り時々晴」の天気が続きます。

桜の季節の到来

平年に比べて暖かい日、平年に比べて寒い日が交互に現れていましたが、週明けからは、ほぼ平年並みの気温で推移しそうです(図4)。

図4 東京の気温(3月4日以降は週間天気予報)
図4 東京の気温(3月4日以降は週間天気予報)

気温は着実に上がり、多くの人の心が揺さぶられる桜の季節の到来です。

全国には、ソメイヨシノのような里桜(人が園芸用に交配した品種)だけでなく、大島桜のような山桜(山などに自生している品種)など多くの桜の品種があります。

開花時期は品種によって違い、一部の早咲きの桜が開花していますが、ほとんどの桜は3月(弥生)の暖かさになってから開花です。

気象庁で桜というと、ほとんどの地方ではヨメイヨシノをさし、例外は、根室のチシマザクラ、根室以外の北海道のエゾヤマザクラ、沖縄のヒカンザクラです。

気象庁では、昭和30年から平成21年まで、沖縄・奄美地方を除く全国で桜の開花予報を行ってきました。

しかし、民間気象事業者が実力をつけ、気象庁と同等の情報提供を行うようになったことから、平成22年以降は、予報をやめ、観測のみを行っています。

桜の開花予報は社会的関心が高く、大規模に桜の開花予報を行っている日本気象協会、ウェザーマップ、ウェザーニューズの3社の予報がトップニュースで取り扱われます

各社とも、ユーザーに合わせた予報を、個々に行っているので、単純に比較はできないのですが、競争原理によって予報精度と利便性が向上しています。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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