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北條、陽川の連続タイムリーで32イニングぶりの得点

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

2日のファーム教育リーグ・ソフトバンク戦は通常より30分早い、12時プレーボールでした。この日は夜に球団の激励会が予定されていたからですね。天気予報通り、鳴尾浜も暖かい日差しにほっこりしながらの観戦。久しぶりの得点も入って、おまけに逆転勝ちで連敗ストップ!なんて喜んだのも束の間…再逆転されて6連敗となりました。なお故障明けの白仁田投手が今季初登板、1イニングを投げています。

《春季教育リーグ》3月12日

阪神-ソフトバンク(鳴尾浜)

ソフ 000 002 020 = 4

阪神 000 000 300 = 3

◆バッテリー

【阪神】岩田-白仁田-島本 / 清水-小宮山(6回表~)

【ソフ】岩嵜(4回)-新垣(1回)-大隣(3回)-清水(1回) / 拓也-山下(6回裏~)

◆打撃(打数-安打-打点/三振-四死球/盗塁/失策)

1]右左一:中谷 ( 4-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

2]左:柴田   ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃中:横田   ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

3]中右:伊藤隼 ( 4-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

4]指:一二三  ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃打:原口   ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

5]一:森田   ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

〃打左:高山  ( 1-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃打:小豆畑  ( 0-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

6]捕:清水   ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃打捕:小宮山 ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

7]遊二:北條  ( 3-2-1 / 1-0 / 0 / 0 )

8]三:陽川   ( 2-1-2 / 1-0 / 0 / 1 )

9]二遊:阪口  ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

〃打遊:黒瀬  ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 1 )

◆投手(安打-三振-四死球/失点-自責)最速

岩田  5回 62球 ( 1-2-3 / 0-0 ) 141キロ

白仁田 2回 36球 ( 2-1-1 / 2-2 ) 142キロ

島本  2回 37球 ( 3-2-1 / 2-0 ) 142キロ

やはり立ち上がりが不安な岩田

先発の岩田は1回、いきなり先頭の亀澤にストレートの四球を与え、暴投で二塁へ。続く福田にも四球。塚田の犠打で1死二、三塁としますが、4番のカニザレスは三ゴロ。陽川がバックホームし、今度は清水が追って亀澤は三塁へ。しかし福田も三塁へ行こうとしていて、あわてて二塁へ戻ったところをセカンド阪口がタッチして2死。それを見た亀澤は再び生還を試みるも、三本間に挟まれてタッチアウト!相手の走塁ミスに助けられた岩田は2回を三者凡退に切って取りました。

3回はヒットと犠打、四球で1死一、二塁。福田のライトへ抜けそうなあたりを阪口が好捕して2死二、三塁となり、塚田は右飛。4回と5回は3人ずつで抑えた岩田。5イニングを投げ、1安打2三振3四球で無失点です。

次は白仁田と小宮山のバッテリー。1死を取ったあと四球とヒットなどで一、三塁とされ、カニザレスに左中間フェンス直撃のタイムリー二塁打を浴びました。なおも二、三塁で猪本の左犠飛。金子は見逃し三振で、続く7回は三者凡退。2イニングで2安打ながら2点を失っています。

32イニングぶりの得点!

一方、2試合連続完封負けの打線は1回、中谷がピッチャー強襲の内野安打で出るも柴田は右直、伊藤隼が二ゴロで二塁封殺。2死一塁となって、すぐさま伊藤隼は岩嵜のけん制に刺されてチェンジ。2回は1死後に森田がショート金子の捕球エラーで出塁しましたが清水は併殺打。3回は先頭の北條が中前打、5回は先頭の森田が四球を選んだだけでチャンスは広がらず。先制された直後の6回も、大隣の前に三者凡退でした。

これで31イニング連続無得点。しかし7回、しかも2死から代打・高山が右前打、小宮山が四球で一二塁として北條が三遊間を抜くタイムリー!32イニングぶりの得点が入ります。さらに打球を捕ったレフト塚田が、中継のサード宮崎へ送球エラー。2死二、三塁となって続く陽川の当たりは三塁線へ。サード宮崎が弾いて高く跳ねた打球は左前タイムリー!2人を還し、3対2と逆転に成功です。

ところが8回、代わった島本が1死から福田の左前打、2死後に安田の右前二塁打(伊藤隼が飛び込んだ前にバウンドして後ろへ…)を浴びます。猪本は四球で2死満塁、続く高田の打球をショート黒瀬が捕れず(記録はエラー)2者生還。再逆転されました。次の宮崎は3球とも見逃しで三振に仕留めた島本。9回は先頭の釜元に中前打されますが山下は右直で併殺!次の亀澤の打球を今度はサード陽川がつかみ損ねるエラー。それでも最後は福田を中飛に打ち取り、島本は2イニングで3安打2失点(自責0)。

なお打線は8回が三者凡退、9回は代打・原口が投ゴロ、代打・小豆畑は四球でしたが小宮山の二ゴロ併殺打で試合終了です。

投手陣のコメント

キャンプ途中に右手の指からヒジにかけて違和感を覚え、別メニューとなっていた白仁田投手は、これが今季初実戦でした。「点は取られたけど、思ったより投げられた。そのへんは良かったと思います。自分の中では腕も振れているなと感じたし。今後、安定して投げていければ」。今回の登板では「腰が左右に動かないよう、バランス良く投げることを意識していた」と言います。投げ終わって患部は?「問題なかったです。しっかり目標を持って投げていきたい」と笑顔がこぼれました。

島本投手は「安田さんのとこですねえ」と、8回の二塁打を悔やみます。塚田選手を外の真っすぐで空振り三振に仕留め2死一塁としたあと、安田選手はストライク、空振りで追い込みながら、3球目を打たれたもの。「2ストライクから、フォークをストライクゾーンに投げてしまった…。あの球がもったいなかった。あそこはボールで、次の真っすぐで終われるのが理想なんですけど」。かなり落ち込んでいましたが、2球目は投げ終わった島本投手本人も一回転するくらい力のこもった球です。

久保投手コーチは2人について「白仁田、やっと出てきたね。もう大丈夫でしょう。今度は3イニングぐらいかな。初めてにしては結構投げられていたと思いますよ。島本ねえ。投げているボールの割に、相手とタイミングが合いすぎる。ちょっと修正を入れないといけないかもしれない。投げているボールと同じような結果が欲しいですね」と話していました。島本投手に関しては、つまり投げている球はいい、ということ。期待しています。

小虎とは言いにくいですが、岩田投手のコメントも書いておきましょう。「最初は悪かった。4回にツーシームを使い出してから良くなりました。今までは真っすぐで抑え込もうと思っていたけど、ツーシームを使ったらバランス良く投げられることがわかった。前半は、去年の良くなかった時のことが出ていたと思います。イメージを変えてタイミングを外すような感じで使おうと、清水とベンチで話し合ってツーシームを使いました」

出場12試合すべて出塁中

続いて野手は、まずチーム32イニングぶりのタイムリーを放った北條選手。そういえば8日の中日戦で2回に北條選手がタイムリーで、その次のイニングから無得点が始まったんですよね。打破したのも北條選手というわけです。ことしは打席で小刻みに動いて「はまるポジションを探している」とか。初球に一番甘い球が来るので最初からいける準備をしていますが「きのうも、きょうも見逃し三振をしてしまった」と猛省。

大隣投手は先週の雁の巣で一度対戦していて「初球の真っすぐを、いい感じでとらえてレフトフライやった。イメージがあったから振りやすかったし、そういう部分でもファーストストライクいけました」とのこと。チャンスに準備をして結果が出たタイムリーに「ずっと完封されてたんで、よかった」と北條選手。ランナー還してやるぞって気持ちで?「はい。それしか考えてなかったです」。前日11日はノーヒットながら四球が1つあったため、北條選手の全試合出塁は継続中。これで12試合となりました。

「何とか後ろにつなぎたかった」

そして、一時は逆転の2点タイムリーで「北條が打って1点差になり、簡単に終わったら流れが切れると思った。何とかして後ろにつなぐっていう意識はありました」と振り返る陽川選手。大隣投手には「変化球のキレも違う。チェンジアップすごかったなあという印象です。何とかああいう形になってよかった」と、ホッとしたような顔でしたね。なお9回のエラーは「最後でミスが出るのは、まだまだ練習不足ということ」と反省しきり。そこまでの守備はいい動きだったと思いますよ。

この先のファームの予定ですが、13日が休日(自主練習)で、14日は午後の練習を終えたあと名古屋へ移動して15、16日の教育リーグ・中日戦に備えます。なお来週17日(月)は練習、18日(火)がお休みとなりますので、見学予定の方はご注意ください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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