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タイガース・安芸キャンプ トラヴィス投手の脚 & こぼれ話

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
191センチのトラヴィス投手と話す山下トレーナー。「藤浪に次いで首が痛い」とか。

阪神タイガースの安芸キャンプは現在、第2クールに入っています。7日に初のシートバッティングが行われ、おそらく11日の練習試合(西武戦、安芸)で投げるであろうピッチャー陣が登板。また安芸組唯一の新人野手・植田選手は、その先輩投手たちからヒットを打ったと聞きました。次のシートバッティングは9日。しっかりこの目で見てきます!

きょう8日は松田投手のお誕生日ですね。この前、練習が終わった時にバッグを見るとピンク色のラインが鮮やかだったので、聞いたら「ことしもピンクです!」とニコニコしていた松田投手。アップシューズは赤で、でもピンクの線は入っていました。「ピンク一色のシューズも部屋にありますよ」。いつから使うの?「秘密です(笑)」。しばらくして「誕生日に」と言っていたんです。きょう22歳の記念に、おろしたんでしょうかね。

走ってもすごい!トラヴィス

初日のブルペンでピッチングをするトラヴィス投手。
初日のブルペンでピッチングをするトラヴィス投手。

安芸キャンプのメンバーの中で一番背が高いのは、佐村トラヴィス幹久投手(21)です。もちろん180センチ後半の選手が何人かいるものの、やはり191センチの身長は目立ちますね。私が小さすぎるせいか、時おり体を屈めながら話を聞いてくれるトラヴィスくん。そういえば鳴尾浜で「ものすごく丁寧に挨拶されたんですよ!」と記者さんたちが感激していた理由を、1月の自主トレ中に初めて会った時に知りました。

「横浜DeNAベイスターズから来ました、佐村トラヴィス幹久です。よろしくお願いします」

名前も長めなのに前所属球団名を略さずしっかり言い、さらに両足を揃えて頭を下げる…。思わず私も姿勢を正しました。今も、安芸で「寒いね」と声をかけると「寒いですね。でも外でずっと立ったままなのは大変ですね」なんて言ってくれます。とても穏やかな口調で。そんなトラヴィス投手、もうチームには馴染んだのかな?「キャンプはとても充実しています。雰囲気がいいですね。皆さん、よく話しかけてくれますし。練習中はピッチャーの方たち、きょうは投内連係で新井さんとかに声をかけてもらって。すごくやりやすいです」

ランニングのメニューで、特にダッシュはダントツでしょう?「走るのは好きですね。短距離も長距離も」。え、両方とも?と驚いてタイムを尋ねたら「50メートルは5秒87で」と、いつも通り静かな口調でサラッと答えたトラヴィス投手。めちゃくちゃ速いじゃないですかっ。ちなみに長距離は?「3キロが11分10秒です」。先月の新人合同自主トレで、石崎投手が出した3000メートル11分台(11分35秒)で大騒ぎしたのは記憶に新しいところ。それを軽く抜けるタイムとは。

ふりかけご飯とプロテインの食事

「あ、でも」と、おっとりしたトラヴィス投手には珍しく、あわてて付け加えました。「これは去年11月、ベイスターズ全員で走るのに参加させてもらった時の記録なので。あれから体重が5キロも増えています」。そんなに?「はい。11月に入寮してから5キロ。81キロから86.7キロになっています。今まで増えたり落としたりしていたけど、今回は増やそうと思って増やしました。ふりかけご飯を食べながらプロテイン飲んで」。それは…すごい食事だわ。

カメラを向けたら緊張させてしまったみたいですが、これはいい笑顔のトラヴィス投手。
カメラを向けたら緊張させてしまったみたいですが、これはいい笑顔のトラヴィス投手。

「ただし脂肪も増えてる(笑)」というトラヴィス投手ですが、体脂肪率を聞いたら「ベイスターズにいた頃は8%。今は倍あります」と苦笑い。いやいや、倍ったって10%半ばでしょう?ピッチャーとしては非常に少ないんじゃないですかねえ。それでも「これからトレーニングして、脂肪を筋肉に変えていきたい」と話しています。

ちなみにキャンプではよくクロスカントリーや長距離走が行われていましたが、トレーナーさんに確認したところ今年はキャンプでやる予定がないそうです。トラヴィス投手も、それに我々もちょっと残念かなあ。持久走が苦手な選手はホッとしているかも。なおトラヴィス投手は初日からブルペンに入って本格的なピッチングをしていて、4日に初のBPも務めました。ゲーム登板も楽しみです。

話をしている間に帰りの車がやってきて、今回はここで終了。引き揚げようとしたところに横田選手が「トラヴィスさん、僕も一緒に帰るんで」と声をかけました。それはもしかして横田くん、待ってろという意味ですか?と我々が突っ込む間もなく、2つ年上のトラヴィス先輩は「待ってるわ」と笑顔で戻ってきました。やっぱりエエ人やなあ。

こぼれ話いろいろ

さて、ここからは正真正銘の『こぼれ話』。短めにいくつかご紹介しましょう。まず真面目な話(他が不真面目という意味ではありませんけど)で、ことしの安芸キャンプも野手の朝練が実施されています。宿舎のホテルで朝6時半から5分間のストレッチに続いて7時まで素振り。そのうち6時55分からの5分間はフルスイングで仕上げだそうです。朝ご飯を食べたあと若手野手は早めに球場へ行き、全体練習前にウエートトレーニング。古屋監督は「練習ができるというのも、プロ野球選手の才能のひとつ」と話しています。

初日にお互いの新ユニホームを初めて見て、あれこれ会話が弾む選手たち。
初日にお互いの新ユニホームを初めて見て、あれこれ会話が弾む選手たち。

それから写真のようにキャンプ初日、歓迎イベントに際してベンチ前でグラウンドコートを脱ぐ選手たち。新しくなったユニホームを見ながら何か言っています。おそらくホテルの部屋で着替えるため、自分以外のユニホームをちゃんと見たのが初めてだったのでしょう。狩野選手の背中を指差し「OHの文字が大きい」とか「安藤さんのOHはどうや?」とか。入学式で互いの制服を比べている新入生のように、ちょっと可愛らしい光景でした。

そのユニホームを、ルーキーの3人はこの2月1日に初めて着て練習をするわけなので、聞いてみたんです。横山投手に最初に着たとき、自分で写真撮ったりした?もしくは撮ってもらったり、写メを送るとか?「それはないです」。あ、そうですか。次は守屋投手。もしかして奥さんに。「ないですね(笑)」。最後は植田選手が「いえ撮ってません」と。そんなものかなと思いながら植田選手に「だって新しいんですよ、入団発表の時と違うし」と言ったら「え、違うんですか?」と目を丸くしていました。前立ての部分が結構変わったんですけど、タテジマ初体験だけに気づかなかったのでしょう。

マラカスのような木の棒を手に、大谷対策を語る(笑)緒方選手。
マラカスのような木の棒を手に、大谷対策を語る(笑)緒方選手。

久しぶりに写真をご紹介する緒方選手。ほとんどサブグラウンドや安芸ドーム内でリハビリ、トレーニングをしているため帰りにチラッと会える程度なんですが、この日は何やら手に持ってニヤニヤしています。「これ?バットですよ。大谷くんの速い球を打つ練習。こうやって」と身振り手振り。なるほど、日本ハム・大谷投手対策で短いバットを…って。なんでやね~ん!これは新しいグラブを馴らすためのもの。ご覧の皆さんはおわかりでしたよね。緒方選手、すごく楽しそうにボケていただき感謝です。

締めは横田選手の……

前出の植田選手のナチュラルな(あえて英語で)コメントもこれから、ますます楽しみになってきました。そして、ナチュラルといえば横田選手。こぼれ話で横田ワールドに触れないなんて、ありえませんよね。最後にご紹介しておきます。山下トレーナーから初日に教えていただいたこと。

ことしは順調にキャンプの練習メニューをこなしている2年目の横田選手です。
ことしは順調にキャンプの練習メニューをこなしている2年目の横田選手です。

昨年は発熱でキャンプ初日にいきなり休んでしまった横田選手ですから、山下トレーナーは「ことしは風邪ひくなよ」と声をかけたそうです。すると横田選手が「大丈夫です!」と頼もしい返事に続いて「ちゃんと乾燥機を使っていますから」と答えたとか。「おいおい、乾燥させたらアカンがな!それは加湿器やろ」と山下トレーナーは爆笑でした。

さあ、また新たな話題を探しに9日から第2弾の安芸キャンプ取材に行ってまいります!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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