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新潟・三条での日本ハム戦 こぼれ話いろいろ

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
もと阪神で現ロッテの高濱選手の弟、日本ハムのルーキー・祐仁選手。

9日と10日のソフトバンク戦に連勝して5連勝中の阪神ファームですが、11日は残念ながら雨天中止となりました。チームは福岡から広島へ移動して、あすからの広島戦に備えています。12日と13日はマツダスタジアムで、14日は三原市民球場での開催。三原のチケットはもう完売してしまい、当日券の販売はないみたいですよ。ご注意ください。

ファイターズの方々

さて、少し遅くなりましたが6日と7日に新潟県三条市で行われた日本ハム戦のこぼれ話をご紹介します。ことしは初めてのファーム交流試合で、日本ハムの石川慎吾選手(22)はベンチへ入るや否やグラウンドへ駆け出していき、同い年の西田選手や1つ下の北條選手と握手。そのあと日本ハムのアップが始まる前、同期の松本剛選手(21)と一緒にベンチで阪神の打撃練習を見ていたので声をかけると、ちゃんと覚えてくれていました。石川くん、なかなか目立つ髪型で…。「みんなに言われる」と苦笑です。

阪神の打撃練習を見る、日本ハムの石川慎吾選手(左)と松本剛選手。
阪神の打撃練習を見る、日本ハムの石川慎吾選手(左)と松本剛選手。

石川慎選手は2013年のフレッシュオールスターで、また松本選手には2013年7月に行われたファーム交流試合(鎌ヶ谷)で話を聞かせてもらったのが最初です。スポニチの記事で、相手チームの選手に阪神の選手を語ってもらうというもの。石川慎選手には大阪府大会決勝で大阪桐蔭にサヨナラ勝ちした“お互いに忘れられない最後の夏”として西田選手のことを、また松本選手には帝京高校の2つ先輩である原口選手について語ってもらいました。この日は松本選手に、ちょうどティー打撃に入る前の素振り中だった原口選手の居場所を伝えると「挨拶してきまーす!」とダッシュ。私もダッシュして一塁側へ行ったんですけど間に合いませんでした。

田中幸雄ファーム監督。昔のままでした!
田中幸雄ファーム監督。昔のままでした!

相手の練習を見ながら何気なくカメラを向けた時に「あ、小坂選手」とか「もしかして的場選手?」とか「フリー打撃で投げているのは、こゆき選手だ!」てな具合で、懐かしい方々を思わず“選手”づけで呼んでしまいました。小坂誠内野守備走塁コーチはロッテ時代をしっかり覚えていますし、的場直樹バッテリーコーチはホークスのイメージが強いですね。そして西崎幸広投手が大好きだった私が、大阪球場や日生球場へ見に(MBSラジオの中継について)行っていた当時の日本ハムで、“こゆきさん”と呼ばれていた田中幸雄監督。いや~変わりませんねえ。

プロの高濱祐仁選手と初対面

6日の試合で4回にタイムリーヒットを放った高濱祐仁選手。
6日の試合で4回にタイムリーヒットを放った高濱祐仁選手。

そして今回の目的の1つ、ロッテの高濱卓也選手(25)の弟である日本ハムのルーキー・高濱祐仁選手(18)とも対面できました。初めて会ったのは卓也選手がタイガースに入った時の新入団発表会で、祐仁くんはまだ小学生。最後は2009年9月13日に、中学1年の祐仁くんがウエスタン・ソフトバンク-阪神戦を見に福岡県飯塚市の筑豊緑地公園野球場へ来た時でしょうか。所属する飯塚ライジングスターズの仲間たちと一緒に。いや安芸キャンプでも何度か会っているので最後じゃないかな。という怪しい記憶の中、同級生たちの中でも群を抜く背の高さだったことは、しっかり覚えています。中1で178センチありましたからね。

写真を撮っていい?と聞いたら、ハニカミつつ構えてくれた祐仁選手。
写真を撮っていい?と聞いたら、ハニカミつつ構えてくれた祐仁選手。

でも5年以上は会っていなかったので、いまいち不安でしたが…祐仁くんはわかってくれたみたいです。前もって連絡したお母さんが伝えてくださっていたからかもしれませんけど。試合前の練習中だったため会話はほとんどできなかったものの、少し大人びた高濱祐仁選手は恥ずかしそうに答えてくれました。プロの生活にはもう慣れた?「はい、だいぶ」。お兄ちゃんより打率がいい。「(笑)…そうですね」。頑張ってください。「はい!」

その日の試合は6番サードで先発、4回に一時は勝ち越しとなる左前タイムリーを放ち、6日は5番サードでヒットこそなかったものの、犠打を決め守備もきっちりこなしました。そうそう、兄の卓也選手と祐仁選手との打率はその後、いつのまにか並んでいますね。10日の時点で

【卓也】53試合 173-41 打率.23699 

【祐仁】54試合 186-44 打率.23656

となっています。四捨五入すると、2人とも .237 です。お兄ちゃんも頑張って!

恒例の“総選挙”と賞品あれこれ

三条市のパール金属さんから贈られた自転車。監督の指示で乗って帰る植田選手です。
三条市のパール金属さんから贈られた自転車。監督の指示で乗って帰る植田選手です。

6日の開会セレモニーではいつものように三条市の特産品、名産品の数々が両監督や選手に贈られました。ことしも自転車がプレゼントあれ、古屋監督に呼ばれた植田選手が少しだけ乗ってベンチ方向へ。そういえば昨年、平田監督は自分で乗ろうとしていたような(笑)。その他にもお米や車麩などを、代表して阪神は植田選手、日本ハムは清水優心(ゆうし)選手というルーキー2人が受け取っています。

7日は、3年前から始まった『三条野球まつり総選挙』の表彰がありました。それぞれのチームの監督やコーチ、選手に対するファン投票で、確か一昨年は新井良太選手、去年は北條選手が阪神の1位だったと思います。ことしの上位はこんな得票数でした。

【阪神】    【日ハム】     

1 梅野  82  1 斎藤佑  75

2 新井良 65  2 武田勝  10

3 北條  12  3 鵜久森  9

4 原口  10  3 田中監督 9

5 一二三 8  5 大嶋   8

ファン投票で日本ハム1位の斎藤佑投手。なお手前は梅野選手に賞品を渡した方です。
ファン投票で日本ハム1位の斎藤佑投手。なお手前は梅野選手に賞品を渡した方です。

また試合中の選手賞は、勝利投手となった岩崎投手と歳内投手、セーブ投手の玉置投手と小嶋投手が『難関突破米』というお米5キロを獲得(ホールド賞も同じ)。猛打賞は2試合ともありません。ホームラン賞は6日に打った2人、日本ハム・石川慎選手が『三条名産の車麩』、梅野選手が『木製4段ラック』です。三塁打賞として日本ハムの市川選手に『アンティーク LEDランタン』が贈られました。これらの品は、淡路の時とは違って現物がその日に渡されますので、スーツケースやバットケースなどの荷物と一緒にトラックで運ばれた模様。

それから今回初登場のヒーロー賞は『三条産西洋梨 ル・レクチェ 収穫権』で、梅野選手と島本投手が受賞しました。ただし「ル・レクチェ」の収穫は秋。自分で獲りに行くことはできないので、収穫したものを送ってもらいます。50個か60個くらいあるみたいで、食べごろは12月でしょうね。もし多すぎたら食べますよ、言ってくださいね、島本くん。

ことしも原口家の皆様と

右から原口選手のお父さん、お母さん、妹さん。この瞬間にヒットを打っちゃいました…
右から原口選手のお父さん、お母さん、妹さん。この瞬間にヒットを打っちゃいました…

昨年に続いて、埼玉から原口選手のご両親が観戦に来られました。ことしは4月末にジャイアンツ球場で行われた巨人戦もご覧になっていて「ホームランを打ってくれた!」と大喜び。今回は原口選手の妹・美佳さんも一緒です。美佳さんは「高校時代まで見ていたけど、プロに入ってからは初めて」だったそうで、なのにヒットを打った瞬間を邪魔する記念撮影をしてしまい…本当にすみませんでした。

原口選手が以前、妹はソフトボールをしているんですよと教えてくれた時、てっきりお兄さんの影響で始めたんだろうと勝手に思っていたんですが、美佳さんによれば特にそういうわけでもなかったとか。「でも家ではトスを上げていましたよ。普段は父がやっているんですけど、いない時に」。自宅で練習をする原口選手のため、お父さんの代わりにティーバッティングのボールをトスしてあげていたんですね。それを原口選手に伝えると「あはは、イヤイヤね(笑)」とのこと。美佳さんも苦笑いです。

ことしも6月に入り、支配下選手登録を目指す原口選手にとっては1試合、1打席、1球が勝負の日々。お父さんは「もう打って打って、打ちまくるしかないって本人は言っていますね」とおっしゃいました。なかなか間近で見られないもどかしさもあると思いますが、ご両親はとても穏やかです。原口選手と同じで。今年の夏、大きな親孝行ができるといいですね。私も祈っています。その時はまたお話を聞かせてください。美佳さんもよろしくお願いします!

全国大会を目指す“横山投手”

ことしも球場に来てくれた横山さん。現役時代に比べ、食はだいぶ細くなったそうです。
ことしも球場に来てくれた横山さん。現役時代に比べ、食はだいぶ細くなったそうです。

2012年まで阪神に在籍した新潟市出身の投手・横山龍之介さんが、ことしも顔を見せてくれました。6日は試合開始が遅れたため、ゆっくりと旧交を温められたのではないでしょうか。退団後は新潟県の胎内市役所に勤めていて、今は『胎内市教育委員会 生涯学習課 スポーツ振興係 主事』という肩書き。もちろん軟式野球も続けていますよ。この日も朝の練習を終えて駆け付け、翌7日は試合があると言っていました。ことしも官公庁の全国大会を目指して投げているようです。

誰かに「エースなの?」と聞かれ「うちはエースってのはいないんですよ」と真面目に答える横山さん。でも勝利に大きく貢献しているに違いありません。昨年も出場した官公庁全国大会の前に、新潟県大会があります。頑張ってください。昨年5月に入籍して、10月に挙式と披露宴を済ませた奥様と、今は胎内市内で2人暮らし。早く3人になるといいですね。その前に、ご両親と龍之介さん夫妻で甲子園球場へ試合を見に来られる計画があるとか。奥様にも会えるのを楽しみにしています。

野球教室で余裕の挨拶だったのは…

岩本投手もノッカーを務めました。
岩本投手もノッカーを務めました。

最後に野球教室の話を少し。6日の試合後には今回も三条市内10チームの、3年生から6年生の133人が参加して行われました。昼まで降っていた雨はどこへやら!青空が出て風も爽やかで、最高のひとときだったと思います。関西の子どもたちに比べると、やっぱりシャイなのか大人しい感じではありますが、とても熱心。礼儀正しいなあと筒井コーチも感心していました。

新井良太選手が1人の少年と何か話を。彼にとっては一生忘れられない瞬間でしょうね。
新井良太選手が1人の少年と何か話を。彼にとっては一生忘れられない瞬間でしょうね。

相変わらず熱血指導なのは新井良太選手。バッティング練習ではボールをトスするだけでなく、立ち上がって手を取ったり、自ら打って見せたり、みんなを集めて話をしたり。子どもたちもテレビでよく見ている新井選手とあって、とても嬉しそうに一生懸命聞いていました。新井選手自身も楽しんでいるのがよくわかります。

今回、締めの挨拶担当はルーキー植田選手でした。
今回、締めの挨拶担当はルーキー植田選手でした。
横田選手は挨拶の担当から外れて余裕の笑顔。
横田選手は挨拶の担当から外れて余裕の笑顔。

そして最後の挨拶。今回はすんなり植田選手に決まったようですが、いつもと違って先に子どもがお礼の挨拶。自分が先と思った植田選手は、張り切って前に出てしまい「ちょっと待って」と止められる感じで…逆に焦っているように見えちゃいましたね。でも締めの挨拶は、試合前にプレッシャーをいっぱいかけたのですが「そんなん大丈夫ですよ」とサラッと流した通り、まさに余裕しゃくしゃく。見事でした。それを見ていた横田選手も、今回は余裕の笑顔だったことを付け加えておきます(笑)。

昨年も、また先日も書いたように三条市での試合は雨が付き物。これまで6度開催され、常に少なくとも1日は雨の影響を受けています。ことしも、少し前の予報が土日とも晴れだったのに行ってみたら雨…。でもさすがに三条市民球場の皆様は慣れていらっしゃる!雨の中、開始を30分遅らせての開催を決断してからの動きは見事でした。翌7日はご褒美みたいな快晴。2試合とも無事にできてよかったですね。ことしも本当にありがとうございました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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