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安芸キャンプ 契約更改交渉での選手コメント集《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
来季の年俸は上がった?と聞かれた中谷選手。この表情が雄弁に語ってくれています。

プレミア12で盛り上がるプロ野球ですが、日本では各チームとも契約更改の季節を迎えています。ただ何千万、何億という金額が飛び交う大物選手はまだ先のこと。阪神タイガースも11日に、第1弾としてキャンプ宿舎からスタートしました。秋季キャンプに参加していても、1軍に定着している選手はキャンプ終了後に球団事務所で行われるので、今回は1軍の試合出場がそれほど多くない選手が交渉に臨んでいます。

昨年は秋季キャンプ後に、人生初の契約更改を1軍未経験の横田選手が球団事務所でやったり、21Uのワールドカップに出場していた北條選手も球団事務所と異例なこともありました。そういえば数年前まで、安芸へ行かず鳴尾浜で秋季キャンプをしていた選手の契約更改は寮で行われ、そのあと取材でした。当時は育成選手も取材できたんですけど、今はないので金額がわかりませんね。

育成といえば、11日のキャンプ宿舎では田面巧二郎投手原口文仁選手について「育成選手再契約の交渉を行い、合意に達した」旨が広報から伝えられました。そのあと13日に鳴尾浜で一二三慎太選手と「育成契約交渉」、同じく佐村トラヴィス幹久投手と「育成選手再契約の交渉」が行われ、それぞれ合意に達したとのこと。背番号はまだですね。新人選手の入団発表会前後にわかるのではないでしょうか。

では、11日に契約を更改した15選手のコメントをご紹介します。年数の横の数字は『今季の年俸→来季の年俸』で、金額(万円)は推定です。例年のことながらハッキリと数字を言ってくれる選手は少なく、「少し」とか「ちょっと」という言葉や表情で推し量る、まさに推定なんですよね。どうぞご理解ください。

◆投手 ↑2人、→2人、↓3人

【横山】 1年目 1500→1500

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サインは?「しました。現状維持です」

どんな話を?「ことしの結果に球団としても満足していない。来年への期待は大きく持っている、と言われました。来年やらなくてはいけないと思います」

ことしを振り返って。「巨人戦の1試合だけですが、そこに関しては手応えがあったし球団からも評価してもらったので、次に生かせると思いました」

来年は?「開幕の時点で先発ローテ入りを目指して、オフとキャンプをしっかりやっていきたい。そこを目標にして。まずは安定したピッチングということで、その日よくても次がダメなら先発をやる意味がない。その点も言われました。しっかり反省して頑張ります」

【石崎】 1年目 1200→1180

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サインは?「しました」

増減は?「ダウンです。ことしの成績は期待に全然応えられなかったので、言われた通りかなと思いました。期待された中で不甲斐ないピッチングだらけだったので…もっと頑張らないといけない」

来年に向けて。「まずは、ことし以上の全体的な成績アップですね。ことしチームに貢献できなかったので、来年こそは貢献できるように頑張りたいと思っています」

【山本】 2年目 540→600

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どうでしたか?「上がりました。どれくらいかは…もと(今季の金額)が違うんですけど。ちょっとだけ上げてもらいました」

評価してもらった部分は?「谷間のところを1試合埋めてくれたので、と。また先発、中継ぎの両方をやらせてもらったので、そこは評価していると言われましたが、試合数が少ないとのこと。来年は試合数も増やせるようにしたいですね」

来年は先発か中継ぎか?「基本的には中でと言われているので、開幕から1軍に残れるように」

ことしは早かった?「もっと投げたかったんですけど、あっという間に終わってしまったんで」

【岩貞】 2年目 1650→1600

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「サインしました」

球団から言われたことは?「先シーズンよりも試合数もイニングも減っているし、1勝に終わってしまったんで、勝てるピッチングというか先発としての役割を果たせるようにと。来シーズンの5番手、6番手が定着していないので、そこに入っていくようにという話でした」

来年は?「期待もしているとのことで、それ以上に自分自身もやらなきゃいけないと思います」

後半は手応えがあったのでは?「シーズン終盤やフェニックス・リーグなどで手応えをつかんでいて、香田コーチにもアドバイスをいただき、少しずつではありますが自分の中でも “上がってきたな” というのは感じます。春先にはそれが効率よく、確率高く出せるようにやっていきたいです」

【金田】 3年目 1800→1500

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サインは?「もちろんしました」

どんなことを言われた?「ことしを振り返っての話です」

もっとやってほしいと?「そうですね。去年40試合も投げたので、ある程度は戦力として考えてもらいながら何もできなかった。個人としてもチームとしても痛かったと言われました」

来年の目標は?「ことし何もできなかったので、来年はチームに貢献できるピッチングがしたいです」

結構下げられた?「もちろんです」

【二神】 6年目 850→900

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どんな話が?「今シーズンを振り返っての話と、来シーズンに期待しているという感じですかね」

来年については?「今シーズン1軍では中継ぎが多かったので、そういうふうになってくるという話はありました」

それに向けて。「去年とことしはある程度、自分でも思ったピッチングをできていることが多かったので、どうやったら定着できるかを詰めてやっていきたいと思います」

サインは?「しました。ちょっとアップ、気持ちアップです。ちょっと。気持ち」

【秋山】 6年目 1000→1000

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「サインしました。一緒です」

球団からの話は?「今シーズンを振り返っての話と、期待しているの声をいただきました」

振り返って。「投げた試合は評価してもらったけど、3試合という登板数だったので、もっと投げられるように今、頑張っています」

来年は?「目標は特に決めていませんが、目の前のことを、まずやることをやる。そこから始めて1つ1つ課題をクリアしていくべきかなと思います」

先発ローテに期待されているが。「そこはやっぱり自分が投げていきたい場所でもありますし、先発ローテに入るために何をすべきか。いっぱいあると思う。オフは時間があるから、練習にしっかり時間を割いて取り組んでいきたいです」

◆野手 ↑1人、→3人、↓4人

【森越】 5年目 600→600

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どんなことを球団から?「今ここにきているということは、ヘッドコーチから聞いていると思うけど守備を評価しているからだと言われました。打てるに越したことはないけど、もちろんそちらも磨いて来年やっていければいいなと思います」

ことしバッティングで変わったことは?

「副本部長から『舞洲で4安打したのをオレは見ていたから』と言われたけど、結果的にはファームで。1軍では1本も打っていないのも現実。来年1軍で “阪神初安打” を打てるようにしたいです」

サインは?「しない理由はないですからね」

【岡崎】 11年目 900→850

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「今季の感想と、来年に向けての話があって、悔しい1年だったので来年もう一回頑張ると言いました」

来季の捕手起用は横一線と。「人は関係なく、自分がどうするかということなので」

アピールするところは?「全部、ですね。守備だったら全部抑える、打つ方はチャンスで打つ。あとは今までピッチャーに対して、ちょっと気を遣いすぎているところがあったので、自分の考えとかをちゃんとピッチャーに伝えていけたらと思います」

それはどういう?「これまでは思ったことも、打たれたあとだったりしたら言わない方がいいかなと言わなかったことはある。そういうのも言っていかなきゃいけないなと。よく思われたいと考えすぎて言えなかったんで」

1軍に少しでも多く?

「今まではそう言っていて全然ダメだったから、状況が変わったのもありますけど、“レギュラーを取る” という気持ちでやりたい」

サインは?「え?ああ!しました。ちょっと下がりました」

【中谷】 5年目 580→700

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どんな話を?「ことしの振り返りとか、外野は激戦区だから頑張れと言われました」

ファームで手応えをつかんだシーズン?「まあそうですね。多少はつかみましたが、来年これを維持しなきゃいけないし、もっと1軍で打たないといけないし、しっかり取り組んでいきたい」

アピールは?「バッティングが一番ですけど、守備でも評価されたので、総合的な部分で勝負していきたいです」

来年は?「ことしは1軍と2軍を行き来するようになって、いろんな経験をさせてもらった。最後は優勝争いの時に上がれたし。あの緊張感の中でやって、大変さがわかりました。それを来年につなげていきたいと思います」

【北條】 3年目 730→730

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球団からの話は?「来年は4年目なんですけど、4年目、5年目ってのは1つのポイントになる。やっぱり1軍で出てほしい言われました」

ことしはホームランも多かった。「打率が下がってしまったんで、そこは反省するところです。けど長打力は成長したかなというのはありますね」

1軍の打席を経験して。「打席でファンの方の大きな声援を感じたので、それに応えられるよう1軍の試合にどんどん出たいなと思いました」

ポジションは?「僕は出られるならどこでも。チャンスがいつ来るかわからないので、しっかり準備しておきます」

来年の抱負を。「もっと1軍で出たいという思いは年々増しているので、来年こそというのはいつも言っていますが…。来年は向こうでやれるよう(※)頑張ります!」

※1軍の試合に多く出れば、秋季キャンプ宿舎ではなく球団事務所での契約更改交渉となるため。

【小豆畑】 3年目 770→700

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どういう話が?「ことしファームでは試合数も多く出たので、来年はそれを弾みにしてほしいと言われました。自分もまだ1軍の戦力になっていないので、来年は戦力になれるよう頑張ります!と答えました」

来年は横一線のスタートと監督も。「やっぱり自分としては、横一線と言ってもらってチャンスだと思うし、フラットな目で見てもらえると思う。監督がというより、自分の持っている力を発揮することですね。来年はそこからかなと」

アピールポイントは?「キャッチャーとしてピッチャーのために動くこと。僕の中でそれが一番のアピールポイントだと思います。遠くに投げるのもそうですね。シーズンオフは2月に向けて頑張っていきたい」

【緒方】 3年目 950→800

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「サインしました。落ちました。ことし1年間、何ひとつチームの役に立てなかったので当然の結果だと思います。外野手は若いメンバーの競争になるからチャンス、勝ち抜けるように来年は頑張れと言われました」

キャンプでは?「ことし以上の “下” はないので、このキャンプに来た時から毎日、自分はチャンスだと思って来年に向けてやっています。自分の力を出せるようアピールして、来年その悔しさをバネにすると」

アピールするところ。「小さくてもしっかり振れるのが持ち味だと思うので、あとはしっかり走れるところを出して。とにかくもう動き回る選手というところをアピールしていきたい」

目標は?「何が何でも1軍のレギュラーを取ると言える立場ではないので、とにかく1軍メンバーに、1軍定着を目標に。金本監督に、緒方を使いたいと思ってもらえるように頑張ります」

【陽川】 2年目 840→800

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球団からは?「来シーズンはもっと頑張れよという話で、(年俸は)下がりました。最初に肩を壊して、シーズンの半分をリハビリで過ごした悔いの残る1年間ではありました」

ファームの成績は?「全然、納得いっていないですね。このキャンプも残り少ないけど、来年に向けてやっていくだけです」

アピールはバッティング?「一番はバッティングですけど、守備も大事なんで、しっかり鍛えていきたい」

来年こそ1軍でプレーしたい?「そうですね。来年は1軍に昇格して、そのあとに定着できるよう頑張りたいと思います」

【植田】 1年目 500→500

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どういう話があった?「ことしはケガをしてしまったので、来年はけがしないようしっかりトレーニングするようにと言われました」

来年の目標を。「1軍に何とか上がりたいです、来年は」

安芸の秋季キャンプに合流してみて、やれるなと感じた?「そうですね。やらないといけないんで。全部レベルアップしてキャンプを終われるようにしたいです」

スイッチヒッターの話は?「出ませんでした」

挑戦してみたい?「そうですね、はい。でもとりあえずは右、ですね。いつからかとか具体的なことはまだ」

アピールするところ。「一番は走塁です。次の塁を狙う意識を強く持ってやっているので。走塁からですね。アピールできるように頑張ります」

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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