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“一時帰省”の一二三が3ラン!伊藤隼は今季1号!BCリーグとの交流試合《5/17 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
約1ヶ月半ぶりの鳴尾浜で、3ランを放った一二三選手。

公式戦の予定がない今週前半、ルートインBCリーグとの交流試合が組まれた阪神ファーム。きのう17日は福井ミラクルエレファンツ、きょう18日は石川ミリオンスターズとの対戦です。ご存じのように福井は吉竹春樹監督が昨年から指揮を執っていて、今季は阪神から藤井彰人さんがバッテリーコーチとして派遣されています。

そして福井は昨年、田面投手とトラヴィス投手が3ヶ月ずつを過ごしたチームでもあります。田面投手は甲子園へ向かう前、挨拶に行ったみたいですね。吉竹監督は喜んでおられたでしょう。トラヴィス投手も9回に登板。試合後には、元チームメイトと談笑する姿が見られました。

1番に今季初実戦の伊東隼選手。6番は1ヶ月半ぶりに阪神で出場の一二三選手。
1番に今季初実戦の伊東隼選手。6番は1ヶ月半ぶりに阪神で出場の一二三選手。

また一二三選手は6月末まで石川ミリオンスターズに派遣中なのですが、ちょうどメディカルチェックで鳴尾浜に戻っており、きのうは阪神の選手で出場しました。久々のタテジマで、3ランと2点タイムリー二塁打を放っています。ただし、きょう18日は石川・一二三選手として背番号36での出場です。

※4月23日、24日に取材した石川での一二三選手の記事はこちらからどうぞ。<一二三慎太選手がBCリーグで全試合出場、打率3割超えと奮闘中!>

試合は、阪神が1回から4回までに毎回得点を重ねて14対0とリード。7回に2点を返されたものの、終わってみれば毎回の19安打(そのうち長打は9本)を放って17得点と打線爆発でした。先発の望月投手は4回を投げて1安打無失点です。

《交流試合》5月17日

阪神- 福井 (鳴尾浜)

福井 000 000 200 = 2

阪神 453 200 03X =17

◆バッテリー

【阪神】望月-岩本-伊藤和-トラヴィス / 鶴岡-清水(5回~)

【福井】輝(1回)-濱岡(2回)-内藤(2回)-戸田(1回)-藤野(1回)-佐々木(1回) / 片山

◆本塁打 阪神:一二三3ラン(輝)、伊藤隼2ラン(内藤)、ペレス2ラン(佐々木) 福井:荒道2ラン(伊藤和)

◆三塁打 江越

◆二塁打 阪神:森越3、江越、一二三 福井:栗田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]中:伊藤隼 (2-2-2 / 0-2 / 0 / 0)

〃打中:柴田 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

2]三:西田  (5-2-0 / 0-1 / 0 / 0)

3]一:ペレス (5-3-3 / 1-1 / 0 / 0)

4]指:江越  (3-2-4 / 0-0 / 0 / 0)

〃打指:横田 (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0)

5]右:中谷  (2-1-0 / 1-2 / 0 / 0)

〃右:緒方  (1-1-0 / 0-1 / 0 / 0)

6]左:一二三 (6-2-5 / 2-0 / 0 / 1)

7]二:森越  (5-3-1 / 0-0 / 0 / 0)

8]捕:鶴岡  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃捕:清水  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]遊:植田  (3-1-0 / 1-2 / 0 / 1)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

望月  4回 48球 (1-2-2 / 0-0) 147

岩本  2回 28球 (2-1-0 / 0-0) 141

伊藤和 2回 41球 (2-2-2 / 2-2) 139

トラ  1回 7球 (0-0-0 / 0-0) 145

<試合経過>

1回に一二三選手が3ラン!本人は入ると思わなかったようですね。
1回に一二三選手が3ラン!本人は入ると思わなかったようですね。
伊藤隼選手は4回に2ラン!今季初実戦での一発です。
伊藤隼選手は4回に2ラン!今季初実戦での一発です。
8回に2ランを放ったペレス選手。後ろは右のお尻に死球を当てられた植田選手です。
8回に2ランを放ったペレス選手。後ろは右のお尻に死球を当てられた植田選手です。

まず打線は1回、伊藤隼の四球と西田の中前打、ペレスの四球で無死満塁として江越の遊ゴロ併殺の間に1点。中谷も四球を選び2死一、三塁となって一二三がレフトへの3ラン!2回は右前打した先頭の植田が伊藤隼の打球に当たってしまい守備妨害でアウト(伊藤隼はセカンド内野安打)となり、2死後にペレスの中前打で満塁。続く江越が左越え二塁打で2人を還します。中谷の四球で2死一、二塁、一二三が今度はセンターのフェンスを直撃する2点タイムリー二塁打!さらに森越のタイムリー二塁打と、この回6安打で5点を追加しました。

3回は1死から伊藤隼と西田が連続四球、ペレスの中前打で伊藤隼が生還!続く江越は中越えの2点タイムリー三塁打!3点を加えます。4回は2死から植田が四球を選んで、伊藤隼がライトへ2ラン!ここまでで12安打14点を奪いました。5回は中谷の左前打、6回はオリックスから派遣中の戸田から森越が二塁打(森越はこの試合3本目の二塁打)を放つも無得点。

7回はことしの沖縄・宜野座キャンプに打撃投手で参加した福井の藤野が登板し、西田と江越がヒット、緒方は四球を選ぶなど1死満塁と攻めましたが、一二三は3球で見逃し三振。森越は二ゴロで3者残塁。8回は清水がショートの送球エラーで出て、植田は右臀部への死球、柴田の中飛で1死一三塁となり暴投で清水が生還。2死後にペレスが右中間へ2ラン!これで17点。さらに横田と緒方の連打で2死一、二塁と攻めるも、一二三は見逃し三振で攻撃を終えています。

先発の望月投手。プロ最長の4イニングを投げ1安打無失点です。
先発の望月投手。プロ最長の4イニングを投げ1安打無失点です。
2人目は岩本投手でした。2イニングで2安打無失点。
2人目は岩本投手でした。2イニングで2安打無失点。
伊藤和投手は2イニングで2安打ながら7回に2ラン。
伊藤和投手は2イニングで2安打ながら7回に2ラン。
9回はトラヴィス投手。昨年も派遣先・福井を相手に三者凡退。
9回はトラヴィス投手。昨年も派遣先・福井を相手に三者凡退。

次に投手陣。先発の望月は1回、サード内野安打で出した2番・栗田の盗塁を鶴岡が阻止。そのあと1四球を与えながらも4番・大松から空振り三振を奪って無失点でした。2回は1四球のみで、3回と4回は三者凡退。まだ投げる予定だったようですが、リリーフ陣の登板予定を変更したようで、ここで交代。ついで岩本と清水のバッテリーとなります。

岩本は5回2死からショート植田の捕球エラー(トンネル…)で走者を出し、9番・高柳の左前打&一二三のエラーで二、三塁としたものの、ピンチをしのいで無失点。6回は先頭の栗田に右中間二塁打、しかし三塁でタッチアウト!あとは外野フライ2つで片づけました。

ところが7回、伊藤和が1死から四球を与えて7番・荒道に右中間へ2ランを浴び、この試合初の失点。続く8番・片山に中前打されるも後続は断っています。8回は1四球のみで0点で抑えました。そして9回はトラヴィスが登板。6番からの3人を二ゴロ、中飛、二ゴロとわずか7球で三者凡退に斬って取り、試合終了です。

ますます激化する外野手の戦い

右肩のケガから復帰した伊藤隼選手は、これが今季初実戦。「特にケガもせず、ちゃんと終わったのでよかったですね。途中で交代しましたけど4打席に立てて、打球も何度か飛んできて。結果は嬉しいですが、それ以前に試合に出て普通にすべてのプレーが出来たことで、一歩二歩進んだと思います」

足が速くなったのでは?と質問された伊藤隼選手。「体は多少しぼったってのはありますね。これ以上は落ちないようにしていますが」。リハビリ中に動けなくて増えていたこともあったと言っていましたけど、一番多い時と比べて3キロくらいのようで。とはいえ、かなり軽く感じているのかもしれませんね。ホームランもあり「打てないより打てた方がいい。いいスタートを切れたと思います」と、納得の初実戦だったようです。

ホームランを打って、軽やかに三塁を回る伊藤隼選手。
ホームランを打って、軽やかに三塁を回る伊藤隼選手。

掛布監督は「初実戦でホームランと結果も出て、隼太自身も手応えを感じてるでしょう。隼太が出てくれば、ファームでも外野のポジション争いは激しくなる」と言っています。現に、きのうは一二三選手が先発出場したこともあって、柴田選手や緒方選手、横田選手も途中からの出番となりました。熾烈な戦いは必至ですね。

久々のタテジマに「違和感(笑)」

一二三選手は定期的なメディカルチェックのため、石川の試合がない今週前半はもともと鳴尾浜に戻って来る予定でした。そこに偶然、ルートインBCリーグとの交流試合が組まれ「石川とやる時は阪神かな?石川かな?」と言いながら非常に楽しみな様子だったのです。自身が派遣されている石川との試合は18日ですが、福井とは既に何度も対戦しているので、気持ちは“石川”だったかも?

久々にタテジマを着て、どうだったかと聞かれ「違和感しかないです。違うチームみたい」と笑う一二三選手。へえ~まだ2ヶ月経っていないのに。まあ先月、試合を観に行った時でも、しっかりと溶け込んでいましたからね。その馴染んだ?青いユニホームを着て一塁側ベンチにいる一二三選手を、きょうは見るわけで。また別の違和感がありそうです。

終了時に整列したところ。一二三選手は、このあとの動きで少し戸惑っていたような…。
終了時に整列したところ。一二三選手は、このあとの動きで少し戸惑っていたような…。

それにしても1回に「ご無沙汰しました」って感じの3ラン!BCリーグで1本打って以来です。向こうで話を聞いた時に「もっとホームランを打ちたい!」と言っていたけど、以降は出ず。「スライダーですね。手応え?なかったです(笑)。うわ来た、と思ってバットを出したら飛んでいった」…久々の一二三語録に吹きました。確かに写真を見ても、そんな感じですもんね。

2回もチャンスで中越えの2点タイムリー二塁打。フェンス直撃でした。「あれは感触よかったです!」。しかし、そのあとが…。掛布監督は別人みたいだと言っていたと伝えたら苦笑いです。久しぶりで、ちょっと後半バテていたかもしれません。なんせ試合前の練習量が向こうとは全然違いますからね。とはいえ最後の打席でも、追い込まれるまでのフルスイングはいつも通り。追い込まれてから諦めるのも、相変わらず早い気がしますけど。

掛布監督も「最初のバッティングは素晴らしかったけど、あとの打席はいいものが見られなかった。良い、悪いの差が極端だね。前半と後半は別人のようだった。ある程度、6打席もあったら結果が伴わないと。アウトの内容を良くしていかないと。あと1ヶ月ちょっとでしょ?楽しみにしたいね」と話しています。

8回、見逃し三振を喫して戻ってくるところ。
8回、見逃し三振を喫して戻ってくるところ。

一二三選手は、ホームランを打って戻ってきた時にみんなが笑顔で迎えてくれ「あざーす!」と言いながらハイタッチしていましたね。ものすごい歓迎ぶりだった。「石川もすごいっすよ」。じゃあ、きょうもホームランを打って、それも見せてもらわないと。あ、間違えて三塁ベンチに戻りそうにならない?「それはないでしょ(笑)」。最後に、阪神と対戦する意気込みを…と聞く前に言ってくれました。「絶対勝ちます!」

目指すのは、もっと上の内容

次は望月投手です。投げた球種は真っすぐ、カーブ、スライダー、フォークだそうで「鶴岡さんに『この回はカーブと真っすぐ』とか『ここはスライダーと真っすぐ』とか『最後は真っすぐだけ』と、イニングごとにベンチで言われてから行っていたので、すごくわかりやすかったです」とのこと。そして「きょうも追い込んでから変化球でフォアボールになってしまったけど、でも変化球を実戦でしっかり投げられたってのはあります」と収穫を口にしました。

5回も投げたかったみたいですね。そのあたりに負けん気が表れています。
5回も投げたかったみたいですね。そのあたりに負けん気が表れています。

チェンジアップも練習中?「はい。きょう2アウトランナーなしで、初球が入って余裕あったらいくか?と言われていたんですけど…。ブルペンでもっと練習します」。次の登板でお披露目となるかもしれませんね。

この日は「3球でカウント1-2にしようという課題を持っていたけど、2-1とかあって…反省です」と望月投手。「3球で1-2を作ったあと、変化球2つがボールになってフォアボール。2四球とも有利なカウントからだったので。そこでの決め球とか、3ボールにする前のこととか、いい課題が見つかったのでよかった。でも内容的にはもっと上を目指してやっていきたい」

2回の攻撃中、キャッチボールをしながら味方の猛攻に拍手を送ります。
2回の攻撃中、キャッチボールをしながら味方の猛攻に拍手を送ります。

鶴岡選手は望月投手と試合で組むのは初めてだったそうで「ブルペンでは本当に、バッターが真っすぐを狙っていても、その真っすぐで空振りやファウルを取れる、と僕は思っていたので。ちょっと(打球を)前に飛ばされ過ぎているかな。もうちょっと空振り、ファウルがあればよかった。キャンプでもそう思っていた」という感想。それはつまり?「ブルペンの方が今はまだいいですね。でもいいピッチャーはいいピッチャーだから」

試合中にも、いろいろと指示やアドバイスをしていたみたいですね。「本人には、3球で1ボール2ストライクを作ろうというテーマを持たせて。フォアボールも1つは追い込んでからでしょう?あれはもったいないよと言った。でも初球でポンと打ち取れたのも収穫やったし。4回は全部まっすぐ。真っすぐで空振りとファウルを取れるようにしようと思って。(ファウル2球だけだったものの)結果を出しているので、いいかな」

その素材に誰もが期待を込める望月投手。楽しみなルーキーです。
その素材に誰もが期待を込める望月投手。楽しみなルーキーです。

鶴岡選手がマスク越しに「もっちー!もっちー!」とかける声が、ベンチ横まで聞こえてきました。またサインに何度も何度もうなずいて構える望月投手の、信頼しきった表情も。強く大きく育ってほしいですね。

トラヴィスが連れていかれる?

昨年の6月から9月まで福井ミラクルエレファンツに派遣されていたトラヴィス投手は、18日の石川戦で登予定だったようですが、試合中に「2試合連投」と変更された模様。でも吉竹監督やチームメイトは久しぶりに投げるトラヴィス投手が見られて嬉しかったのではないでしょうか。本人も最後に対戦した片山選手が「ニヤニヤしてた」と笑います。3ヶ月、球を受けてくれたキャッチャーですもんね。

緊張したかと聞いたら「緊張はしなかったです。成長したところを見せようというより、(福井は)過去3年間ケガでほとんど投げられなかった自分が、初めて実戦経験を積ませてもらったところなので感謝しつつ、しっかり自分のボールを投げるっていうのを考えていました」と、トラヴィス投手らしい答えです。「吉竹監督には『元気か?』と、それから『体は大丈夫か?』と言われました。最初に体を気にかけてくださって嬉しかったです。死に物狂いで頑張れと、応援していただきました」

試合後に対面した福井の選手たちに連れ去られかけた?トラヴィス投手(右)。
試合後に対面した福井の選手たちに連れ去られかけた?トラヴィス投手(右)。

それに応えるためトラヴィス投手は、きっと必死で頑張るはずです。なかなか登板機会がなくて、今回も4月下旬の交流試合以来の実戦でした。「去年は上下がバラバラだった」というフォームは改善されていますが、まだ「自分の体はしっかり使えていない」とか。でも球速はアップし、結果も出ています。これから投げるチャンスが増えてきますように。

田面投手は甲子園へ移動する前、福井ベンチに行ったものの会えなかった選手も結構いたみたいですね。それもあってトラヴィス投手とは話がしたかったのでしょう。帰りのバスが出る間際まで、福井の選手たちは「トラヴィスは?幹久は?」と探していたのです。ようやく練習を終えて引き揚げてきたトラヴィス投手を発見して、みんなで取り囲み「ほら行くぞ!」「さあ乗って」とバスに連れていこうとしました。

連れていくのは諦め、トラヴィス投手(下)を囲んで記念撮影。
連れていくのは諦め、トラヴィス投手(下)を囲んで記念撮影。

「行けませんって」と言いながら、とても嬉しそうに笑うトラヴィス投手。たった3ヶ月でも、本当に仲間として接してもらっていたんだなあ、可愛がってもらったんだなあというのが伝わってきますね。だからって連れていかれたら困りますけど(笑)。また今月末に今度は福井で試合がありますので、それを楽しみにしましょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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