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タイトル続々のソフトバンクに対し…横田の2安打2打点も及ばず連敗《9/24 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
8月31日以来のマルチ、しかもタイムリー2本と奮闘した横田選手。

きのう24日もタマホームスタジアム筑後でソフトバンクと対戦。土曜日とあって、前日より1000人ほど多い2793人のお客様でした。それにしても暑かったですねえ。きょうも朝からムシムシしています。

さて試合は、初回に横田選手のタイムリーで先制したものの、3回に逆転され、追い上げは及ばず7対4で敗れました。タマスタでの対戦はこれで4勝12敗…。鳴尾浜などホームゲームでは7勝5敗と勝ち越しているんですけど。

23日にカニザレス選手が14号を放ち、リーグトップの陽川選手と並びました。きのう24日の試合前、掛布監督が「カニザレスは大丈夫。打たれないよな?守屋」と、ストレッチ中の先発・守屋投手に声をかけたところ「はい!」と、体は俯せた状態で顔を上げて即答する守屋投手。宣言通りリーグ単独トップとなるホームランは阻止したのですが…タイムリー二塁打は許しちゃいましたね。

また陽川選手の最多打点は安泰と思っていたら、守屋投手は上林選手に2点タイムリー三塁打を浴びて、4点差に迫まれています。でも、きょうの田面投手が阻んでくれるでしょう!

球場正面入口に飾られたリーグ優勝のペナントと銀の皿。
球場正面入口に飾られたリーグ優勝のペナントと銀の皿。
ペナント、大きすぎて撮りきれませんでした…
ペナント、大きすぎて撮りきれませんでした…
銀の皿って(笑)。サッカーではシャーレと言いますね。
銀の皿って(笑)。サッカーではシャーレと言いますね。

個人タイトルは、投打ともソフトバンクの選手名がいっぱい。23日には塚田選手が“5糸差”でトップに立ち、きのうはスタメンから外れて9回の守備だけ出ましたよ。2位は同僚の猪本選手なんですけどね。投手陣では、先発の笠原投手が勝って阪神の秋山投手、ソフトバンクの山田投手と並んで9勝目。その山田投手は勝率、防御率もトップです。最後に投げた嘉弥真投手は最多タイの11セーブがつきました。すごいですねえ。といっても阪神の選手が投打9部門を独占した2005年にはかなわないでしょう。って、毎年この時期になると自慢している気がします…。

試合後には5連覇を達成したソフトバンクに、ウエスタン・リーグからペナントと銀の皿(シャーレ?)が授与されました。皿は3年前くらいにできた新しいものだとか。それ以前はトロフィーだったんですかね。もう6年も遠ざかっているので…忘れました。ピカピカで指紋1つついていないシャーレ、その拡大写真を掛布監督に見せると「いいねえ。獲りにいこうか?来年」とつぶやいてニヤリ。楽しみにしています!

《ウエスタン公式戦》9月24日

ソフトバンク-阪神 29回戦 (筑後)

阪神 100 010 200 = 4

ソフ 003 002 20X = 7

◆バッテリー

【阪神】●守屋(6勝6敗)-岩田-島本-石崎 / 小豆畑-岡崎(8回裏)

【ソフ】○笠原(9勝4敗)(5回)-山田(1回)-岡本(1回)-バリオス(1回)-S嘉弥真(3勝3敗11S)(1回) / 斐紹

◆三塁打 上林、釜元

◆二塁打 横田、今成、上林、カニザレス

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]遊:植田  (3-0-0 / 0-2 / 2 / 0) .164

2]二:森越  (2-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .223

〃打:柴田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .269

〃二:坂   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .174

3]三:今成  (5-2-1 / 2-0 / 0 / 0) .305

4]中:横田  (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .265

5]一:新井  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .296

6]右:伊藤隼 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .269

7]指:鶴岡  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .286

8]捕:小豆畑 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .209

〃打:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .237

〃捕:岡崎  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .138

9]左:緒方  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .285

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

守屋 5.0回 79球(6-2-2/ 5-5 /3.40) 144

岩田  1回 13球(1-1-0/ 0-0 /4.31) 139

島本  1回 14球(2-0-0/ 2-2 /5.67) 145

石崎  1回 11球(0-0-0/ 0-0 /5.73) 139

<試合経過>

先発の守屋投手。6回途中まで投げました。
先発の守屋投手。6回途中まで投げました。
3回、先頭で四球を選んだ植田選手。
3回、先頭で四球を選んだ植田選手。
5回にも先頭で四球を選んでいます。
5回にも先頭で四球を選んでいます。
8回に登板して三者凡退!石崎投手。
8回に登板して三者凡退!石崎投手。

まず1回、森越が四球を選び、今成の右前打で1死一、二塁となって横田が1ボールからの2球目を左前タイムリー!しかし守屋が3回、2四球などで2死一、二塁として金子圭の内野安打で1点、続く上林の2点タイムリー三塁打を浴びて3点。逆転されます。

そのあと3回、4回と得点圏に走者を置きながらあと1本出なかった阪神ですが、5回は植田が2打席連続の四球を選び、1死後に2つ目の盗塁成功。今成の三振で2死二塁となり、横田が今度は初球を打ってセンターへのタイムリー二塁打!センター釜元のエラーで三塁へ進むも、この回は1点どまりでした。

すると6回、守屋が先頭の上林に右中間二塁打、続くカニザレスにも左中間フェンス直撃の二塁打で1点を失い、ここで降板。代わった岩田は1死三塁として黒瀬に左前タイムリーを浴び、5対2。7回の打線は先頭の緒方がファーストのエラー、植田は二ゴロで併殺は免れ、1死後に今成のレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打!さらに横田の三ゴロで送球エラーがあり今成も生還。これで1点差です。

しかしその裏、島本が先頭の金子将に初球を左前打され、釜元にも初球を打たれて右翼線へのタイムリー二塁打、続く金子圭に中犠飛を許して2失点。8回は石崎が三者凡退に切って取ったものの、打線はその後を抑えられて逆転ならず。連敗となっています。

練習通りのバッティングを

試合後、掛布監督には横田選手の話を聞いています。8月31日のオリックス戦(鳴尾浜)以来のマルチヒットに「左ピッチャーにうまく対応できた。バッティング練習でやっていることをゲームでやる、打席での打ち方が練習と同じになるよう意識してやってる。できてくれば数字も上がって、つまり確実性も上がる。1軍の野球に近づいてくる」とのことでした。

「あすで公式戦は終わるけど、10月3日からはフェニックスで18試合あるでしょう?数字もそうだけど、形が伴う結果を出さないと。去年までと目標も違うとこに設定してくるだろう。やるべきことがわかっているから、数字も出してくると思う」。9月はヒットが少なかった点について「結果が出なくてもいいと言っていたんですよ。気にすると形が崩れるから。結果を気にせず、練習でやっていることを徹底するように」と説明。

フェニックス・リーグは「ずっと4番なので、このままのリズムでやらせる方がいいのかも」と言い「横田、植田、江越あたりは全試合出ると思いますよ」と掛布監督。そのあと2盗塁の植田選手に「海は野球に粘りが出てきた。ボールの見極めもいいしね。楽しみ!」と笑顔です。

横田&植田は、“らしい”活躍でした

5回にタイムリー二塁打!相手エラーで三塁へ進んだ横田選手。
5回にタイムリー二塁打!相手エラーで三塁へ進んだ横田選手。

横田選手は久しぶりのマルチヒットに「最後なので、使ってもらっているので結果を出さないと、って思っていた」と話しています。最初のタイムリー、いい打ち方でしたね。「はい!」。お、いい笑顔。「けっこう早めのカウントから仕掛けられたんで、よかったです」

フェニックスに向けて具体的な目標は?「まだないですけど、毎試合出すと言われたので、常に結果を考えてやっていきます」。数字はどうですか?例えば3割とか。「……これから考えます」。ゆっくり考えてください。

2四球で2盗塁の植田選手。これで通算12盗塁です。
2四球で2盗塁の植田選手。これで通算12盗塁です。

続いて植田選手。2つ走ったね。「まあまあです」。感触はよくなかった?「いや~、1つは走っちゃいけないとこだったので。でも出塁は2つできた。フォアボールを選べてよかったです」。1番での起用、フェニックスでもありそうですが。「常に先の塁、の気持ちでやっていきます」

もう1人、前日には4号ソロとレフトフェンス直撃の大きなタイムリー二塁打、この日もまた7回にレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打を放った今成選手は、試合後に「逆方向、しっかりね~!」と満面の笑みで自らコメントしていて、帰り際に「しっかりボールに入っていけていると思う。継続していきます」と追加の言葉も。絶好調ですね。

フォームの緩急に取り組んだ守屋

今度は投手陣です。まず先発の守屋投手に、立ち上がりは上々だったけど、3回は何が起きた?と聞いたら「…フォアボールが起きました」と苦笑い。すべての始まりは四球だったわけですね。

フォームでの緩急は、この日初めて試した守屋投手。
フォームでの緩急は、この日初めて試した守屋投手。

この日はマウンドで、今までと違う印象のフォームでした。うまく説明できませんが、足を下ろしたあとリリースまでのタイミングが早い時があったり、いつも通りだったりと、かなりフォーム的に緩急をつけていましたね。あれはコーチのアドバイスですか?「いえ、自分で考えて。この前、清水さんに食事に連れていってもらった時、山本さんがそれをやっているって聞いて。僕も社会人ではやっていたので、やってみようと。きょうが初めてです」

どうだった?「はまったところもありましたが、逆にボールが抜けてカウントを不利にしてしまった部分もあって。もったいないなかった」。抜けた?「カニザレスのとこ、カーブがすっぽ抜けてカウント3-1になってしまいました。あのカーブを決めていたら2-2で、こっち有利なカウントにできたので」。やっぱり難しい?「でも、できるようにはなれば、バッターが迷う要素の一つだから、自分にとっては大きいですね」

前回、連打での失点を気にしていた守屋投手。「最後(6回)はツーベース、ツーベースになったのが…。そういう打順の巡りで先頭に直打、4番に直打されてしまった。一番やってはいけないことですね。あそこイニングを投げきって交代したかったのに、ノーアウトで。悔しいです」

これが公式戦は今季最後。「そうですね。勝ちたかったですね」

今季ファームは6勝6敗で終えた守屋投手。
今季ファームは6勝6敗で終えた守屋投手。

フェニックスや秋季キャンプでは何を?「フォーム。きょうは初回は力みがなくて、いいボールを投げられた。それが自分のいいフォームです。でも回が進むと、もとの自分に戻ってガチガチ。まだ染み込んでないので、キャンプなどでの課題にしたいです。きょうはセットポジションで全部ガチガチでした。楽に投げられたら体が楽だし、球数も投げられる。力みのない方が、腕もしなるので」

石崎、島本のコメントを少し

次に石崎投手です。久々の公式戦でしたが、コントロールはよかったですね。「そう見えましたか?ブルペンの中とか、前に比べたら安定してるように見えますが、実際にバッターが立つと、きょう1人目で引っかけたりして、そのへんがまだまだダメだと思います」

フォームは何か変化?「タイミングの取り方、構えた時、ちょっとだけ手を、グラブの位置を上げたり。前は下げたままだったので。それくらいですか」。次はフェニックス?「そうですね。来年いい形で入れるようにいかないと」

最後は、故障明けで2試合目の登板だった島本投手。いきなり初球を打たれ、次も初球を打たれてタイムリー三塁打。聞きにくかったけど、聞いてみました。原因は?「やっぱり初球の入り、ですね。ボールからとかで入ればよかったかも」。次の課題に?「はい。頑張ります」。以上です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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