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ロッドマンが正恩氏に会えなかった理由

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

訪朝中の元NBAプレイヤーのデニス・ロッドマン氏はクリスマスイブの昨日、平壌を立ち、帰国の途についた。

本人の話では、今回は金正恩第一書記とは会えなかったそうだ。「二度あることは三度」とはいかなかったようだ。というよりも、むしろ、ロッドマン氏の大ファンである金正恩氏が会いたいのに会えなかったと言ったほうが正解かもしれない。

当然だろう。叔父である張成沢氏の処刑理由の一つが「張成沢は資本主義の生活様式に染まって浮華堕落した生活をしていた」と人民に告発したようにその資本主義かぶれと金満生活ぶりにあった。

ロッドマン氏は前回(9月)の訪朝では金第一書記の別荘に招待されていたが、帰国後イギリスの日刊紙とのインタビューで金ファミリーの生活ぶりを次のように暴露していた。

「7日間の日程のほとんどを金正恩の島で飲酒パーティーとジェットスキー、乗馬などを楽しんで過ごした。テキーラでも何でも、何かを注文すれば必ず最高級のものが出てきたね。連れて行ってもらった島は全てが彼ひとりのものだっていうからハンパじゃない。ハワイやスペインのイビサ島以上にすごかった、長さ60メートルの大型ヨットと数十台のジェットスキー、馬小屋にいっぱいの馬など足りないものはなかった。すべての施設は7つ星級であり、世界最高の富豪も金正恩の生活を見れば驚くだろう」

金正恩氏の私生活、プライバシーは北朝鮮にとっては最高機密に属する。それをロッドマン氏はいとも簡単に明かしてしまったのだ。

時期が時期だけにとてもではないが、ロッドマン氏を前回同様に「おもてなし」するわけにはいかなかったのだろう。

ましてや、世界を震撼させた叔父の処刑(12日)からまだ二週間も経ってない。テキーラのグラスを片手に、葉巻をくわえ、どんちゃん騒ぎはできないだろう。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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