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ネット選挙は2013年の横浜市長選挙に影響を及ぼすか?

西田亮介社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

今日は参院選の投票日。もうすぐ振り返りを行わなければならないけど、ネット選挙解禁の影響は顕著に見出すことは難しそうではある。とはいえ、日本の世代別人口の配置等を考えれば仕方のないことなのかもしれない。

ネット選挙が大きな影響をもたらす可能性があるとしたら、それは国政ではなく1.) インターネットの普及率が高く、2.) 若年世代が集中している、3.)マスメディアでも話題になる都市部、だと思うのだが、実は近々そんな選挙がある。

それが今夏の8月11日告示、8月25日投開票の横浜市長選挙だ。

「横浜市長選挙の選挙期日について」

http://www.city.yokohama.lg.jp/senkyo/jimu/kisya/sichosen-kijitu.html

横浜市はいわずとしれた、政令指定都市で、人口約400万人、そして、神奈川県全体でネットの人口普及率は平成24年の統計で約87%(総務省『平成24年通信利用動向調査』)。神奈川県でも山間部などがあるから、横浜市だけに限ればもっと高い普及率なのではないだろうか。

また横浜市の平成24年時点の高齢化率(65歳以上人口の割合)は約20.8%(http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kourei/kyoutuu/syoukai/kubetujinko.pdf)。日本全体の2013年の高齢化率が25.1 %だから、相対的に若年世代が多いといっていいはず(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112120.html)。

さらにいうまでもなく、横浜市は首都圏に位置する巨大政令指定都市なわけだから、なにかとメディアの話題にもなりやすい。こういった社会的条件を踏まえると、国政よりも今夏の横浜市長選挙において、ネット選挙を駆使する陣営が現れれば、良いほうか悪いほうかはさておくとしても実効的な影響力を持ちうるのではないか。

社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

博士(政策・メディア)。専門は社会学。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励Ⅱ)、独立行政法人中小企業基盤整備機構経営支援情報センターリサーチャー、立命館大学大学院特別招聘准教授、東京工業大学准教授等を経て2024年日本大学に着任。『メディアと自民党』『情報武装する政治』『コロナ危機の社会学』『ネット選挙』『無業社会』(工藤啓氏と共著)など著書多数。省庁、地方自治体、業界団体等で広報関係の有識者会議等を構成。偽情報対策や放送政策も詳しい。10年以上各種コメンテーターを務める。

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