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新型CBR250RRに初試乗!剛性感ある車体にレーシーなエンジン、予想を上回る仕上がりです!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA CBR250RR

今年前半の最大の目玉になりそうなニューモデル、CBR250RRに試乗する機会を得ることができました!

といっても、間もなく投入されるはずの国内向けモデルではなく、製造国であるインドネシア仕様です。

公道レベルでの短時間の試乗でしたが、そのアウトラインは体感できたので報告したいと思います。

▲短時間の試乗機会を得たインドネシア仕様の「CBR250RR」
▲短時間の試乗機会を得たインドネシア仕様の「CBR250RR」

インドネシアはロードレースの人気が沸騰しているお国柄、ということもあってか、まず見た目のカラーリングからして派手です。きっとレーサーレプリカのイメージなんでしょうね。

見た目の造形はエッジが効いていて風を切り裂くようなイメージ。フロントカウルにボリューム感があって250ccクラスとしては大柄な印象です。

跨ってみると、戦闘的なフォルムそのままにハンドルは低めで絞りも深く、シートもやや高め。R25やニンジャ250などのライバルに比べても前傾度はきつめです。

ただ、大型スーパースポーツなどに比べるとだいぶ楽で、街乗りも普通にこなせるレベルと思いました。

14,000rpmまで一気に吹けるレーシーなエンジン

▲写真は国内展示車
▲写真は国内展示車

さて、注目のエンジンですが、まず排気音はけっこう大きめでワイルドです。軽く右手をブリッピングしてみると、タコメーターの針が元気よく跳ね上がります。レスポンスはかなり鋭いです。

走り出しはスムーズでクラッチのつながりも良く、極低速でもバラつくことなく緻密な回転フィール。鼓動感もけっこう骨太で、スロットルを開けていくとひと際甲高いレーシーなサウンドとともに、一気に14,000rpmのレブリミットまで吹け上がります。

輪郭のはっきりした「パリッ」とした爆発フィールや、カムに乗せて一気に回るエンジンの上昇感など、いかにもチューニングされた「高性能エンジン」という感じがひしひしと伝わってくるようです。

特にトルクの盛り上がりなどは感じないのですが、特筆すべきは高回転までの伸び切り感でしょう。カタログ値38psオーバーは伊達ではなさそうです。

また、シフトタッチにも節度があり6速ミッションもクロス気味。ひと口に言えばレーシーです。

エンジンに勝るシャーシで剛性感たっぷりの走り

ハンドリングですが、どちらかというと安定志向に感じました。軽快なのはもちろんなのですが、ヒラッという感じではなくしっとりカッチリしています。おそらく車体剛性が高いのでしょう。

ふと見ると、フレームもサイドビームが2段構造になっているし、フロントフォークも倒立タイプなど他の250クラスにはないグレードが与えられています。

いわゆる、「車体がエンジンに勝っている」そんな感じです。つまり、さらなるチューニングにも耐えらせれる基本骨格を持っているということでしょう。

サスペンションもダンパーが効いていて、乗り心地にもグレード感があります。特にフロントまわりの剛性感が高い印象で、相当な突っ込みにも耐えられそうな感じです。

ちなみに、この仕様にはABSは装備されていませんでした。

誰にでも分かりやすい走行モードの違い

最後に3種類のライディングモードも試してみましたが、「コンフォート」は穏やか、「スポーツ」はメリハリ、「スポーツ+」はよりアグレッシブ、といった出力特性の違いが明確で、きっと誰でも分かるレベルでモードを楽しめると思いました。操作も簡単で、走行中に左手のボタンひとつで切り換えられます。

今回はあくまでも公道レベルでの試乗であって、限界性能を引き出して走ったわけではないので迂闊なことは言えませんが、間違いなくサーキットでも速いと思います。

今春にも国内投入が予定されているということで、大いに楽しみですね。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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