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排気量アップで余裕の走りを実現!新型NMAX155の魅力とは

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
YAMAHA NMAX155

ヤマハの「NMAX155」が国内投入されることになった。

“走りの楽しさ”と”燃費・環境性能”を両立させる155cc”BLUE CORE”エンジンを搭載。所有感を感じるスタイリングや、手軽な車体サイズながらリラックスしたライポジで好評の「NMAX125」の良さはそのままに、高速道路も走行可能な155ccエンジンを搭載し、ゆとりある走行性能を実現しているのが特徴だ。

NMAX155
NMAX155

「NMAX155」は「NMAX125」同様、グローバルモデルとして先にインドネシアで導入されていたが、今回、国内向けモデルとして取り扱いを開始することになった。製造はヤマハの現地グループ会社であるPT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing (YIMM)が行う。発売開始は4月25日となっている。

最高出力を25%向上した155cc BLUE COREエンジン

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以上が、ヤマハからのリリースの要約だが、やはりトピックは排気量を拡大した、水冷4ストロークSOHC4バルブ155cc版のブルーコアエンジンを搭載していることだろう。つまり簡単に言うと、NMAX155は同125の車体に155ccのエンジンを搭載したスケールアップ版という位置付けだ。

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スペック表を見ると、エンジンのボア×ストロークは58.0mm×58.7mm(125は52.0mm×58.7mm)となっていて、30cc分の排気量の上乗せはシリンダーとピストンの径を大きくしたボアアップによるものだと分かる。排気量拡大の手法においてボアアップは一般的な方法で、エンジンをほぼ作り変えなくてはならないストロークアップに比べると比較的簡単に開発ができる。とはいえ、最高出力も15馬力(11Kw)/8,000回転ということで、125の12馬力(9.0kW)/7,500回転に比べると25%向上していて、排気量を拡大した分の効率アップをきっちり達成。

最大トルクも1.4kgf・m(14N・m)/6,000回転と向上し、同じく125の1.2kgf・m(12N・m)/7,250回転に対してより低回転から力強いトルクを発生していることが分かる。

ハイグレードな装備と最新のスタイリング

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特徴としては、高効率燃焼に貢献する可変バルブシステムVVAの採用や、コンパクトな車体ながらもゆとりある乗車ポジション、MAXシリーズを象徴するブーメランモチーフや、精悍な二眼ヘッドライト、躍動感のあるスポーティなスタイリング、ホイールロックを抑止するABSの標準装備などが挙げられる。

これ以外にも、軽快さと安定感を併せ持つ前後13インチのワイドタイヤや、確実な制動力を発揮する、前後φ230mm大径ディスクブレーキ、フルフェイスヘルメット1個を丸ごと収納可能な容量約24リットルのシート下トランク、LEDヘッド&テールランプなども含めてNMAX125と共通のハイグレードな装備となっている。

高速道路で一気に距離を伸ばせる機動力が魅力

そして、「NMAX155」の最大のメリットは、なんといっても高速道路に乗れることだろう。

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同じエンジンを搭載するトリシティ155でも感じたが、125よりひと回り以上太くなったトルクによる加速性能や、上乗せされた余裕のパワーを生かした高速クルーズ性能は、やはり高速域では大きなアドバンテージとなってライダーをサポートしてくれるはず。その気になれば、二人乗りで一気に距離を伸ばすロングツーリングにも出かけられるわけだ。

原2ではないため、乗るためには普通二輪免許が必要となり、車両本体価格で125と比べると3万5000円アップの37万8000円(消費税込み)となるが、それを差し引いても155のメリットがもたらす魅力は大きいだろう。ワンランク上のスクーターライフの楽しみが広がるのだから。

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※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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