マレーシア、シンガポール:Xiaomi(小米)のスマートフォンは Uber が配達
中国のスマートフォンメーカーXiaomi(小米)はマレーシアとシンガポールにおいて、購入したユーザーにはUberのドライバーが配達をしてくれる提携を行った。
利用者はUberアプリでXiaomi(小米)のスマートフォンを購入が可能で、Uberのドライバーがお届けするとのこと。Uberのアカウントでクレジットカードでの支払が可能。Xiaomi(小米)の新機種スマートフォン「Mi Note」が宅配の対象商品となる。Uberアプリでオレンジ色のコードが表示されている車にはXiaomi(小米)のスマートフォンが搭載されているので、ユーザーの近くの車がすぐに端末を配達してくれるのが特徴である。
中国メーカーXiaomi(小米)は中国ではiPhoneに次いで人気のブランドだが、中国のスマートフォン市場はすでに成熟しており、さらに中国ではiPhoneが圧倒的な人気を誇っている。そのためXiaomi(小米)は東南アジアやブラジル、インドなど海外市場に進出を図っているものの、地元の中国市場のような勢いは感じられない。というのも新興国では地場のメーカーが台頭していることや、他の中国メーカーがすでに進出しており、中国でこそ存在感のあるXiaomi(小米)も進出した国外市場では新規参入者のチャレンジャーである。
■競争激しいマレーシアとシンガポールのスマートフォン市場
今回Uberと提携してマレーシアとシンガポール市場において、スマートフォンを購入してくれたユーザーへの宅配を行う。
マレーシアではクアラルンプールでは若者を中心にほとんど全員がスマートフォンを利用している非常に競争が激しい市場である。特に中国のスマートフォンメーカーOPPOの勢いが凄く、町のあちこちで広告や宣伝を行っており、ブランド力もある。中国市場ではXiaomi(小米)の壁を越えられないOPPOは早い時期からマレーシアやタイ、インドネシアなどの東南アジア市場で積極的なマーケティング活動を行ってきた。
またシンガポールでは圧倒的にiPhoneの人気が高く、スマートフォンもほぼ全員に普及している。Uberで宅配してくれたとしても、新たにXiaomi(小米)のスマートフォンを購入しようという人はそれほど多くはないだろう。
そして多くの人がスマートフォンを購入するときはネットでの購入よりも、量販店や町の店舗で、実物を見ながら自分の欲しい端末をじっくり選んで購入することが多い。今回の配達の対象になっている「Mi Note」は約400ドルのハイエンド端末であることから、ユーザー購入前にはしっかりと確認したいだろう。
Uberは世界規模で展開している配車アプリであり、そのロジスティックとネットワークを活用して、東南アジアではいろいろな商品の配達も行っている。Uberとしては、その配達する商品にスマートフォンが加わっただけだ。
Xiaomi(小米)はマレーシアとシンガポールにおいてUberとの提携によるユーザーへのスマートフォンの宅配サービスだけではこの2か国の市場で、それほど多くのシェアの獲得は期待できないだろう。Xiaomi(小米)が存在感を出すためには、次の一手が期待される。
▼マレーシアで積極的に販売活動をする中国のスマートフォンメーカーOPPOは、クアラルンプールのデパートでは吹抜け全面にOPPOの宣伝をしている。
▼クアラルンプールのスマートフォン、携帯電話販売店。中古品も人気がある。