ドイツへの難民増加でGoogle翻訳「ドイツ語-アラビア語」利用者急増と精度向上に向けた取組み
Google翻訳での「ドイツ語-アラビア語」の利用者が急増していることをGoogleは明らかにした。シリアやイラクを中心としたアラビア語を母語とする難民が多数ドイツに移民や難民で来ていることが背景で、今までの5倍以上も「ドイツ語-アラビア語」の利用者が増加している。
2015年だけで、80万人~100万人以上がドイツへ移民・難民として入って来ることが予定されている。今後も「ドイツ語-アラビア語」の翻訳の需要はまだありそうだ。Googleドイツは「まず難民と支援団体関係者のコミュニケーションが重要な課題」であるとコメントしている。
■翻訳の精度改善に向けて
Google翻訳は機械が翻訳しているので、限界がある。フランス語やドイツ語から英語など利用者が多く類似している言語では、翻訳の精度も高くなっている。利用者が増えれば増えるほど、言語や情報、表現が蓄積され、翻訳の精度が向上する。しかし利用者が少ない言語や類似性のない言語の翻訳の精度は決して高くない。Google翻訳を利用して「難解な日本語」や「意味不明の表現」に翻訳されてストレスを感じたことがある人は多いだろう。
Googleでは、「ドイツ語-アラビア語」で正しい翻訳ができるようにGoogle翻訳の改善に向けて、専用サイトを作成して、協力を呼びかけている。
現在ドイツにいる移民や難民は、ドイツ語はできなくとも多くの人がスマートフォンや携帯電話を持っており、その場で理解できないドイツ語を打ち込んで翻訳をしたり、自分の伝えたい言葉や表現を打ち込んでドイツ語に訳している。また既に中東から来てドイツに何年も住んでいる移民の先輩も多いので、彼らが翻訳や通訳の支援を行うこともある。それでも限界があるだろう。アラビア語を母語とする人も、これからドイツ語を学習していくだろうが、当面はGoogle翻訳に依拠しなくてはならない。
中東からの移民の先輩らが営業しているアラビア文字で書かれた表示のスーパーやレストランもドイツの大都市では多く存在している。そこでは中東の商品や食品なども多く扱っている。ドイツで仕事をするには、ドイツ語ができないと職にはつけないだろうが、大都市での生活だけならアラビア語しか出来なくと、なんとかなるのかもしれない。実際に中東出身の人がたくさんいて、ドイツ語以外の言語でコミュニケーションをしている姿はよく見かける。