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「歩きスマホ」を注意されて30歳会社員が72歳男性を殴り逮捕:みんな迷惑「歩きスマホ」はトラブルの元

佐藤仁学術研究員・著述家
(Natsuki Sakai)

「歩きスマホ」が日常の風景になっているが、駅や道路での「歩きスマホ」は危険であり、トラブルが多発している。2016年3月31日には飲酒後に「歩きスマホ」をしていたことを注意されて、腹を立てて72歳の男性を殴った30歳の会社員が逮捕された。多数報じられているが、以下にも引用しておく。

歩きスマホ注意され72歳男性殴る、容疑の30歳会社員を逮捕

歩きながらスマートフォンを操作しているのを注意されたことに腹を立て高齢の男性を殴ってけがをさせたとして、会社員の男が警視庁に逮捕されました。男性は重体です。

逮捕されたのは、東京・府中市の会社員・坂次将旭容疑者(30)です。坂次容疑者は、31日午前0時過ぎ、東京・台東区の歩道で72歳の男性に歩きながらスマートフォンを操作しているのを注意されたことに腹を立て、顔を殴って転倒させけがをさせた疑いが持たれています。男性は外傷性くも膜下出血などで重体です。

取り調べに対し坂次容疑者は、「酒を飲んだ帰りに男性に声をかけられ、殴られそうになったので顔を一発殴ったことに間違いありません」と容疑を認めているということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。

出典:TBS

「歩きスマホ」は自己中心的思考に

「歩きスマホ」をしている時は、自己中心的な思考に陥っている。「歩きスマホ」は「自分だけは大丈夫」と思い込んで、自分はスマホを見ているから、自分から相手を避けようとしないで「相手がどけ」という自己中心思考になっている。さらに神経はスマホの画面の先にあるLINEやらゲーム、SNSに夢中になっているから、視界は通常よりも狭くなっており、周囲が見えていない。特に飲酒し、酔っぱらって気持ちよくなっている時は、周囲の声も聞こえてこなくなり、さらに自己中心思考に輪がかかるのだ。

みんなが迷惑「歩きスマホ」はトラブルの元

さらに「歩きスマホ」はしていない人からすると、邪魔だし危なくてしょうがない。「歩きスマホ」をしてタラタラ歩いたり、ぶつかりそうになる人が多く、「歩きスマホ」をしていない人にとっては「歩きスマホ」は本当にイライラさせられる。注意もしたくなるだろう。

駅では「歩きスマホ」をしていて電車の乗降に時間かかる人や階段で歩いているときに「歩きスマホ」でゆっくり歩いて後ろの人に迷惑をかけている人、目の前の人の存在に気が付かないで、ぶつかりそうになる人など、「歩きスマホ」に迷惑してイライラしている人はとても多い。しかし実際に「歩きスマホ」をしている人は自分がそのように周囲に迷惑をかけているとは思っていない。「自分だけは大丈夫で、自分はスマホの中のSNSやゲームに忙しい」という思考になっている。だから、突然注意されるとカッとなってしまい、トラブルに発展する。

「歩きスマホ」はしている人、していない人の両者のイライラが衝突して、トラブルや今回のような暴力沙汰に発展することはよくある。特にお酒を飲んだら「スマホは見ない、触らない」と決めておくとよい。飲酒していなくとも「歩きスマホ」は危険である。自分が事故に遭うだけでなく、相手に怪我をさせてしまい加害者になってしまうこともある。「歩きスマホ」で人生を台無しにする必要はない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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