米国スプリント「運転スマホ禁止の彫刻」を自動車で制作、「運転スマホ」が違法でないマイアミで展示
アメリカの通信事業者でソフトバンク傘下のスプリントは、広告代理店Almaと一緒に、自動車運転中のスマホ利用による事故防止に向けた彫刻を自動車で作成して、フロリダ州マイアミに設置した。
「運転スマホ」で1日8人が死亡するアメリカ
アメリカの多くの州では自動車運転中のスマホや携帯電話の利用は禁止されているが、それでもアメリカでは「運転スマホ」が原因による事故で1日8人が死亡しており、1,161人が負傷しているそうだ。スプリントだけでなくAT&TやVerizonといった通信事業者や道路管理の当局なども「運転スマホ」の危険性と禁止を訴えているが、それでもまだ自動車の運転中にスマホを操作しての事故による死亡事故が後を絶たない。
そこでスプリントは広告代理店Almaと一緒に、黄色の自動車で彫刻「The Last Emoji」(最後の絵文字)を作った。自動車とその部品で制作した彫刻がまるで絵文字のように見える。「この彫刻はジョークで作ったのではない、本気である(The Last Emoji' is no joke)」と「運転スマホ禁止」を訴えた。
「運転スマホ」が法律で禁止されていないフロリダ州に設置
そして、この彫刻「The Last Emoji」(最後の絵文字)は自動車運転中のスマホ、携帯電話の利用が法律で禁止されていないフロリダ州のマイアミに2016年4月29日に設置された。「DN'T TXT & DRIVE」(運転中のスマホ禁止)と書かれている。
「運転スマホ」が禁止されていないフロリダ州では、2015年の1年間で運転中のスマホ操作が原因で45,000件以上の衝突事故が発生し、その結果年間で200人以上が死亡、39,000人以上が負傷している。つまりアメリカ全体では1日に8人以上が「運転スマホ」が原因で死亡しているが、フロリダ州では2日に1人以上の割合で死亡していることになる。
「わかっちゃいるけど、やめられない」
アメリカでもスマホは一般的に普及しており、誰もが所有している。運転中のスマホ操作による危険は「歩きスマホ」の比ではない。自動車運転中のスマホの利用が危険で、その結果どのような事態を招くのかは、誰もが想像できるだろうが、それでもスマホが気になってしまうのだ。まさに「わかっちゃいるけど、やめられない」ので、「運転スマホ」による事故も続いている。 特に若者の「運転スマホ」による死亡事故が多く、よくアメリカではニュースでも報じられており、社会問題になっている。
▼「The Last Emoji」(最後の絵文字)の彫刻制作の映像