インド:世界最安値「150円スマホ」登場、2016年に設立された地場メーカーNamotelから
2016年5月にインドの地場メーカーNamotel Acche Dinから、99ルピー(約150円)のスマートフォンが販売される。インドでは2016年2月に地場メーカーRinging Bellsから500ルピー(約800円)のスマホ「Freedom 251」が登場し、ついに1000円以下のスマホが登場したことで国内外で話題になっていたが、今回の99 ルピー(99円)はさらに安い。
「コーラよりも安いスマホ」
今回の「99ルピースマホ」は、インドのバンガロールに本拠地を置き2016年に設立されたばかりのNamotel Acche Dinから登場した。同社はバンガロール以外にもチェンナイ、デリー、ムンバイ、ハイデラバードにも支店を持っている。
「99ルピースマホ」は、3G対応で2Mピクセルのカメラも搭載したAndroidのスマホである。2016年5月17日から25日まで同社のサイトで予約を行っている。購入はインド在住のインド人のみが可能である。サイトでは2999ルピーを消して99ルピーに書き換えて販売している。「99ルピースマホ」の出荷台数は明らかにされていないが、予約締切前の5月20日時点でもう予約は行っていない。
なお「99ルピースマホ」の配達料は199ルピー(300円)で、スマホ2台分で配達料の方が高い。インドの地元ニュースでも「コーラよりも安いスマホ」と話題になっている。安すぎて心配する人もいるだろうが、Namotel Acche Dinは1年間は保証期間であるとしている。
モディ首相主導の「Make in India」
インドでは「Maki in India」のスローガンで、モディ首相のイニシアティブの元、インドでの端末製造やアプリ開発などを積極的に推進している。これはスマホや情報通信技術分野だけでなく、あらゆる産業でインドの技術力向上を目指そうとした取組みである。
続々登場する地場メーカーと価格競争と激化する価格競争
地場メーカーの多くがインドに工場も設置しており、インド人の雇用創出にも貢献している。インドで生産した端末をインドで販売するので、輸入コストもかからないので、良い端末が手頃な価格で入手しやすい。スマホ1台99ルピー(150円)でビジネスが成立するのかどうか不明だが、現在のインドではスマホはとにかく価格競争になっている。もはやスマホに機能面では大きな差別化がなくなってきており、価格だけが差別化要素になってきている。そのため「99ルピースマホ」を出したNamotel Acche Dinのような新興メーカーは話題作りもかねて、価格で勝負していくしかない。たとえ「99ルピースマホ」で収益が上がらなくとも「世界最安値」と報じられることによって、話題作りは成功したといえる。このようなキャンペーンによる知名度向上が、次の製品販売に繋がればいいのだろう。
「Maki in India」で多くの地場メーカーが登場してきたが、これからのインドでのメーカー間の競争は資本力がどれだけあるかの体力勝負になってくるため、資本力のないメーカーは淘汰されていくだろう。