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インドネシア政府:公務員、警察、軍人は仕事中の「ポケモンGO」禁止

佐藤仁学術研究員・著述家

日本でもリリースされ、そろそろ飽きてきてしまった人もいるだろうが、世界規模で見ると、まだ「ポケモンGO」の人気は続いている。

インドネシア政府、公務員らに「仕事中はゲーム禁止」

インドネシアでの「ポケモンGO」禁止の張り紙(Jakarta Globe)
インドネシアでの「ポケモンGO」禁止の張り紙(Jakarta Globe)

インドネシア政府は2016年7月20日に、公務員、警察、軍人は『職務中に「ポケモンGO」をやらないように』との通達を出した。特にインドネシア軍は安全保障上の理由からGPSで位置情報をONにしたゲームによる位置情報を特定されるなどのリスクが懸念されているためだ。

しかも、まだインドネシアでは正式に「ポケモンGO」はリリースされていないにも関わらず、多くの人が「ポケモンGO」を楽しんでいる。

国防大臣のRyamizard Ryacudu氏は「スパイはどこからやってくるかわからない。ポケモンがかわいいからと言って夢中になっているのは危険だ」とコメントしている。またインドネシア警察の広報担当Boy Rafli Amar氏は「警官は仕事中にゲームに夢中になっていないで、職務に専念すべきだ」と強調した。

東南アジアでよく見かける「仕事中のスマホ」

「仕事中にゲームをするな」という通達を公務員や警官に対して政府が出すのは、日本では考えられないようなことだが、結構東南アジア諸国ではオフィスの中だけでなく、警官や銀行の窓口や空港などの職員でもスマホをいじりながら仕事をしている人をよく見かける。レストランの店員はスマホを見ていない店員の方が少ないくらいだ。しかも特に悪気もなさそうにスマホを見ている。「ポケモンGO」が登場したら、ますますスマホから目が離せなくなってしまう人が多くなるだろう。

「ポケモンGO」の過熱ぶりは日本だけでなく、まだリリースされていない国でも既に人気がある。「ポケモンGO」がリリースされてから、日本人も仕事中もスマホから目が離せなくなってしまった人が多いかもしれないが、インドネシアだけでなく、これからも多くの国で、政府や企業が「仕事中のゲーム禁止」の通達を出してくるのではないだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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