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「Ponta」インドネシアで会員数1,000万突破:提携店舗 13,135店、最大のポイントカードに

佐藤仁学術研究員・著述家
プルタミナ・ガソリンスタンドでもPontaカード利用が可能に

ロイヤリティ マーケティング(LM)の運営する共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」は、 インドネシアにおけるPonta会員数が1,000万人を突破したと発表した。日本ではローソンなどで利用できて、7,745万人の利用者がいる、お馴染みの「Ponta」カードである。日本以外で「Ponta」が展開されているのは、インドネシア、台湾である。

インドネシア最大のポイントカード、13,135店舗で利用可能に

日本では2010年3月から展開している「Ponta」だが、インドネシアでは2015年2月から、LMの現地事業パートナーである共通ポイント事業会社PT. Global Loyalty Indonesiaを通じて本格的にサービスを提供してきた。そして2016年7月11日に会員数1,000万人を突破した。2015年末には700万人を突破したので、約半年で300万人も加入者が増加した。

現在、インドネシアでの提携店舗はミニマートやレストラン、 デンタルクリニックやシャトルバスなど10社15ブランド、13,135店舗でポイントサービスが利用可能だ。日本と同じようにPonta提携店でためて、買い物時に使うことができることから人気が出てきて、インドネシア全域をカバーする最大の共通ポイントサービスに成長した。

インドネシア人の日常生活の中に溶け込んだPontaカード

日本の「Ponta」と同じようにインドネシアでもカードを提示することによって、コンビニやレストランでポイントが付与される。またインドネシア独自の取組みとして、Pontaカードを提示するだけで、映画館や遊技場などの施設で優待や割引が受けられる「キャンペーンパートナー」が22施設まで拡大している。

インドネシア人がよく利用するコンビニでも利用が可能
インドネシア人がよく利用するコンビニでも利用が可能

また日本と同様にインドネシアでもPontaカードでポイントがたまるとプレゼントをもらうことができる。プレゼントは日本とはスキームが異なり、サイトで申し込みをして店頭で受け取るものが主流で、インドネシアのPonta提携社が、自社で取り扱う商品を通常の価格より安く、ためたPontaポイントで手に入れることができる。またポイントで入手できる商品は、主婦に人気のクッキングオイルや洗剤、砂糖、携帯電話のプリペイドカードなどインドネシア人の生活必需品も多いため、ますますインドネシア人はポイントを貯めるためにPontaが利用できる店舗で買い物をしている。さらにポイントがスマホで確認できる「ポイント通帳機能」が利用できるアプリもあり、日々のたまったポイントを確認することができる。インドネシアでは多くの人がいつもスマホをチェックしているので、いつでもスマホでポイント確認ができるのは重要なことだ。

さらに2016年7月1日からは、 インドネシア最大の国営石油会社プルタミナの運営するガソリンスタンドでPontaポイントのたまるキャンペーンが開始した。インドネシアの移動手段として欠かせない自動車領域での取組みが始まるなど、インドネシア最大の共通ポイントサービスとして、インドネシアの生活により密着したサービスを目指している。

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インドネシア人の生活に欠かせないガソリンスタンドでも利用可能に
インドネシア人の生活に欠かせないガソリンスタンドでも利用可能に

「同じ買い物をするなら、ポイントがたまる店で」

インドネシア人は日本人と同じように、ポイントカードが大好きで、多くの店舗がポイントカードを発行しており、インドネシア人の財布の中はポイントカードやらクーポンでパンパンである。そのような中でも利用店舗数が13,000店以上のPontaは利便性も高く優位である。例えばインドネシアで有名な某そば屋のチェーン店でもポイントカードを発行しており、人気はあるがそのチェーン店でしかポイントはたまらないし、利用できない。それよりも利用可能な店舗が多く、貯めたポイントを様々な商品に交換できることがPontaカードの人気の秘密だ。「同じ買い物をするなら、ポイントがたまる店で」という感覚は日本もインドネシアも世界中どこでも同じなのだ。

なお日本のPontaカードをインドネシアで利用することはできない、またインドネシアのPontaカードを日本で利用することもできないので注意が必要だ。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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