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Google、スマホで個人の行動パターンやライフスタイルから「オーダーメードの服」を提案

佐藤仁学術研究員・著述家
(Google)

Googleは2017年2月6日、スマホから収集した個人のライフスタイルや行動パターンから、その個人にあった「オーダーメイドの服」を提案、制作するアプリ「Data Dress」を開発していることを明らかにした。洋服は日本でのお馴染みのH&M傘下のIvyrevelと協業して開発していく。

AndroidのSnapShot APIを活用している。このAPIでは天候、位置情報、歩数などの活動量をスマホから収集できる。それに応じて個人のライフスタイルを推測して、そのライフスタイルや行動パターンから導きだせる最適な洋服を提案していく。現在テストを行っているそうで2017年中のリリースを目指している。下記に紹介動画がある。

Ivyrevelではスマホで収集された個人情報を元に制作された服を「Coded Couture(プログラムで書かれた服)」と称しており、このアプリでデザインし制作された服は99ドル(約1万円)から購入が可能のようだ。動画では女性ファッションだけで、男性用の服があるのかは不明。

動画の中ではファッションブロガーの女性がランニングやレストランでの食事、クラブなど様々な日常生活シーンが紹介され、それらの情報がスマホにインプットされており、最適な服(ここではパーティドレス)がデザインされていくのがわかる。洋服は1週間でデザインされるようだ。

アプリからの個人の行動パターンに基づいてデザインされたパーティドレス。(Google)
アプリからの個人の行動パターンに基づいてデザインされたパーティドレス。(Google)

世界中のあらゆる情報を収集しているGoogleだが、従来は収集した情報を元にカスタマイズされた広告配信で収益を上げてきた。今度はアパレルメーカーとコラボして、収集した情報を元に個人ごとにカスタマイズされた洋服のデザインを提案し、その服を販売しようとしている。洋服もスマホから収集された個人の行動パターンやライフスタイル情報に基づいてオーダーメイドできる時代になってきた。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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