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イ・ボミ、キム・ハヌル、そしてパク・インビも!! 韓国女子ゴルフ最強の“1988世代”とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
2011年「ダイキンオーキッドレディス」で顔を揃えたイ・ボミとパク・インビ(写真:アフロスポーツ)

パク・インビが米国女子ツアーで通算25人目となる殿堂入りを果たした。しかも歴代最年少(27歳10カ月)のおまけつきで、アジア人としてはパク・セリに次ぐ2人目の快挙だ。

日本ではそれほど大きく取り上げられていないが、韓国では「パク・インビ“LPGA殿堂入り”最年少会員」(『京郷新聞』)、「パク・インビ、LPGA殿堂入り“生きた伝説”に」(MBCニュース)、「女帝を超えて伝説になったパク・インビ」(『江原日報』)などと各メディアが大々的に報じている。

パク・インビは6月9日の全米女子プロ第1ラウンドをホールアウトしたことで、優勝によるポイントや参戦年数などの資格を満たした。世界の女子ゴルフ界における韓国人選手の存在感を改めて示す形となった。

(参考記事:韓国女子ゴルフ史上最強最高の絶対王者パク・インビのスゴさとは!?

そんなパク・インビは、1988年生まれ。実は、韓国において“1988世代”は「女子ゴルフの最強世代」とも呼ばれている。その前後のチェ・ナヨン、アン・ソンジュを含めて“パク・セリキッズ”と呼ばれていることは、以前、本欄でも紹介したが昨今、“1988世代”の強さは際立っている。

今季初勝利キム・ハヌルが明かした勝負ジンクスとイ・ボミら“朴セリ・キッズ”の共通点 ヤフーニュース個人 2016/03/28

パク・インビ以外でまず真っ先に名前が挙がるのは、イ・ボミだ。今では日本女子ツアーの顔となった昨季の賞金女王は、1988年8月21日生まれ。また、同じく日本で活躍する“スマイル・クイーン”ことキム・ハヌルも1988年12月17日生まれと、1988世代にあてはまる。

日本を舞台に繰り広げられるイ・ボミとキム・ハヌルのライバル物語には、いつも注目が集まっているが、その理由の一つには同級生ということもあるだろう。

生まれた年が同じだからなのか、2人のゴルフのスタイルも似ているかもしれない。イ・ボミは平均ストローク、パーオン率、パーキープ率、リカバリー率がトップで、抜群の安定感が武器だ。対するキム・ハヌルも平均ストローク(2位)、パーキープ率(3位)、リカバリー率(2位)と安定感があり、イーグル数はツアー1位となっている。

とはいえ、ゴルフのスタイルには共通点が見られる2人だが、どうやらその素顔には少なくない違いがあるようだ。彼女たちに密着しているゴルフ記者によると、同じ1988年世代であっても性格も価値観も意外なほど異なるらしい。

(参考記事:現場密着のゴルフ記者が明かす!! イ・ボミ&キム・ハヌルの素顔

“1988世代”の韓国人ゴルファーは他にもいる。日本女子ツアーの賞金ランキング1位(6月5日時点)を走る申ジエだ。つまり、1988世代である申ジエ、イ・ボミ、キム・ハヌルの3人が、現在日本女子ツアー賞金ランキングのトップ3を形成して、し烈な賞金女王争いを繰り広げているということになる。1988世代、恐るべしといわざるを得ない。

今さら説明する必要もないだろうが、そんな申ジエは2010年5月に世界ランキングトップに立った世界的なプレイヤーである。2009年には米女子ツアーの賞金女王に輝き、まさに世界の女子ゴルフ界を牽引した存在だったが、2014年からは主戦場を日本に移した。その理由は、身体的な負担にあったというが、韓国女子ゴルファーたちにとって日本はかなり魅力的な国なのだとか。

(参考記事:韓国美女ゴルファーたちに聞いた!! 日本から離れなれないワケ

ちなみに、日本の1988世代には、菊地絵理香、一ノ瀬優希、若林舞衣子らがいる。女子ゴルフを楽しむ一つの目線として、何年生まれかに注目してみるのも一興かもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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