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日本とは似て異なる韓国プロ野球の“美しくて大胆な“美女たちの始球式事情

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=SPORTS KOREA)韓国でもアイドルたちの始球式は話題になる

プロ野球の始球式が何かと話題だ。雑誌やスポーツ新聞などで人気女優やタレントたちの始球式の模様や、歴代の“始球式名場面”特集を最近は良く見かけるような気がするが、韓国でもプロ野球の始球式は話題になる。とりわけ少女時代のユナやAOAのソリョンといった女性アイドルたちの始球式は日本同様にニュースになりやすい。

(参考記事:韓国野球“セクシー始球式”ベスト10を一挙紹介!!

そもそも韓国プロ野球では発足当時から始球式が“花形”だった。韓国プロ野球は「体育立国」をスローガンに掲げた当時のチョン・ドゥファン大統領の肝入りでスタートしたのは有名な話だが、そのチョン大統領がプロ野球開幕の始球式を務めた。

第1号は大統領、女王キム・ヨナも登板!!

以降、韓国プロ野球の始球式は政治家や財界人に任せることが定番だったが、1989年に当時の韓国ナンバーワン女優だったカン・スヨンが芸能人として初めて始球式に登板したことを機に、俳優、タレント、コメディアンなどが始球式に登場するようになった。人気アナウンサーでプロ野球ニュース番組を担当していたことから“野球女神”と呼ばれたチョン・イニョンなども始球式に登場したことがある。

今季は開幕戦で“フィギュア女王”キム・ヨナが始球式に登場して話題になった。キム・ヨナは見事なワインドアップ・モーションからの投球を披露。聞けばかなり練習したらしい。

(参考記事:プロ顔負けの投球フォーム!! “フィギュア女王”キム・ヨナの始球式17連発!!

ただ、キム・ヨナが練習に精を出したのも当然だったかもしれない。キム・ヨナはサムスン電子の広告モデルを長く務めており、その日はサムスンが満を持して完成させた新スタジアム『サムスン・ライオンズパーク』のこけら落としだった。スポンサーに報いるためにも万全を期したかったのだろう。

このようにスポンサー絡みで始球式に登板する有名人が多いのが韓国の特徴のひとつと言えるが、韓国の各球界関係者が始球式キャスティングで最も重視しているのは“話題性”と“時宜性”らしい。

今現在、最もホットな人物をキャスティングしようと芸能界やスポーツ界にあたってキャスティングするという。その際に重要になってくるのが、コネと人脈だ。

人脈とコネ、意外な縁での登板も

最近ではリオデジャネイロ五輪にも出場した新体操の“妖精ソン・ヨンジェがソウルに本拠地を置くLGツインズの始球式に登場しているが、ソン・ヨンジェのメインスポンサーがLG電子であったことで実現したのは明らかだった。

また、意外な縁がきっかけで始球式に登板することもある。“韓国ゴルフ界の超絶美女ゴルファー”とされるアン・シネはSNSにプライベートを積極的に公開することで有名だが、自身のSNSに斗山ベアーズのユニホームを着て野球観戦していた写真をアップしたことが斗山関係者の目に止まり、始球式のオファーをもらったという。

ゴルフ場とは異なる姿を披露したアン・シネの始球式は新鮮であったし、彼女自身も「斗山のファンたったので即答で快諾しました!!」という。

始球式に登場したタレントに出演料はあるのか

ちなみに韓国の芸能人や著名人たちは特に出演料などをもらうことなく始球式に登板するらしい。あったとしても交通費やメイク代などの実費くらいで、その額は100万ウォン(約10万円)前後というのが、韓国のスポーツ新聞記者の話だ。自身もメディア露出が増えるので芸能人やタレントたちも進んで登場するのだろう。先日もミス・コリア出身のモデルが始球式に登場して斬新な投球フォームを披露して、ちょっとした話題になった。

(参考記事:“ミス・コリア”受賞者が魅せた!! 球史に残る伝説的ハイキック始球式の一部始終

日本同様に韓国もペナントレースが佳境を迎え、10月になれば日本のプロ野球のクライマックス・シリーズ同様、“ポスト・シーズン”を迎えることになる。日韓はそこでもきっと話題の始球式が生まれるはずだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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