羽生結弦フィーバーで韓国ファンも大熱狂も…解決策が見えない平昌五輪3つの問題点

現地入りしている羽生結弦(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

開幕まで1年を切った平昌冬季五輪。2018年2月9日の開幕に向けて、韓国ではすでにチケット販売が始まり、平昌五輪の会場では続々と“テストマッチ”が繰り広げられている。

2月10日、五輪会場の江陵オーバルで行われたスピードスケートの世界距離別選手権の女子500メートルは、今季好調の小平奈緒が韓国のイ・サンファ(李相花)を抑えて優勝した。

また2月16日からは江陵アイスアリーナで四大陸フィギュアスケート選手権が行われている。日本からは男子シングルの羽生結弦や宇野昌磨、田中刑事が、女子シングルには樋口新葉、三原舞依、本郷理華が出場。平昌オリンピックを見据えての熱い戦いが始まっている。

ちなみに、韓国でも羽生結弦の人気は高い。韓国人ファンが作ったファンサイトがあり、別名「ウセンキョルヒョン」で検索するとさまざまな反応を見ることができる。羽生に比べると、宇野昌磨の評価は手厳しいようだが、日本人選手が注目されていることは間違いないだろう。

平昌五輪の雰囲気を盛り上げる動きも本格化してきた。韓国の国務委員は2月14日から全員が平昌五輪バッチを着用。文化体育観光部は「汎政府レベルで五輪ムードを作り、五輪支援のために省庁間の協力を強化するという意味」と説明している。

また、オリンピックを開催国の文化を世界中に紹介する機会として、各種公演なども催されている。2月15日からは平昌のとあるコンサートホールで「2017平昌冬音楽祭」が開催された。

いずれもオリンピックを盛り上げるためのものだが、といっても「招致成功時の熱狂的な雰囲気はどこへ?」というのが、率直な印象だ。当時の韓国は先進国の仲間入りをしたという高揚感に溢れており、大会の招致を支持する人が90%を超えていたが、いざ決まり、残り1年となった現在は心配の声のほうが多い気がする。

その一つの原因として挙げられるのは、メダルに対する不安でもあるのだろう。

韓国では、オリンピックでメダルが確実視される競技や種目は「(国に)孝行している」という意味を込めて“ヒョジャ(孝子)種目”と呼ぶが、冬季五輪で韓国の“孝子種目”となっているのはショートトラックスケートとスピードスケ-トくらいなのだ。

そのためか各種競技で平昌五輪のための“帰化政策”が行われ、カナダやアメリカ出身の選手たちを次々に韓国籍にして迎え入れている。

(参考記事:平昌五輪のために外国人の特別帰化を続々と許可せざるを得ない韓国の実情

スター選手の不足も懸念すべき問題と指摘されている。

元フィギュア女王で、平昌五輪の広報大使でもあるキム・ヨナが孤軍奮闘しているが、現役選手ではない。そんななか最近にわかに注目されているのがチャ・ジュンファンだ。

チャ・ジュンファンは、羽生結弦やキム・ヨナと同じブライアン・オーサーの指導を受ける男子フィギュアの選手。元子役という背景も相まって、平昌五輪のスター選手として期待されている。

(参考記事:平昌五輪に新星誕生!? 羽生結弦とも共通点のある“元子役スター”

とはいえ、実力的に多くを望むのは難しく、キム・ヨナのような存在にはなれそうにない。

日本の立場からすれば、政治的な問題も未解決のままだろう。

注目を集めた平昌五輪ホームページの「独島(竹島の韓国呼称)」表記問題は、未だにひとつも解決に向かっていない。むしろ日本の反応とは対照的に、韓国ではさほど問題視さえされていない状態でもある。

公式ホームページ上には平昌周辺の観光スポットが紹介されているのだが、以下のような説明文もある。

「天恵の自然を誇る東海岸を一度に見て回りたいなら、江陵港旅客ターミナルを利用してみてください。江陵港旅客ターミナルには、江陵港で出発し、鬱陵島を経て“独島”まで一望できるコースが用意されています」

その表現方法はともかく、韓国側が日本が強く望む“竹島”に修正する可能性は、今のところ皆無と言っていいだろう。

(参考記事:「独島」表記に抗議した日本を「対応する価値もない」と一蹴も…平昌五輪の“笑えない”実状

開幕まで1年を切り、今週は四大陸フィギュアスケート選手権という大きなテストマッチも行われる平昌五輪カウントダウン。オリンピックを無事に成功させるためにも、これから1年で問題点を解決する韓国のラストスパートに期待したいものだ。