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48歳のチャンピオン

林壮一ノンフィクションライター
メジャー団体ではないが、チャンピオンとなったジョーンズ(写真:ロイター/アフロ)

フロイド・メイウェザー・ジュニアやマニー・パッキャオ。その少し前なら、オスカー・デラホーヤ、フェリックス・トリニダードらが台頭するまで、Pound For Poundとは、彼の為にある称号だった。

ロイ・ジョーンズ・ジュニア

ミドル級だったジョーンズは、一度、不可解な失格負けを告げられながらも15年間連勝を重ね、最重量級のタイトルまで獲得する。強過ぎてモチベーションを保てない男でもあった。

ジョーンズはこの1月に48歳となった(因みに私と同い歳である)。2009年~11年には3連敗を喫し、ダメージが心配された。

そんな彼が2月17日に、8回TKO勝ちでWBFクルーザ級タイトルを獲得した。コアなボクシングファンでもWBFって何? と首を傾げる団体であろう。

無論、全盛期の動きとは比較出来る筈も無い。でも、楽しそうにファイトするロイ・ジョーンズ・ジュニアの姿を見て、いい歳のとり方をしているな、と思った。

好きなことをして生きられるなら、人間、それが一番なのだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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