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30日(金)は関東平野部でも積雪に注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

強い寒気が残っている所へ南岸低気圧

昨日(27日)の春のような陽気からは一転し、きょう(28日)は全国的に真冬の寒さへ逆戻りとなります。これは上空に久しぶりに強い寒気が流れ込んできたためで、けさは都心でもこの冬5日目の雪を観測しました。

上空の寒気はあすにかけて一旦ピークとなりますが、この強い寒気が残っている所へ今度は太平洋側にまとまった降水をもたらす南岸低気圧がやってきます。

30日(金)南岸低気圧が通過する予想
30日(金)南岸低気圧が通過する予想

この低気圧は30日金曜日に九州の南から関東の南へと発達しながら進んでくる予想です。この影響で29日木曜日の夜には西日本で雨の降り出す所が多く、山沿いほど雪となる可能性が高い予想です。関東で降水が始まるタイミングは30日(金)朝と予想されていますので、都心を含めた関東の雪や雨の予想を3時間ごとに詳しくみていきましょう。

30日(金)3時間ごとの天気分布予想(28日朝の予想)

30日(金)6時~9時の天気分布予想
30日(金)6時~9時の天気分布予想

午前6時~午前9時頃にかけて、ちょうど朝の通勤通学の時間帯に関東の平野部でも南部から雪が降り出す予想。強い寒気の影響で朝の気温は0℃前後まで下がっており、さらに空気も比較的乾燥しているため、都心でも雪で降り出す可能性が大きい。

甲信地方~西日本にかけても山沿いでは雪が主体だが、名古屋や大阪など、平野部ではみぞれや雨になる可能性の方が大きい予想。

30日(金)9時~12時の天気分布予想
30日(金)9時~12時の天気分布予想

9時~12時頃にかけては関東の北部まで雪が降り出す。都心部でもまだ雪の予想。降り出しから雪のため、関東の平野部でもうっすらと積もり始める所が出てきそう。名古屋、大阪など、東海以西の平野部では多くの所で雨に変わる予想。ただ、山沿いは引き続き、雪。

30日(金)12時~15時の天気分布予想
30日(金)12時~15時の天気分布予想

12時~15時になると、上空に少しずつ暖かな空気が入り込むことや地上の湿度が上昇するため、関東の平野部でも、相対的に暖かな東風が入る千葉や茨城を中心に雨やみぞれに変わる予想。ただ、関東の山沿いや甲信地方は引き続き雪で、計算上は5~10センチ程度積もっている可能性もある。

30日(金)15時~18時の天気分布予想
30日(金)15時~18時の天気分布予想

15時~18時は関東の平野部ではみぞれの範囲が再び少し広がる予想。これは低気圧が近付いて、降水強度がやや増してくるために、上空から冷たい空気が降りてくることや山沿いから冷たい北西の風が吹き出してくることなどによるものと考えられる。

30日(金)18時~21時の天気分布予想
30日(金)18時~21時の天気分布予想
30日(金)21時~24時の天気分布予想
30日(金)21時~24時の天気分布予想

18時~24時頃には、低気圧が関東の南を通過するため、降水はピークとなる。関東の平野部では千葉や茨城で雨の他はみぞれの計算となっているが、いまのところ、雨が主体となる可能性の方が大きいと思われる。

しかし、夕方以降の降水種別は低気圧のコースや上空への暖気の入り方、地上風の吹き方など、わずかなブレにより、雪になったり、雨になったりするので、非常に難しい。

以上まとめると、今のところ、関東の平野部では昼過ぎまで雪の可能性が高く、この時点で積雪も想定される。その後みぞれや雨に変わる予想だが、雪が長引けば長引くほど、東京多摩地方や埼玉、群馬など、西側の地方ほど積雪が増え、大雪となる可能性も否定できない。

一方、関東の山沿いや山梨県、長野県などは雪で始まり雪で終わる所も多く、降水量からの計算では多い所で20~30センチ程度の湿った大雪となる可能性もありそう。(こちらの降雪予想は独自予想です。)

なお、これは28日(水)朝の時点での予測資料に基づいているので、出来る限り、最新の予報でチェックするようになさって下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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