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台風9号 あす~あさって沖縄通過へ 沖縄は干天炎暑から一転大荒れの見込み

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風9号は最盛期の状態で先島諸島へ

3つの台風(トリプル台風)気象庁HPより
3つの台風(トリプル台風)気象庁HPより
台風9号は最盛期の状態で宮古島付近を通過する予想(8日9時気象庁発表)加工了承
台風9号は最盛期の状態で宮古島付近を通過する予想(8日9時気象庁発表)加工了承

3つの台風(トリプル台風)のうち、最もサイズの大きい台風9号があす~あさって(9日~10日)にかけて、先島諸島付近を通過する見込みです。

しかも海水温が30℃以上ある暖かな海域で更に発達し、最盛期の状態、非常に強い勢力で通過する予想となっています。

予報円の真ん中を予想通りの勢力で進むと、あす夜遅く~あさって昼前にかけて宮古島をほぼ直撃するようなコース取りとなり、この時間帯、最大瞬間風速は60メートルが予想されています。

最大瞬間風速が60メートル前後に達すると電柱や街灯が倒れるおそれがあり、ブロック塀でも倒れるものが出てきます。また走行中のトラックが横転し、住家でも倒壊するものが出てくるような烈風とも言える強さだと思います。

風の強さと吹き方(気象庁HPより)

いくら台風銀座の沖縄であってもこのような烈風はそう度々あるものではありません。台風が直撃する予想の宮古島地方を中心に先島諸島では記録的な暴風が吹くおそれもあり、厳重な警戒が必要です。また、台風9号はサイズが大きいため、中心からある程度離れる予想の沖縄本島地方や奄美地方でも暴風が吹き荒れるおそれがあります。

もちろん、暴風以外にも大雨、高波、高潮などに十分な警戒が必要です。

台風に関する気象情報(気象庁HPより)

干天炎暑、一転、大雨のおそれも

先島諸島を中心に、沖縄では先月から記録的な暑さと干天(少雨)に見舞われています。

石垣島では5月26日~きのう7月7日まで43日連続で真夏日が続いており、この期間の雨量は48.0ミリと平年の約18%しか降っていません。

同様に宮古島では5月28日から41日連続の真夏日で、雨量は43.0ミリと平年の約18%。また那覇でも6月8日から30日連続の真夏日で、雨量は27.5ミリと平年の約14%となっています。

このように先月から記録的な暑さと少雨に見舞われている沖縄地方ですが、一転して大雨となるおそれもあり、低い土地の浸水や土砂災害などにも警戒が必要です。

台風10号と台風11号の行方は?

台風の最新情報(気象庁HP)

台風10号はフィリピンと台湾の間の南シナ海でほとんど停滞しているような状態でしたが、どうやら台風9号に押し出されるように西寄りに進み、中国大陸で熱帯低気圧に変わる見込みです。ただ、まだ複雑な動きをするおそれもあり、油断は出来ません。

台風11号は台風9号に比べてサイズは小さいものの、現在最も発達しています。今後は西寄りから北寄りに進み、週明けには小笠原諸島近海へ進む予想です。その後の進路は不確定ですが、上空の流れによっては来週後半に本州へ近付く計算もありますので要注意です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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