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台風16号、八重山地方で最大瞬間風速65メートルの猛烈な風の恐れ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風16号はあす日中、八重山地方を直撃する恐れ(16日正午現在、気象庁)

八重山地方を直撃するコース取り

台風の最新情報(気象庁HP)

台風16号は勢力を強めながら沖縄の南海上を北上しています。

今後は更に発達しながら、最盛期の状態で、あす17日(土)日中、八重山地方にかなり接近する見込みです。

きょう正午に発表された最新の予報円では、あす正午には台風の中心が与那国島付近と予想されており、まさに直撃するような形で通過する予想です。この時点での中心気圧は935hPaで、最大瞬間風速は65メートルと予想されています。

台風の中心がやや西側を離れて通過する場合でも、台風の構造上、八重山地方が風の強い危険半円に入るため、猛烈な南よりの風が吹き荒れるものと思われます。

沖縄地方に発表されている風の予想は以下の通りです。

八重山地方で猛烈な風が吹く恐れ(沖縄気象台)
八重山地方で猛烈な風が吹く恐れ(沖縄気象台)
風の強さと状況(気象庁HPより)
風の強さと状況(気象庁HPより)

八重山地方(石垣島地方と与那国島地方)の中でも、特に台風の中心が近付く与那国島地方で最大瞬間風速が65メートルに達する予想です。

与那国島では昨年9月の台風21号で、国内の歴代4位となる81.1メートルの猛烈な風を観測していますが(下記参照)、進路や勢力次第でこれに近い位の記録的な暴風が吹き荒れる恐れもあります。

最大瞬間風速が約60メートルに達すると、電柱やブロック塀の他、住家でも倒壊するような恐れが出てくるため、今回の台風は特に猛烈な風に対して厳重な警戒が必要です。

なお台風16号は八重山地方を通過したあと、東シナ海で動きが遅くなり、九州に接近するタイミングが来週の火曜日~水曜日頃となっています。ただ、東シナ海からの進路予想はまだ不確実なので、最新の情報にご注意下さい。

昨年の台風21号では81.1メートルの烈風を観測

2015年台風21号の進路(沖縄気象台より、加工)
2015年台風21号の進路(沖縄気象台より、加工)

昨年9月の台風21号は、中心気圧925hPaの猛烈な勢力で八重山地方に最接近しました。中でも最も中心が近付いた与那国島では国内で歴代4位となる最大瞬間風速81.1メートルを記録し、風による大きな被害が発生しました。

昨年台風21号の与那国島の被害(沖縄気象台より)
昨年台風21号の与那国島の被害(沖縄気象台より)

今回はここまでの烈風は予想されていませんが、これに近い位の猛烈な風が吹き荒れる恐れはあります。

また台風16号は比較的コンパクトな構造を持った台風ですから、中心が近付くといきなり猛烈な風に見舞われる恐れがあり、厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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