台風20号は日本の東へ急カーブ。台風シーズンは終わったのか?
台風20号は急速に東へ
先週土曜日に発生した台風20号は、昨日(10日)急速に発達し、非常に強い勢力で小笠原の東海上を北寄りに進んでいます。
きょう午前3時現在の中心気圧は935hPa、最大瞬間風速は65メートルと推定されています。
台風は小笠原の東約400キロ付近を通過していますが、比較的コンパクトな台風のため、父島や母島など陸地に直接影響することはないでしょう。ただ高波には注意が必要です。
今後は日本付近に南下した偏西風帯に流されるように急速に東へ曲がり、本州付近に近付くことなく、日本の東へ遠ざかる見込みです。
台風シーズンはこれで終わり?
日本付近にある台風の進路は、おおむね日本の南にある太平洋高気圧とその北側にある偏西風との兼ね合いで決まります。
9月から10月上旬頃までは、太平洋高気圧が日本のすぐ南に位置していることが多く、台風はこの縁辺を回り、日本のすぐ南まで北上したあと、偏西風に乗って本州付近を進むことが多く、これがいわゆる台風シーズンを代表するコースです。
ただ10月中旬以降になると、急速に季節が進むため、太平洋高気圧が南に退くとともに、偏西風も日本の南まで南下するため、台風は本州付近に近付くことが出来ず、日本の南を離れて通ることが多くなるのです。
しかし、上空の流れがいつも同じというわけではありません。
時には季節外れに太平洋高気圧が強まったり、偏西風が蛇行したりするため、たまたまそのタイミングで台風が発生している場合には、10月中旬以降でも本州付近に接近し、時には上陸するようなこともあるのです。
10月中旬以降は、5~10年に1個程度の上陸頻度
気象庁のHPで台風の遅い上陸の日時を調べると上図のようになります。
1951年~2015年までの65年間で、10月中旬以降に上陸した台風は9個(1個は11月)となっており、平均すると5~10年に1個程度の上陸数となります。
少ないように感じますが、上陸しないまでも、本州付近に接近し、大雨をもたらすことはこれ以上に多くあります。
特にこの10年間は毎年のように10月中旬~下旬にかけて台風が接近していますので、台風シーズンはまだまだ10月いっぱい続くと考えた方が良さそうです。