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カラカラ状態の関東に恵みの雨は降るか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
砂ぼこりで視界不良の都心の空(イメージ)(写真:鈴木幸一郎/アフロ)

最後のまとまった降水は1月9日(月)成人の日

今年に入り、東京で水たまりが出来るようなまとまった降水があったのは1月8日~9日(成人の日)にかけての1度だけです。

この時はほぼ24時間にわたり雨が降り、降水量26.0ミリのまとまった雨となりました。しかし、その翌日1月10日からはほとんど雨らしい雨は降っておらず、きのう2月3日まで25日間の降水量は0.0ミリとなっています。

さらに今週は北風も強く吹いたため、乾燥と強風により、至る所で砂ぼこりが舞い、視界不良となる所もありました。

国立感染症研究所の発表では乾燥のひどい太平洋側を中心にインフルエンザも猛威を振るっています。

過去には71日連続で0.0ミリ以下の記録も

東京で0.5ミリ以上の雨が降った翌日から次の0.5ミリ以上の雨が降る前日までの連続日数記録(0.0ミリ以下)はどれ位あるのか?調べてみました。

すると統計のある1968年以降で、今回と同じように25日以上連続で続いた回数は20回もありました。

また30日以上だと約半分に減り、以下の11回となります。

2011年12月15日~2012年1月19日(36日連続)

2010年12月23日~2011年1月23日(32日連続)

1999年12月 3日~2000年1月 2日(31日連続)

1998年12月 8日~1999年1月23日(47日連続)

1995年11月25日~1996年1月 7日(44日連続)

1992年 8月13日~     9月14日(33日連続)

1988年11月30日~1999年1月 7日(39日連続)

1984年12月19日~1985年1月27日(40日連続)

1976年 1月 5日~     2月 4日(31日連続)

1973年11月11日~1974年1月20日(71日連続)

1969年12月 8日~1970年1月29日(53日連続)

1992年の夏期1回を除き10回は11月~2月にかけての記録となっており、初冬から真冬にかけての関東地方は特に極度な乾燥に見舞われることが多いのを裏付けるデータともなっています。

ちなみに最も長い71日連続の記録がある1973年~1974年にかけては乾燥注意報の継続日数も65日で1位の記録となっています。

あす5日(日)はどれ位降る?

5日(日)18時の雨雲予想
5日(日)18時の雨雲予想

あすは日本付近を低気圧が通過するため、関東地方でも久しぶりに雨が降る予報となっています。

しかし新しい計算では関東の上空で南西の風が強まるため、西からやってくる雨雲が関東西部の山を超えるときに弱まってしまい、房総半島など関東の南岸を除いて、東京などの平野部では雨がぱらつく程度の予想に変わってきています。

東京地方の降水量はあす夕方~夜の初めにかけて、わずか1ミリ前後の予想です。

日曜日でお出かけをする方にはあいにくの雨ですが、乾燥を和らげるという意味では降れば間違いなく恵みの雨となります。

しかし、けさの計算ではわずかに空気が潤う程度で終わってしまう予想です。

来週の木曜日~金曜日頃に再び雨か雪?

来週木曜日~金曜日頃に南岸低気圧?(週間アンサンブル予報、気象庁)
来週木曜日~金曜日頃に南岸低気圧?(週間アンサンブル予報、気象庁)

ところで来週は再び強い寒気に覆われて、関東など太平洋側では月曜日から冬晴れが続きますが、そんな中、9日(木)~10日(金)にかけて、南の海上を低気圧が進む計算が出てきています。

いわゆる南岸低気圧で、上空に寒気もあるため、もしかしたら東京など関東地方で降雪が生じるパターンとなるかもしれません。

今後の予報に注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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