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暖かな南風(春一番)で、花粉は一気に本格化のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
関東~九州の花粉は本格化へ(ペイレスイメージズ/アフロ)

南高北低の春一番型に

16日21時の予想天気図(気象庁HPより)と上空の気温予想
16日21時の予想天気図(気象庁HPより)と上空の気温予想

鳥取などに記録的な大雪をもたらした一連の寒波は終わりを告げ、これから金曜日にかけて、日に日に気温は上昇していきます。

これは日本海に低気圧や前線が入る一方、日本の南を高気圧が進むためで、天気図の形が「南高北低」の春を代表するような気圧配置となるためです。

こうなると季節を問わず暖かな南風が強く吹くため、気温が大きく上昇します。

今回も然り。上空約1500mには平年より6℃~10℃も暖かな空気が流れ込み、東日本や西日本では一気に15℃~20℃近くまで気温が上がる予想です。

そして、この暖かな南風が東日本や西日本で春一番となる所もありそうですが、この春一番によって一気に本格化してしまうものが花粉の飛散です。

すでに都内を含め、関東~九州の太平洋側では一部で花粉の飛散が始まっていますが、まだその量はわずかといったところです。

ただ時期はもう2月の半ばとなり、気象条件次第ではいつ本格的な飛散に陥ってもおかしくありません。そしてそのきっかけとなるのが、あすからあさってにかけての強い南風と気温上昇になりそうです。

今年まだ花粉症の症状が出ていない方も、この2~3日で一気に症状が出始めるかもしれません。十分な対策をした方が良いでしょう。

去年も春一番がきっかけで本格的な飛散に

2016年、春一番とともに都心の花粉は本格飛散へ(東京都健康安全センターのデータ)
2016年、春一番とともに都心の花粉は本格飛散へ(東京都健康安全センターのデータ)

去年は2月13日~14日にかけて、一斉に春一番が吹きました。

東京都心でも暖かな南風が吹き荒れ、最高気温は13日に21.8℃、14日には23.0℃と2日連続で20℃を上回る5月並みの陽気となりました。

この日をきっかけに花粉は本格的な飛散へと突入しています。

データは東京都健康安全研究センターより

過去には春一番で何度も大量飛散へ

過去には春一番をきっかけに何度も大量飛散へつながったことがあり、特に2011年、2009年などは一気に数百個レベルの大量飛散となりました。

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1日100個以上/1平方センチメートルの飛散で、猛烈な飛散とも言われていますので、いずれの年も少量の飛散から一気に猛烈な飛散へと一変していることが分かります。

今年も同じようなことが起こってもおかしくありません。花粉症の方は十分な対策を行った方が良さそうです。

一気に春へという感じではない

なお、金曜日に最も気温が上がったあと、そのまま春へまっしぐらという感じではありません。

週末には再び強い寒気が流れ込み、全国的に北風の強く吹く、真冬の寒さに逆戻りとなるでしょう。

さらに来週にかけて、寒暖の差がとても激しくなり、23日(木)頃は南岸低気圧が通過し、太平洋側でも再び降雪の可能性が計算されています。

今後の天気予報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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