Yahoo!ニュース

初めての夏は、忘れられない夏になる。松島聡・マリウス葉『Hey So! Hey Yo!』

杉谷伸子映画ライター

TOKYO DOME CITY HALLで連日繰り広げられている夏の恒例ライブイベント『Summer Paradise』で、今年はSexy Zone松島聡マリウス葉が初公演。8月7日から9日の3日間で『Hey So! Hey Yo! 〜summertime memory〜』と題して6公演を行った。

「夢の世界の一日」がテーマのコンサートがイメージしたのは、朝日が昇るシーンから夜が更けていくまでの一日。壮麗な音楽とともに幕をあけるステージには、そんな夢の一日のなか、みんなで素敵な夏の思い出を作ろうというメッセージが込められている。

ジャニーズナンバーとミュージカル

「自分たちの持ち曲は大事にしたいということが一番強かったので、そこからやれることは全部やろうということで、いろいろやらせてもらいました」と、この日の昼公演後に行われた囲み会見で話していた松島。その言葉どおり、Sexy Zoneの曲はもちろん、松島とマリウスそれぞれの持ち歌も交え、和の要素も印象的に盛りこんだりと、コンサートはバラエティに富んだ内容。しかも、それぞれのソロコーナーでは、ジャニーズファンを自認する松島は、Kis-My-Ft2北山宏光Hey!Say!JUMPといった先輩たちの楽曲カバーでダンスを堪能させ、ミュージカルが大好きなマリウスは洋楽曲のカバーをミュージカル風にきらびやかに楽しませるという具合に、持ち味を存分に発揮。

「ダンスで自分の感情をアピールするというのが僕の持ち味なので、そこを全面的に押し出しました」とも話していた松島だが、その表現力の高さには目をみはるばかり。自身初のソロ曲『Break out my shell』もハードなダンスで魅せてくれたが、ヒップホップなテイストとアイドルっぽさのバランス加減も絶妙なら、キレもあるのにニュアンスもあるダンスは、「18歳なので18歳なりの色気を」という松島の狙い以上にアーティストとしての色気を感じさせるもの。

「僕はブロードウェイというか、舞台が大好きなので、そういう世界を夢の世界に入れて、みんなに体験してもらいたいなって」と話していたマリウスは、その意気込みどおり、正統派な歌声と持ち前のキュートな魅力で、ミュージカル・ナンバーと最新ソロ曲『Welcome to the paradise』を楽しませてくれる。

愛されかたがハンパない

この日はメンバーの佐藤勝利が第2バルコニーで見学。その存在に観客が気付いてMCコーナーになると同時に観客がざわついてしまうあたりは、客席とステージの距離の近い会場ならではだが、そんな会場の空気を読んで、早々に佐藤をMCに巻き込む進行といい、観客の煽りもうまい松島と天真爛漫な愛くるしさで観客を笑顔にさせるマリウスとのコンビネーションはまさに抜群。

「予想以上に盛り上がっていて」(松島)と二人のテンションもさらに上げるくらいに会場を埋めたファンの熱気も印象的だった。とにかく、会場の沸き方が終始MAXでハンパない。その熱気からは、聡マリがファンにいかに愛されているかが伝わってくるのだ。「僕らだけじゃなく、ファンの皆さんも一緒に作るのがライブ」という言葉もMCにあったが、この会場を埋めたファンの聡マリへの愛情も、『Hey So! Hey Yo! 〜summertime memory〜』というコンサートを完成させる大切なピースの一つ。「客席、たぶん誰よりも行ってます、僕たち。初めてなので、できるだけみんなと触れあう」(マリウス)と話していた彼らは、質問コーナーでもアリーナだけではなく、第2バルコニーからの質問も受け付けたり、楽曲のパフォーマンス中にも第1バルコニーはもちろん、第2バルコニーにまで現れてファンを大喜びさせる。客席とステージが近い会場の利点を最大限に生かしたアイドル魂まで眩しかった。

18歳の松島と、開催中のリオデジャネイロ五輪で活躍する同じ2000年生まれの池江瑠花子選手の活躍に刺激を受けたという16歳のマリウス。10代だけが持つキラキラに溢れていた聡マリにとって、初めての『Summer Paradise』。『summertime memory』は、二人にとっても、ファンにとっても忘れられない夏になるだろう。(8月8日17時公演を取材)

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

杉谷伸子の最近の記事