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勝因はラーム。その源にいるグアルディオラ

杉山茂樹スポーツライター

ドイツのレーブ監督は、グアルディオラとどれほど親しいのだろうか。

ブラジルW杯の決勝トーナメント1回戦(対アルジェリア)戦まで、レーブ監督は、ラームを4−3−3の守備的MFで起用した。以降、右サイドバック(SB)として起用したが、彼を守備的MFで起用するアイディアは、グアルディオラが編み出したものだ。

昨季、バイエルンの監督に就任したグアルディオラは、それまでサイドバックだったラームを、守備的MF、バルサで言うところの「4番」のポジションに抜擢。常識を覆す起用法で周囲を驚かせた。

とはいえ、ラームをシーズン中、すべてそこで起用したわけではない。従来の右SBと「4番」とを、状況によって使い分けた。

つまり、ラームには、右SBのイメージは、依然として健在だった。ドイツ代表では右SBで出場することが、自然な流れと言えた。にもかかわらず、レーブは、あえて「4番」でラームを起用した。

布陣も従来の4−2−3−1ではなく、「4番」の存在感が明確になりやすいバルサ式(バイエルン式)の4−3−3を用いた。グアルディオラの意志を引き継ぐかのようなサッカーをした。

大きな影響を受けていたことは間違いない。

ラームは準々決勝以降、右SBとしてプレイした。しかし、その右SBとしての位置取りも、グアルディオラのバイエルンと似ていた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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