Yahoo!ニュース

「アギーレ対香川」のゆくえは果たして

杉山茂樹スポーツライター

アギーレが選択した布陣は、中盤「Vの字型」の4−3−3。それは文字通りの4−3−3だった。4−2−3−1の「3」の両サイドが、真ん中に入り込んでしまうザックジャパンとの一番の違いと言っていい。

ザックジャパンでは、これまでも再三、指摘したとおり、4-2-3-1の3の左を任せられているはずの香川がそこにいる時間は、30%あればいい方だった。右の岡崎も、コロンビア戦ではかなり内に入り込んでしまったので、その4−2−3−1は、4−2−2−2と同じくらい幅の狭い布陣になっていた。

岡田ジャパン時代もそうだった。4−2−3−1の3の右を任せられた中村は、香川と同様、ピッチの中央で大半の時間プレイした。右サイドは、右のサイドバック1枚になりがちだった。

オシムの時代も、中村がチームに合流すると、右サイドは同様に右サイドバック1枚になりがちだった。

ジーコが採用した4−2−2−2と3−4−1−2に至っては、布陣そのものが両サイドに選手を、各1人しか置かない設定になっていた。攻撃の幅を広く保てない(保とうとしない)サッカーだった。守備的サッカーといわれる所以だが、それと同じことは、ひたすら3−4−1−2で戦ったトルシエジャパンにもあてはまった。

第一次岡田ジャパン、その前の加茂ジャパンもしかり。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年9月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事