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71日ぶり!“頼れる巨投”バンデンハークが帰ってきた

田尻耕太郎スポーツライター

若鷹夏祭り2日目は満員に

8月10日、タマスタ筑後のウエスタン戦は「若鷹夏祭り」の2日目。チケット完売の大入りだったが、ホークスはタイガースに1対5で敗戦。勝利を届けられなかった。

【8月10日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 3,113人(満員)】

阪神     000010400 5

ソフトバンク 000010000 1

<バッテリー>

【T】金田、伊藤和、○小嶋(1勝1セーブ)、二神、福原、高宮――梅野

【H】バンデンハーク、巽、森、●島袋(2勝5敗1セーブ)、柳瀬――斐紹、張本

<本塁打>

なし

<戦評>

ソフトバンクはバンデンハークが先発。ファーム調整後初のマウンドで3回無失点と結果を残した。3番手では森がマウンドへ上がり、こちらも2軍降格後は初めての登板で1回無失点だった。

試合は5回、阪神が梅野のタイムリーで先制。その裏にソフトバンクはチャンスの場面で斐紹がライトへヒットを放ち、両チームの捕手がバットで活躍を見せた。同点で迎えた7回表、阪神打線が代わったばかりのソフトバンク島袋に襲い掛かり、柴田、梅野、上本にタイムリーが飛び出して一挙4点を奪い試合を決めた。  (了)

バンデンハーク「試合に戻れたことが嬉しい」

先発したバンデンハーク
先発したバンデンハーク

超強力助っ投がマウンドに帰ってきた。

リック・バンデンハークがファーム調整後初めての実戦マウンドに臨んだ。昨年のデビューから無傷の14連勝をマークして、堀内恒夫(巨人)の記録を50年ぶりに塗り替えた。しかし、5月17日のファイターズ戦(北九州)で黒星を喫して記録が止まった。その後1勝を挙げるも、5月31日のドラゴンズ戦(ヤフオクドーム)を最後に、疲労蓄積などを理由に2軍調整となっていた。

途中「疲労が抜けない」などの理由で検査を行ったり、首に痛みを覚えたこともあったが、状態を戻してきてこの日の登板となった。

予定の3回をきっちりと投げ切った。特に初回は力強いストレートがうなりを上げた。最速150キロをマーク。常時140キロ台後半を計測した。

最速150キロで4K

3回の先頭打者にヒットを許した以外は、順調にアウトを重ねた。3回37球、1安打、4奪三振、無失点の好内容だった。

「試合に戻れたことが嬉しい」と笑顔。2回以降はやや球威が落ちたが、「しっかりと前に進みたい」と深刻さはなし。倉野信次投手総合巡回コーチも「疲労とかではないと思う。久しぶりだしね」と話した。

体の状態についても「投げる時は気にならなかった」という。次回は来週の2軍戦で登板する見込み。倉野コーチは「次回はもう少し長いイニングを予定しています。内容次第だけど、8月中に1軍に帰ってきてほしいという思いもあります。いろいろなプランを考えていますが」と話した。

かなり高い確率で勝利を運んでくれる右腕。なかなか波に乗れない1軍の救世主としてはこれ以上の存在はいない。 (了)

森唯斗もファーム調整後初のマウンドに

気迫あふれる投球で1回無失点
気迫あふれる投球で1回無失点

8月3日に1軍登録を抹消されていた森唯斗が、ファーム調整後初めて登板した。6回から3番手でマウンドに上がり、先頭打者にはストレートの四球を与えるも球速は149~150キロをマーク。次打者を148キロで三ゴロ併殺打に仕留め、続く3番陽川からは150キロで見逃し三振にしとめた。

倉野コーチは「先頭の打者には(体と気持ちの)抑えが効かなかったようだが、その後はいい状態の森らしい投球を見せてくれた。次が楽しみですね」と話した。今回の調整はコンディション回復が第一目的。次回登板は明後日の予定。1軍昇格前のファームでの連投はないとのこと。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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