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再度復活へ!ソフトバンク大隣が皆勤ブルペン4連投

田尻耕太郎スポーツライター
ブルペンで若田部2軍コーチのアドバイスに耳を傾ける

元気なところをアピール

心地よいミット音を今日もブルペンに響かせた。

ソフトバンクの大隣憲司がキャンプインから4日連続でピッチングを行った。

「今日は44球。さすがにちょっと疲れていましたね。良くはなかったです」

言葉と裏腹に、表情には充実感が漂う。

「バランスを重視して投げています。いまのところやりたいことを出来ているし、元気なところをアピールしないといけませんからね」

再び復活へ――。リーグ優勝と日本一を果たした‘14年シーズンの終盤に神がかり的な活躍を見せた。国指定の難病である「黄色靭帯骨化症」を乗り越えての快投連発だった。その大病から本格復活したプロ野球選手は初めてだったこともあり、ファンは心を打たれた。

バランスを重視したフォームからキレのある球を投げ込むのが武器
バランスを重視したフォームからキレのある球を投げ込むのが武器

難病克服後に左肘手術も、常に前向きだった

もともと左のエース格だ。また活躍を期待する声が高まったが、翌‘15年は序盤に5勝を挙げるも左肘の不調を訴えて手術を受けることになった。昨年はその影響が残り競争から脱落。1試合のみの登板で1勝に終わった。

それでも持ち前の明るさだけは失わない大隣がいた。

「苦しい時期もあったけど、前に背中の手術をした時に比べれば……。『肘ならばまた野球はできる』と思っていましたから」

このキャンプはB組でのスタート。五十嵐亮太や攝津正らもベテラン組は自己調整が任されておりB組からのキャンプインとなったが、近年の実績からいえば大隣の場合は多少事情が違うだろう。

左腕不足の先発陣に割り込めるか

「開幕ローテを目指して“合わせる”という表現では違う。僕は勝ち取っていかなければならない立場です。肘も変な張りはないし、背中も嫌な感じはない。今は元気なところをアピールして、上に呼んでもらえるように頑張りたい」

体はクタクタというが、明日5日もブルペン入りを予告した。

ソフトバンク先発陣は左腕不足。大隣の復活はV奪回への一つのカギとなる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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