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志願の中2日先発。ソフトバンク大隣が逆転開幕ローテ入りへ、勝負手に出た!

田尻耕太郎スポーツライター
教育リーグに中2日で先発したソフトバンク大隣

若鷹打線に元気なし。4試合で1得点のみ

3月8日、ソフトバンクはウエスタン・リーグの春季教育リーグで中日ドラゴンズと対戦した。

【3月8日 ウエスタン教育リーグ タマスタ筑後】

中日     021000000 3

ソフトバンク 000000000 0

<バッテリー>

【D】又吉、祖父江、福谷、小川―松井雅、赤田

【H】大隣、島袋、野澤、児玉――斐紹、堀内、栗原

<本塁打>

なし

<戦評>

若鷹打線に元気がない。教育リーグは4試合で3度目の零封負け。4戦で1点しか奪えていない。

それでもチャンスは作った。4番に座った江川智晃は2安打をマークするなどチームで計9安打。しかし、打線がつながらない。2回は無死満塁、3回は1死満塁と塁を埋めたが、いずれもゲッツーで得点機をつぶした。

投げては先発の大隣憲司が2回2失点。2番手の島袋洋奨は4回を投げた。3番手の野澤佑斗は2回無安打無失点の好投。右横手から140キロ台の直球とスライダーのコンビネーションで3三振を奪った。(了)

大隣、覚悟の中2日ローテ「まだ争う立場にも行っていない」

朝には雪もチラつき寒風吹きすさぶタマスタ筑後で、今季11年目を迎えた大隣憲司が熱い心意気を見せた。

5日(日)に先発したばかりだが、中2日でまたも先発マウンドに立ったのだ。

「前回2イニングで今日も2イニングですから。(登板は)自分で希望しました。試合勘を養いたかった」

初回はたった8球で三者凡退。2回は3安打1四球と乱れて2点を失った。やや悔しい結果に終わったが、ベテランらしく自分なりのテーマを持って若竜打線と対峙していた。

「まずは自分の真っ直ぐを投げること。相手が真っ直ぐ狙いと分かっていても、敢えて投げました。ただそれでも打たれちゃイケないですけど」

次回一軍オープン戦にまた中2日で臨む

今春のキャンプでは第1クールからブルペン皆勤5連投など一軍ローテ入りへ猛アピールを見せていたが、途中で腰痛を発症して調整がやや遅れた。

「それでも終盤からはピッチングを再開したし、トータル800球以上は投げました。決して悪いキャンプではなかったと思います」

まだ打者相手に投げる回数が少ない分だけ、走者を置いた場面での投球に課題が残っているというが、「そこは徐々に上げていく」と前を向いた。

次回は一軍でのオープン戦で登板する見込みだ。11日(土)、ヤフオクドームの中日戦で3イニング。またも中2日でマウンドに立つ。

「まだ開幕ローテを争う立場にも行っていない。それでもチャンスをもらえた。最初で最後という気持ちで臨みます」

ソフトバンク投手陣は左腕不足気味。大隣の復調は待ち遠しいところだ。(了)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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