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イランのロウハニ新大統領の博士論文

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

6月中旬のイランの大統領選挙で圧勝したハサン・ロウハニがイギリスの大学に提出した博士論文に盗作疑惑が持ち上がっている。

イギリスの保守系の高級紙『テレグラフ』の6月27日付けのインターネット版によれば、ロウハニは1990年代にスコットランドのグラスゴー・カレドニア大学から博士号を得ている。その博士論文はシャリア(イスラム法)の弾力性に関してである。論文の一部が同じテーマを扱ったアフガニスタン人の研究者の文章と似ているとアメリカに在住するイランの反政府活動家などが指摘している。また同大学に対して、博士号を取り消すように訴えている。

同大学は、訴えがあったことを認めた。またロウハニ論文が、このモハンマド・ハシェミ・カマリという名のアフガニスタン人の著作を参考文献として明示していると述べている。ロウハニ自身は、この件についてはコメントしていない。

ロウハニの当選を受けて、グラスゴー・カレドニア大学は、その博士論文の要約をネット上で公開した。しかし、500ページに及ぶとされる博士論文の全文はネット上では、公開されていない。

2013年6月28日(金)記

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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