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コンディション上々!ガンバ大阪・MF宇佐美貴史のJリーグ復帰が迫る!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

6月半ばからガンバ大阪に復帰しているMF宇佐美貴史。Jリーグの規約上、追加登録が可能となるのは7月19日以降と定められていることから、ここまでの約1ヶ月間はひたすら自身のコンディションをあげることと、チーム戦術への理解を深めることに時間を費やしてきた。その中で、繰り返し聞かれた「早くガンバのユニフォームを着て試合がしたい!」との言葉。これは、ドイツでの昨シーズン、リーグ終盤は出場機会を失い、長らく公式戦を離れていたからでもあるが、それ以上に、彼の胸にあるのは『ガンバ大阪』への想いだろう。常々「ガンバは自分の家みたいなもの」だと愛着を示してきた宇佐美だが、約2年ぶりにガンバ大阪への復帰を決断し、合流してからは、その想いをより募らせている。

「ドイツでの2シーズン目に在籍したホッフェンハイムは攻撃的なサッカーをするチームではなかったですから。久しぶりにガンバに戻り、このテンポのいい、どこからでもパスが出てくるサッカーを味わってめっちゃ楽しいし、サッカーをしている感もめっちゃある。だからこそ、早くガンバのユニフォームを着て、試合をしたい! それは万博に試合を観に行って、大好きなあのスタジアム特有の空気感を味わってもすごく感じる。実際、この1ヶ月間は、そういう思いにも支えられてて、自分をしっかり作れてきた。ただこれだけいい選手が集まるガンバですから。競争はあるのは分かっているし、まずはチーム内の競争に勝ってピッチに立つには『結果』がいる。そこは自分自身もどん欲に求めていきたい(宇佐美貴史)。」

その思いを示すべく、J2リーグに出場しなかったメンバーを中心に行われた7月8日、15日の2つの練習試合でも前線で躍動。8日の明治大戦では60分、15日の関学大戦が75分の出場となった中で、明治大戦では1ゴール1アシスト、関学大戦ではゴールこそ奪えなかったものの、バリエーション豊富なプレーで存在感を示した。

中でも、特筆すべきは関学大戦で示したプレーの『幅』だ。明治大戦時は数字的な結果こそ残したものの、ガンバ大阪復帰後初の対外試合ということもあってか、やや周囲との連携を“意図的”に気にしながらプレーしていたように見受けられたが、関学大戦ではより周囲との連携が深まったからだろう。スムーズにチームの連携に加わりつつ、持ち味であるドリブルで相手DFを3人ぶっちぎってゴール前まで抜け出したり、かと思えば、簡単にパスをはたいて周りの選手を活かしたり。時にポスト役になったり。2週間ほど前に行ったインタビューで「いろんなバリエーションを備えつつ、でも、一番光っているのは、武器であるドリブルや突破力というのが理想」と話していた通り、多彩な攻撃力を披露した。

「相手が大学生なので、そこまでプレッシャーがなかったのもあるけど、僕なりに、バイタルで受けてそのまま突破してシュートだとか、裏に抜けるプレーだとか、ボランチくらいまで引いて一発ロングパスを入れるとか。単なるドリブル突破だけではなく、そのへんの幅は意識してプレーした中で、今日はいろんなところに顔を出しながらプレーをできたのは良かった。ただ、自分のプレーに幅をもたせることがチームにマイナスになっては意味がないですから。実際トップになれば、ボランチにはヤットさん(遠藤保仁)や今ちゃん(今野泰幸)ら、ボールをさばける選手もいると考えたら僕がそこまで下がる必要はないですしね。とにかく周囲との関係性の中で自分の幅が活きるように意識してやっていきたい(宇佐美貴史)。」

そんな彼のパフォーマンスには長谷川健太監督も「コンディションもあがっているし、ゴールこそ獲れなかったが、本人らしい形はかなり出してくれたように思う」と合格点。Jリーグ復帰の『Xデー』とされる、7月20日のJ2リーグ25節、ヴィッセル神戸との首位決戦への出場については明言を避けたものの、彼のコンディションの良さを考えても、また、FWレアンドロ、MF家長昭博がチームを去った今、攻撃の迫力不足に悩むチーム事情を考えても出場は決定的だろう。

ちなみに、その宇佐美。実は『ヴィッセル神戸』には「何かと縁があるし、相性もいい」と胸を張る。というのも、16才の時に、初めてサテライトリーグに出場した際の相手も神戸戦だったし、2年前、ドイツに渡る直前のG大阪でのラストゲームも神戸戦。しかもその両試合でゴールを挙げたのみならず、彼は自身が出場したJ1リーグでの神戸戦、全てでゴールを挙げている。

となれば、ますます、7月20日のJリーグ復帰が楽しみでならない。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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