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<ガンバ大阪>U-23チームで臨んだ初のJ3開幕戦はスコアレスドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

若手選手に試合経験を積ませることを目的の1つとして、今季よりU-23チームがJ3リーグに参戦するガンバ大阪。本日、そのJ3リーグの開幕戦が行われ、市立吹田サッカースタジアムでのY.S.C.C.横浜戦に臨んだが、結果はスコアレスドロー。3359人の観衆が見守る中、再三にわたって攻撃の形を作り出したものの、フィニッシュをしとめられず、引き分け発進となった。試合後のガンバ大阪U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●實好礼忠U-23監督

エキサイティングな試合でした。(若手がたくさん起用されてのJ3の試合。公式戦の雰囲気ということを踏まえてどういうことを感じましたか?)若手中心ですが、そういうことは関係なく、いつもトップチームでプレーするための日々の積み重ねだと選手には言っていますが、その積み重ねというところで、だいぶ積まれたゲームだと感じました。(4−4−2でスタートしたように見えましたが、途中から堂安君をトップ下に置いたようにみえました)4−2−3−1で入ったのですが、小川が2トップのポジションになってボランチのところを消せなかったりして…自然の流れで堂安とポジションを代わり、その律が気を利かせてボランチもみれるようになり、小川もしっかりサイドの守備のところと、サイドからの動き出しがうまくいきそうだったのでそのままポジションをキープしました。(トップに昇格するために戦っていると思いますが、評価する点としては個のパフォーマンスと試合の結果、どちらを求めていくのでしょうか)どちらも求めます。結果のところに向かってみんなやってこそ成長がありますし、成長してそこに向かう時もありますし、両方が一緒になって、ここでチームになってタイトルに向かっていけないとトップでも自分だけのプレーになってしまう可能性もあるので、常に成長することを求めながら、結果も求めていきたいと思っています。(改めて公式戦で若い選手が経験を積む効果をどう感じましたか?)そうですね。最後みんなと試合が終わって話をして、こういう状況は中毒になるよね、みたいなことを選手も言っていて。そのくらい興奮した中でプレーできたということを考えても、本当に大きな1試合だったと思います。(試合前の選手にはどういう話をしましたか?)とにかくいろんなことが起きる、と。その全てのことが想定内に、なおかつ当たり前に、どんな状況でも環境でも、レフェリングひとつとっても、全てを受け入れてやれ、と。その中で受け入れて自分を出して、チームとして動け、という話をしてロッカーに移動してきて。そこにコーヒーがなかったのが想定外でした(笑)。想定内にそこはできませんでした。のどが乾いて(笑)。(これからチームとして伸ばしていきたい部分は?)ボールをもっと動かすところで、もっと動き直し、連続した動きと、かつ、効果的なポジションをとることはまだまだできていないし、ボールを持っている選手がそれをみながらしっかり動かして、相手をみて変化をみて、もっとプレーできるようにならないとトップの中ではそういう選手がたくさんいるだけに、そこに割って入るためにもそういう質のところをもっと追究していきたいと思っています。

●MF堂安律

(前半支配しながらも仕留められない展開になった。後半はどんな意識で臨みましたか?)立ち上がり全然ボールも触れずにうまくいっていなかったので、途中、もっと自分がボールを触ってリズムをよくしたいと思って自分からFWにいったんですけど、フタさんとかといい連携で崩せたところもあったし、それはよかったと思います。また自分はFWにまわったので、点を獲る仕事になったんですが、チャンスメイクが多くなって、ラストパスがこない状態が続いたりもして、ゼロで終わったというのは…守備陣はよくやってくれていただけに攻撃陣の僕らの問題だったなと思います。(ポジションも入れ替わりながら、欲しいタイミングでもらえていないなと思いながら見ていましたが、コンビネーションはまだまだだと?)欲しいところに自分がしっかり動けているというのは一番良かったと思いますし運動量というところでは、自分に足りないハードワークというところもできたと思いますし、これを続けてやっていけばどんどんくるようになると思うので。今日は開幕という事もあって、個々が結果を残したいという気持ちが強過ぎたなっていうところも正直あったので。自分もああいう時は自分でいくと思うので問題ないと思うんですけどね。(トップレベルも経験している中でこのJ3のレベルはどんな風に感じましたか?)予想以上に相手もレベルが高かったし、でも、自分が目指す舞台というか、戦う舞台はもっとお客さんが入った雰囲気でもっとぴりぴりしている雰囲気でやりたいというのが正直な気持ちなので。そこを目指すためにも、この試合は非常に大事だっただけに、ゼロで終わったのは悔しいです。(普段の練習とは違う、公式戦ならではのモチベーションの高さはあったのでしょうか)そうですね、ロッカーでも…みんなが見返したいという気持ちを言い合って試合に入りましたし、トップの選手は今日ACLに向かっている訳で…健太さんは今日見にこられている訳でもないので、結果が一番伝わるものだと思うからこそ結果を出したいという気持ちは強かったし、それもあって今日は個人プレーに走った選手が多かったのもありますけど、それも決まればOKだと思うので…ただ個人的に結果を出せなかったのは悔しいです。(意識としては目の前の試合に勝つ事も大事だけど、トップレベルの試合を意識して戦っているところも多い?)そうですね。最後のところでスルーパスを選んだ部分も正直あったし、あそこはトップなら出して、返ってきて、決める、というようなイメージを持ってプレーしていたところで…正直自分で持ちこんでシュートを選択できたシーンもあったけど、パスを出した方が有効かなって考えたのはトップレベルを意識しての判断だったので、それは決して悪くなかったのかなと思います。(公式戦でこういうスタジアムで出来る事は意味がある?)今日、少なかったけどいい雰囲気だったし、新スタは初めてだったので…結果を残したかったですね。試合をいつも上でみていて、めっちゃいいスタジアムだなと思っていましたが、それは今日プレーしてみて改めて感じたし、もっと自分が頑張ればもっとお客さんの入ったいい雰囲気の中でプレーできるので、それもモチベーションにしながら今後もやっていきたいと思います。

●DF野田裕喜

(J3を初めて戦ってみて)自分は普段トップチームの宇佐美さんや、アデミウソンを相手しているので、ここでやれなきゃガンバから出て行くしかないと思うし、ここで負けていたらトップにあがれないと思うので、想定内というか、これに負けちゃダメだろうという意識でやっていました。(失点ゼロで終えたことは収穫ですか?)そうですね。前半は相手も本当にカウンターだけだったので楽だったんですが、後半は自分たちも間延びしてきて中盤にスペースがあいたので…ある程度は仕方ないと思うんで、僕と瑞希くんが集中してやれば無失点で終われば負けはないと思って、そこは気持ちをもって対応していました。(小椋選手が結構な頻度であがっていきました。その分、二川選手がカバーにも入っていましたが)そうですね。フタさんやボランチの選手が気を遣ってバランスをとってくれていたのでやりやすかったです。(3500人くらいお客さんが入りました。練習試合とはまた違う緊張感がありましたか?)そうですね。練習試合とは違って声援もあるし、そこはモチベーションに繋がるので。ただここで満足する選手は1人もいないと思うので。もっともっと上を目指してまた明日からやりたいです。(公式戦の中で課題を持ってプレーしたところはありますか?)僕はセンターバックなのでチーム全体を動かす事と個人的には周りをみて状況をみてポジションをとるとか、ラインコントロールはトップでも、U-19代表でも求められている事なのでそこは意識してやっていました。

●GK林瑞輝

デビュー戦ということで少し緊張もあり…でもサポーターの声を聞いて少し緊張もほぐれて、このスタジアムは心強いなと感じました。(普段の練習試合とはまた違いましたか?)人が結構はいっていたので、そういうところで自分のモチベーションも普段よりはあがったと思いますし、こういう場でやれたことをトップチームでも絡んでいけるように繋げていきたいです。(前半は危ない場面は殆どない中で、後半は危ない場面もありながら、ビッグセーブもあった。後半の方がより自信を持ってやれていたな、と?)そうですね。前半は自分がボールを触る機会が殆どなかったので後半になって少しカウンターなりで抜け出されて…すごいピンチっていうのは1〜2本だったと思いますけど、それを失点せずに乗り切れたのは自信がつきました。(球際とか、決定機もみんなが気持ちみせて戦った。失点しなかったのは収穫ですか?)試合に勝ちたかったですけど、0−0で引き分けで、最低限の結果はだせたのかなとは思います。これからまだ先は長いので1つずつ集中してやっていきたい。(J1とかをみていて球際とか、戦い方もまた違いました?)そうですね。今日は思ったよりあまりプレッシャーもこなくて…もっとJ3の方ががつがつくるかなっていう勝手なイメージでみんなで話していたんですが、相手も繋げるところは繋いで来ていたので、別にJ3だからと気持ちを抜いたり絶対にできないなっていうのは思ったし、まずはここで結果を残せないとトップチームでは話にならないので、そこは意識してやっていこうと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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