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<ガンバ大阪>正念場のACL、第4節の上海上港戦は0-2で敗戦。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

グループステージ突破に向け、是が非でも白星が欲しいACLグループステージ第4節の上海上港戦。互いに決定機を作り出した前半は、両GKのファインセーブもあり0−0で折り返す。後半も、先に好機を迎えたのはG大阪だったが、そのチャンスを活かせず、逆に66分、72分と上海に決められ0−2。ホームの地で痛い黒星を喫した。試合後のG大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

今日は完敗でした。ベーシックなところ、球際やセカンドボールのところで、上海の選手の方が強い気持ちを持って戦っていた。そういう意味ではホームで、サポーターの前で、ホームらしい戦いができなかったことを大変申し訳なく思っています。選手は選手で気持ちを出してやったと思いますが、まだまだこれがうちの現実だと思う。しっかりとこの結果を受け止めてリーグ戦はもちろん、ACLもまだ首の皮一枚で残った状況にあると思いますので、次の戦いに向けてしっかりと準備をしていきたい。

ー相手選手にケガ人が出るといった情報は得ていたし、準備もしていたと思う。何かそれ以外で、想定外だったことはありましたか。

ギャンが来日しないということでしたが、水原戦はギャンがいない中でホームで戦っていたので同じやり方でくるだろうと予想していました。ただ先ほども言いましたが、今日は本当にセカンドボールやルーズボールの戦いでことごとく勝てなかった。そういう中で、相手の方がゲームを有利に進めたと思いますし、それが試合を難しくした原因の1つだと思います。もう少しボールを握れるかと思っていましたが、相手の気持ちというところに上回られたという印象です。

ー今年はACL優勝を最大目標に挙げていた。去年はこの4試合目から3連勝で突破したということもあり、かなり強い気持ちでこの試合に臨まれたと思いますが、結果は敗戦。まだ試合が終わったばかりですが、どう立て直そうと考えていますか?

まず守備のところで、複数数失点が多いので守備をなんとかしないといけない。得点に関しても決定機は前半から何回かあったと思いますが、ここ数試合チャンスがあっても決め切れない試合が続いている。メンバーも含めて少し考えないと思いますが、まだ終わったばかりなのでしっかり映像を確認をして、まずは仙台戦に向けてきちっと修正していきたいと思ってます。

ーガンバサポーターからブーイングはどう感じましたか?

ガンバサポーターは一生懸命応援してくれたと思っていますし、もっと頑張れ、という叱咤激励だと思います。なんとかそうしたサポーターの声に応えられるようにやっていきたい。

●MF遠藤保仁

ミスも多かったし、相手のエリアで作る事もできなかった。もう少し自分たちの時間を増やせれば良かったと思う。(相手の圧力が思った以上だった、と?)圧力というか、自分たちの立ち位置だと思います。同じ11人でやっているので出来る限りボールをもった選手に対してのサポートの角度だったり、本当に2〜3メートル動くだけでも違ったはず。今日みたいにはめこんでくるチームには、もう少し頭を使いながらやる必要があったと思います。セカンドボールもなかなか拾えなかったが、それが間延びすることにも繋がっていくと思うので、そのへんも修正しないといけないし、マイボールで相手のエリアでまわせれば、セカンドボールや選手間の距離も短くなっていくだけに、そういう形にしていければよかったと思います。(ギャンがいない中でメンバーも変わっていた。そのへんの対応は?)そこはあまり…特に影響はなかったと思います。自分たちが悪過ぎたというだけだと思う。エウケソンら決定力のある選手だけは気をつけたいと思っていましたが1点目もきれいにぬかれましたし、2点目ももう少しうまく守れたはず。細かい部分ですが、そういうのが勝敗をわけていくと思うので。次の水原戦に向けていい状態でもっていけるように国内の公式戦でしっかりいい結果をだして、自信を持って臨みたい。(リーグ含めて厳しい状況にある。こういう中で求める事は?)出た課題は1つずつ潰していかないといけないですが、今の状況をしっかり受け止めないといけないし、相手よりもよりガムシャラにやる必要もあると思う。その中でも自分たちのよさというのは消さずにやっていくのも大事だし、自信をもつこと、謙虚さも必要。もう一回いいときのイメージをもちながら現状をしっかり受け止めてやっていきたい。

●DF金正也

悔しいですが、試合にも内容的にも完敗だと思います。(1失点目、人がいながらやられてしまいました)ああいうところで1つほころびが出ると相手に崩される。やっぱり全員が連動して守らないと人がいても、簡単に失点してしまうと感じました。(守備の連動は、まだしっくりいっていない、と?)ああいう局面のところで失点に繋がるのが…散々相手も外してくれていた状況があって、もう一度ああやってほつれたらやられますよね、そこは反省です。(4試合が終わって勝ち点2と厳しい状況ですが)他の結果もありますが…厳しいことは間違いないので。とにかく次勝たないといけない。(自分たちが足りていないのか、相手が上なのか)自分たちが足りていないんだと思います。相手はクオリティが高いだけではなく、基本的なところで走ることや球際などでもすごい強いし、ハードワークもする。そういう部分やメンタル的なところが…がちゃがちゃとなっても相手にこぼれるし、そういうところの差だと思います。

●FW宇佐美貴史

(自分たちが悪かったのか、相手が強かったのかどっちを強く感じますか?)自分たちだと思います。(一番後悔する部分は?)まだ自分たち自身、細かい勝つために必要なものとか、感覚が鋭くなっていないと思うし、そういうときに僕が勝たせないととホンマに思っているし、それでリズムを掴んでいけるような選手でいたいし、存在でいたいので、そのためには自分が決めないと、と強く思います。今日も決められなかったので。各々がどう思っているか分からないですが、この間の試合もそうですが、僕自身はすごく責任を感じています。こういう試合で勝たせていかないと話にならないと思います。(前半、アデやパトとのいい絡みで何度かチャンスがあった。あそこで決められないのは自分の感覚がまだ鋭くなっていないと?)そうですね。そこを決めていれば…結果論ですが、2〜3つあったシーンで決めていれば、状況は全然変わっていたと思うし、後半最初にあったパトのチャンスも決め切れず、相手に決められてしまうという現状があるので。その決め切れずのところが決まってくると全然変わってくるはずだし、そこに尽きると思います。(勝たせるための仕事ではゴールはもちろんですが、それ以外にも?)いやもう、ゴールしかないです。(自分の感覚のズレはでてきてますか?)あるんでしょうね。どういうシュートであれ枠にねじこんでいくシュートやフィニッシュの感覚をもっと研ぎすませていかないと、僕がいる意味がないと思います。(4試合終わって勝ち点2)他試合の結果もあるので、まだ現状わからないですが、可能性がある限りトライはし続けたいし、個人としてもチームとしてもいかにこういう状況を打破できるかが本当に大事だと思う。粘り強く、試行錯誤を繰り返しながら腐らずやり続ける事が本当に大事。個人としてもチームとしても、全てを引き出せれば現在の状況に陥るようなチームではないし、個人としてもそういうプレーヤーじゃないと思っているので、もっともっともっともっとやらないといけない。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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