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<ガンバ大阪U-23>FC琉球戦は、内容、結果ともに完敗。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

沖縄の地に乗り込んでのJ3リーグ9節、FC琉球戦。J3リーグ初出場となったMF阿部浩之がボランチを預かる中、湿度89%という暑さに見舞われたこともあってだろう。前半から動きも少なく、ミスも多い展開に。その中で22分にFC琉球のFWパブロに先制点を許し、ビハインドを追いかける展開となる。後半はそのMF阿部とMF大森晃太郎がポジションを入れ替え、巻き返しを狙うが、押し込む展開にこそなったものの崩しのアイデアは乏しく、結果、得点を奪えずに0−1で敗れた。試合後のガンバ大阪U-23實好礼忠監督、選手のコメントをお届けする。

●ガンバ大阪/實好礼忠監督

とんでもない、何もやらない、やれないというのか、という試合でした。

ーそれは、琉球の戦術に対しての問題なのか、あるいは、自分たちの問題だったのでしょうか。

まずは自分たちですよね。今までトレーニングで積み上げてきたものを何もしなかった。琉球さんの前からのプレス、繋ぎといった素晴らしさも、もちろんありましたが、自分たちのやらなささが一番です。

ーミスの多い前半を受けて、ハーフタイムはどういう指示を出したのでしょうか。

何をしているんだ、というところで、ある程度、守備のポジショニングのところ、相手の攻撃のポジショニングのところを頭に入れさせて、このひどい流れをひっくり返すにはおそらく時間もかかるだろうし、みんなが長い距離、何度もボールを追い回す,自分たちからアクションすることができれば戻ってくる流れもあるよ、と。そこでチャレンジは多少はしていたかな、と思います。

ー阿部選手を前半はボランチに据えました、後半は大森選手とポジションを入れ替えて、いつもの2列目に戻しましたが、阿部選手のプレーをどう評価しますか。

チーム全体が悪過ぎて、阿部も積極的なビルドアップから、積極的にゴールに向かうシーンもあったので。そのへんを踏まえて、これからトップチームにどう関わっていくか、というところですね。

ー今シーズンを通してみると今日の試合はどういう評価に?

今後、これ以上に悪い試合ははないだろうというくらいの試合でした。気持ちの面もそうだし、暑さとか湿気とか言い訳にできないくらい内容がひどかった。ただ、これはトレーニングでしか補えないと思うのでもっともっとトレーニングを、精神的にも技術的にも戦術的にもすべてトレーニングで積み上げていきたいです。

ーアウェイ戦では勝利がない。今日の琉球戦を前に、その流れをかえようというような話はあったのでしょうか。

特にはしていないです。いつも通りにやろうというだけです。(琉球に対して警戒していた部分は?)相手のアナウンスも多少はしたんですが、ミーティングで一番強調したのは自分たちがどうするかっていうところでしたが、そこが全く出ませんでした。相手以前の問題でした。

ー琉球のブラジル人トリオの印象は?

身体も強いですし、ゴールに向かって行く強さもありますし、フアン選手のさばき、ポジショニングなんかも掴みづらいところにいましたしね。また、ブラジル人三人も素晴らしかったですが、周りの選手もアグレッシブで攻撃的でしたし、攻撃的な選手がセンターバックにいたり、そのへんの圧力に負けました。

●MF内田達也

前半はかなり暑さというか湿度がかなり高くて。当然、それは言い訳にできないんですが、前半は特に悪かったですね。全然動けなかったですし。試合が始まる前は「6時の暑さってこんな感じか」と思ってスタートしたんですが、いざ、やってみると思いの外、じめじめしていました。みんなが足にボールがついていなかったし、一体感もなくて気持ち的にも相手の方がアグレッシブでしたね。後半、押し込めるようにはなって相手のチャンスは全然なくなったんですが後一歩のところで、崩しの部分があまり出せなかった。最初から後半くらいやれれば展開は変わったかもしれないけど、前半の45分間はまるっきり、いいところがなかったので。僕自身もなかなかボールにうまく絡めないし、前にも入れられないし、でした。(最後、みんなが順に足をつりかけていたところを見ても、相当乳酸がたまる試合だったんだなと見受けました)試合前に監督から同じ距離を走るなら自分たちからアクションをと、言われていたのに、前半はほぼリアクションで、そういう疲れがみんな最後はきたんだと思います。(U23ガンバ大阪として戦ったJ3リーグの中ではワーストゲームだった。得た収穫を挙げるなら?)気持ちがなければこれだけグダグダになってしまうわけで、技術ありきじゃ何もできなかったしもっと気持ちを作って入らなければいけなかった。技術だけでいなせるのかと言えばそんなレベルでもなかったと考えても、ダメだったというのが収穫だと言わざるを得ない。悪い部分がたくさん出たので、これから良くしていくしかないと思います。

●MF大森晃太郎

内容は見ての通りで、前半はとにかくあまりにも悪かったので、とにかく後半は前半以上のことをやろうと。前半は球際だったり、単純なミスが多かったので、それと同じようなことは絶対にやめようと。もっとハードワークしてやろうということは言っていました。(後半はボランチを預かった。真ん中でボールは持てるし、その自信はあったのですが、ただ、周りの選手とのコンビネーションはなかなかやっていない形なので、ワンタッチなのか、2タッチ目で裏に抜け出すのかっていうのはまだまだなので。そこでウッチーとパス交換をしながら、引いてきている選手のことは見えてきていたんですけど、その奥っていうのは、どのタイミングで動き出してくれているのかは見ながらやっていたとはいえ、なかなかそこもあっていかなくて。それは僕ももっと見る回数を増やしていかなければいけないし、チームとしても動き出せるようにならなければいけないというのは感じました。ずっと一緒にやっているメンバーではないのでそこは難しい部分ですが、でも前半からもっとうまくやれたところはあったんじゃないかと思います。実際、僕も前半のあの悪い流れの中で僕も3回くらいミスがありましたけど、チームが悪いから、と自分も一緒になって僕もミスしているようじゃあ僕もまだまだだなと感じました。

●MF阿部浩之

ひどかったですね。暑さもあったとはいえ、それは言い訳だし。僕も含めてチームもコントロールできなかった。良くなかったと思います。ボランチは初めてでしたが、自分なりにはポジティブにチャレンジしました。みんなと同じようなボランチをやっても意味がないと思っていたし、いい感じで攻め上がろうと思っていたんですが、上がれるタイミングもなく…僕にさばくことを求められていた訳でもないと思いますしね。どれだけ前にボールが入った時にサポートできるかというところだったと思うんですが、そういうシーンであまり持ち味というか、自分がやるべきことを出せなかった。収穫はなかったと言わざるを得ない結果だったと思います。(後半はポジションを2列目にして、いくつか前への勢いを感じたシーンもありましたが、最後まで迫力は戻らなかった気がします)そうですね。僕個人としても良くなかったし、もっと1人で違いを出せるくらいにならないと、トップで結果は出せないと感じました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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